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東京プリズン
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2012/07/09 |
JAN | 9784309021201 |
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商品レビュー
3.4
103件のお客様レビュー
主人公のマリは、時代を飛び越えたり色々な人格を経験しながらも、少しずつ自分なりの答えを探していく。 「自分たちの過ちを見たくないあまりに、他人の過ちにまで目をつぶってしまう」 という終盤に出てくる文章が印象に残りました。 他人の罪に対して、自分にも罪がある事で許してしまう。 他...
主人公のマリは、時代を飛び越えたり色々な人格を経験しながらも、少しずつ自分なりの答えを探していく。 「自分たちの過ちを見たくないあまりに、他人の過ちにまで目をつぶってしまう」 という終盤に出てくる文章が印象に残りました。 他人の罪に対して、自分にも罪がある事で許してしまう。 他人の罪は自分の罪とは関係ないのに、混同して何も言えない自分になってしまう。 『東京プリズン』では、「天皇の戦争責任」というセンシティブなテーマを主人公がディベートしてく中で、答えを出していく様子が描かれています。 責任感の強い民族だからこそ、自分達が戦争で犯した過ちを忘れてはいけないという、「東京=日本」という監獄の中に囚われ続けているという解釈をしました。 自ら檻に入ったのか、仕掛けられた檻なのか分からないけど、これからの人生の自分の行動に一つのキッカケを与えてくれた著作でした。
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1964年生まれのマリ。16歳になったマリは,日本の高校になじめず母にアメリカ留学させられる。ある日,授業で天皇の戦争責任についてのディベートを行うことになった。終戦時マリと同じ16歳だった母,戦後東京裁判で関わった仕事とは?母と戦争という過去の歴史から自己をみつめる。
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小説の力、言葉の力を存分に味わえる傑作。豊潤なイメージに満ち、読者を迷宮へと誘い込む。純粋に小説として読めるならば、この作品の完成度の凄さにひれ伏したくなってしまうほどだ。ただし、天皇制の是非などという政治的な要素に囚われる人にはこの小説はまったく響かないであろう。 東京裁判を模...
小説の力、言葉の力を存分に味わえる傑作。豊潤なイメージに満ち、読者を迷宮へと誘い込む。純粋に小説として読めるならば、この作品の完成度の凄さにひれ伏したくなってしまうほどだ。ただし、天皇制の是非などという政治的な要素に囚われる人にはこの小説はまったく響かないであろう。 東京裁判を模したハイスクールでのディベートを軸に、「私」の意識は過去と現在、母と娘、「I」と「people」、昔住んでいた家と森、鏡のあちらとこちらを縦横無尽に移行する。「大君」とヘラジカの存在も印象深い鍵となる。アメリカの地で日本人である「私」を突き詰めていくうちに、日本とは何か、そこにある天皇とは何か、という根底に行き着く物語、と僕は感じた。 文化的に、そして歴史的に、初めて聞くようなエピソードや新しい物の見方が随所に散りばめられているのも魅力的だ。
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