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の商品レビュー

3.7

237件のお客様レビュー

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2016/04/22

面白かった! 頭の中の仔細な思考の動きを丹念に観察して描写していて、実際はタバコをぼんやり吸ってるだけだったりする。銃を手にしたことで、支配され静かに狂わされていく。 終わり方もよかった。 薄ら笑いを浮かべながら「あれ、おかしいな、おかしいな」と手を震わせながら弾丸を詰めよう...

面白かった! 頭の中の仔細な思考の動きを丹念に観察して描写していて、実際はタバコをぼんやり吸ってるだけだったりする。銃を手にしたことで、支配され静かに狂わされていく。 終わり方もよかった。 薄ら笑いを浮かべながら「あれ、おかしいな、おかしいな」と手を震わせながら弾丸を詰めようとする。彼が自身の手でその生を終わらすことはきっと叶わず、かの刑事が自信に満ちた笑顔でポンと肩に手を置くのだろう。 短編の「火」も面白かった。 けど巻末の著者のあとがきで少々興ざめ。 そんなとっぴな小説ではない。

Posted byブクログ

2016/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の急展開には少しビックリしたけど、これが中村文則のスタイルなのかな?とワクワクした! 時間を置いてもう一度読みたい。

Posted byブクログ

2016/04/16

初、中村文則。 いちいち語られる主人公の心の声や行動に対する理由付けが鬱陶しく感じられた前半。でもその語らいがあったからこそ、心情の微妙な変化や心の闇、考え方がよく伝わります。 理解できるか出来ないか、そういうことではなくて。 人が道を外すキッカケって状況や心情様々なことが重なれ...

初、中村文則。 いちいち語られる主人公の心の声や行動に対する理由付けが鬱陶しく感じられた前半。でもその語らいがあったからこそ、心情の微妙な変化や心の闇、考え方がよく伝わります。 理解できるか出来ないか、そういうことではなくて。 人が道を外すキッカケって状況や心情様々なことが重なれば誰にでも有りうることなんだなぁと。きっと生きていたら、もうどうなってもいいやと全てを投げたしたくなる時が一度はあると思うんです。その時に、自分に守るものや誇りに思えるものがなければ、いとも簡単に崩壊していく。それを後押しするのが孤独感な気がします。 この読後感は言い表せない。自分には全く関係のない世界のようで、そうでもなかったかもしれない、という思いを抱かせるような。 途中に出てくる刑事さん。警察という職業をさておき人間として、ひとりの将来ある若者に本音で語る姿には感心しました。

Posted byブクログ

2016/04/16

『人がつくったものに、私は終始影響され、私の人生というもの、私がそれに重さをおいていなかったとしても、私の生活を、犠牲にしていたことを思った。』

Posted byブクログ

2016/04/07

さくさく読めた。 普通の人間が道を踏みはずすキッカケなんて案外些細なことなのかもしれない。ギリギリの中でみんな生きている。そんなことを思った。

Posted byブクログ

2016/03/03

銃を拾ったことで徐々に狂っていく男の話。自分の感情の機微を冷静に分析しているのにおかしいことに気付かない。後半人を撃たなければいけないと思い込んでしまうところが怖かった。結末が気になって読み進めたら急展開で突然終了。とにかく面白かった!

Posted byブクログ

2016/01/10

こんな体験、当然した事ないけど、文章に飲み込まれるだけじゃなく、思いっきり共感してしまった。 恐ろしい小説だ。

Posted byブクログ

2016/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

仲村作品二作目。 筆者の特徴として、主人公の心の機微、自分を意図的にコントロールするというか、自虐的、破滅的な書き方をスルスタイルだと感じた。 銃は死のタナトス、シンプルかつ美しいフォルムをまとったもの。人間が生まれたことに対する意味づけをするならば、それは魂をすり減らすような経験をすること。つまり熱中できるものがあるということ。 たまたま主人公はそれが拳銃であった。 銃という物質的なものに対して、抱く感情。どこか浮死後な感覚だった。 最終的に銃と共依存というか、一体化するまで行ってしまうところは残念であったけど。そこが仲村作品の神髄なのかもしれない。 人間の意識は絶えず変化して、無意識の流動的な活動、周囲の状況からの様々な影響、社会規範,幼児期の外界に対する認識ン所属している集団、無意識に蓄積される情報、あげていけばきりがない。

Posted byブクログ

2015/11/23

最初なかなか入り込めなかったけれど、刑事が出てきてから急に目が覚めたようになった。 ひとが何かに取り憑かれていく様子や、中毒的、なにかに夢中になって取り込まれていく心が描かれている。 銃の概念というもの含めて。 短編の「火」は後味の悪いもの。

Posted byブクログ

2015/11/18

銃の魔力で狂っていく様子が淡々と描かれています。絶対的な力を持つって怖いです。 もう一つのお話『火』も狂気そのものです。 一瞬まともに戻る部分が見えるところが逆に怖いんです。

Posted byブクログ