銃 の商品レビュー
震えながら読んでいましたが、早く続きが読みたい、と引き込まれました 後味が悪く、私にとってはあまり好きな本ではなかったです…コワカッタ…
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偶然手に入れた無機質な銃に、 翻弄されていく、大学生。 彼の心の隙間に銃が入ったのか、 隙間をあけて銃を入れたのか。 彼は、憂鬱を抱える普通の若者だった。 違っているのは銃を持っていることだけ。 銃を持ったことでバランスが崩れていく。 「私」を多用する独特のリズムの文章に...
偶然手に入れた無機質な銃に、 翻弄されていく、大学生。 彼の心の隙間に銃が入ったのか、 隙間をあけて銃を入れたのか。 彼は、憂鬱を抱える普通の若者だった。 違っているのは銃を持っていることだけ。 銃を持ったことでバランスが崩れていく。 「私」を多用する独特のリズムの文章に、 だんだんと読む速度が上がっていった。 私も、翻弄されたのか。 不思議な感覚・・・
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再読。 読んでると自分まで頭がおかしくなりそうになる。 ひたすら主人公の頭の中での葛藤が描かれてるんだけど、気持ち悪いくらい冷静で客観的。相手にも自分にも投げやりで、「生きることに意味などないことは、私にもわかっていた。」という一文が全ての思考の根底にあるように思う。 内面は取...
再読。 読んでると自分まで頭がおかしくなりそうになる。 ひたすら主人公の頭の中での葛藤が描かれてるんだけど、気持ち悪いくらい冷静で客観的。相手にも自分にも投げやりで、「生きることに意味などないことは、私にもわかっていた。」という一文が全ての思考の根底にあるように思う。 内面は取り繕ったように冷酷だけど、外面は恐ろしく良く、着るものにも気を遣うし友人もいれば 女性関係にも困っていない。なんとなくうまく生きてはいるけれど、絶対に何人たりとも踏み入らせない領域がある、「何を考えているかわからない人。」。 偶然手に入れた拳銃に思考を奪われて、最後は相手の反応から自分の感情や表情を知るくらい冷静でいられなくなる。最後はとても衝撃的。 ただ気持ち悪いと一蹴できるような作品でなく、切々と描かれる狂気に惹かれてしまい、ついのめり込んでしまう。短文で歯切れの良い文章がまた読みやすくどんどん引き込まれる。 虐待児、若い母親、タバコ、缶コーヒー、雨、施設、里親、犯罪、暴力、病院。中村氏の作品でよくでてくるワード。 好きな作品とは言い切れず、人に勧められる作品ではないけど、すごい本があったよ、と感想を共有したくなる作品。読むと気持ちが暗くなるけど、明るい気持ちになれない時に読みたくなる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一見どこにでもいる大学生が、ある日突然「銃」を手にする。 ただシンプルに何かの生き物を殺傷するために人間が作った銃という道具に魅せられた主人公。 次第に募る「人間を撃ちたい」という感情と、客観的ながらも支離滅裂な内なる葛藤が書き連ねられている。 冷静に殺人を行うような拳銃の思想と一致する人間になりたいと願い、嫉妬する様は、うそ寒くも感じるが、孤独の中にいる人間がひとたびその道具を手にすると、ある種の背徳感や、優越感がどんどん深みに誘ってしまうのしれない、とぼんやり思った。 最後のシーンは、男の妄想なんじゃないかとも思う。 「火」も同じく仄暗い作品。 役所とか警察が違う世界だと思うような、想像もつかないそんな人生を送る人は、きっと少なからずいる。 医者らしき人に話しているということは、この女性にわずかでも光が射しつつあるのだろうか。
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若く荒削りな文章、描写。銃に魅せられちょっとずつずれていく主人公、なかなか印象的なラストシーン。個人的な感想だけれど、筆者の本は純文学とエンタメの間くらいな気がするなー。たまに読みたくなる、読むとしばらくいいや、となる。
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・デビュー作。新潮新人賞受賞。 ・最初は、狙い切った、文学的な、暗さ、文字文字の説明がわざとらしさもあったが、次第に引き込まれる。 ・ストーリーはシンプルだと思うが、一つ一つのシーンが深いのか。 ・初めて読んだが、読み進めたい作家。
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偶然に一丁の銃を手に入れた青年が己の内から滲み出る衝動を制御できなくなっていく。銃の持つ抗しがたい魅力や手にした質感が写実的に繰り返し記述される一方、女性との交わりや頻繁に摂取されるタバコと缶コーヒーの描写が空疎で奇妙な感覚に襲われる。
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読み終えて、最後の作者のあとがきがよかった。自分の状況も相まって泣けるほど心を打った。 いい作品だった。
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犯罪に手を染める人は、最初から決まっているのかもしれない。 私にはわからない感情だからこそ、読んでておもしろかった。
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なんと言うか、シリアスのようなクールなような…そんな印象を与える本だなと思った。 誰しもが心の奥底に持つ、本能のような衝動。 確かに彼は歪んでいるが、この本を読んで「全く共感できる部分がなかった」と言う人を私は信用出来ないなと思います。 なんとなく最後が想像できる スッキリとし...
なんと言うか、シリアスのようなクールなような…そんな印象を与える本だなと思った。 誰しもが心の奥底に持つ、本能のような衝動。 確かに彼は歪んでいるが、この本を読んで「全く共感できる部分がなかった」と言う人を私は信用出来ないなと思います。 なんとなく最後が想像できる スッキリとした気持ちにはなれない でも、ふとした時に「もし、私だったら…」と考えてしまう そんな小説でした。
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