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千年鬼 の商品レビュー

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66件のお客様レビュー

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2013/05/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初の4編は鬼の芽が出る人の話。 小鬼たちが食べ物をくれた人の過去見をする。 続く「小鬼と民」から、この物語の発端になる。 弟を探す少女・民と、森で出会った小鬼。鬼の芽のこと。人鬼のこと。 小鬼が三匹で人の過去見をする理由。黒鬼の役割。天女との約束。 ここでようやく最初の話と繋がった。 千年はとてつもなく長い。長いけど。 それほど長くて辛く悲しい話なのに、淡々と書かれているからか、 意外とあっさり読めてしまった。感情的にはいまひとつ。 (個人の感想です) そういえば、感情移入しやすい人物(鬼?)がいないのもある。 一番近いところでも「忘れの呪文」のお針婆!? あ、「隻腕の鬼」の駒三も、まぁちょっとは。 民にしても、小鬼にしても、可愛いし、気持ちはよくわかるけど。 あまりに純粋すぎてかけ離れすぎて。 映像になればもう少し面白いのかも。リアリティもありそうだし。 表紙の小林系さんの絵で想像力をかき立てられるし。 萌えとかもあるかも。って書くとまた違ったイメージに? そういや、いろいろ含めて、 天女、超ヒデェ! 天界つってもそんなもんか? とここは黒鬼の気持ちで。

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2013/07/21

短編集かと思いきや、一冊で一つの物語でした。 千年の長い時間の中で、短く繰り返される人の命と、それを見守る鬼の姿が切ないです。

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2013/05/24

山に住む子鬼と少女「民」の出会いと、鬼2人の千年にわたる旅を描いた短編集。よくある安直なハッピーエンドで終わらせず、読者に一種の期待感をもたせるような終わり方は良かった。 和風ファンタジーとしては上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズ、畠中恵の「しゃばけ」シリーズなどが有名だが、本作...

山に住む子鬼と少女「民」の出会いと、鬼2人の千年にわたる旅を描いた短編集。よくある安直なハッピーエンドで終わらせず、読者に一種の期待感をもたせるような終わり方は良かった。 和風ファンタジーとしては上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズ、畠中恵の「しゃばけ」シリーズなどが有名だが、本作はこの2シリーズに劣らない良作だろう。

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2013/05/08

たった数日の出会いが千年も続く想いになる奇跡。 悲しくて幸せで凄い事だと思う。 読む前に表紙を見て感じる事と 読み終わった後に表紙を見て感じる事が変わります。 挿画は小林系さんという方のようですが 本当に素晴らしい場面のチョイス、作品の仕上がりです。特に表情。 この本の核となっ...

たった数日の出会いが千年も続く想いになる奇跡。 悲しくて幸せで凄い事だと思う。 読む前に表紙を見て感じる事と 読み終わった後に表紙を見て感じる事が変わります。 挿画は小林系さんという方のようですが 本当に素晴らしい場面のチョイス、作品の仕上がりです。特に表情。 この本の核となった場面が本当に上手く描かれていて素晴らしい。

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2013/01/28

人は、己の犯した罪を恥じ、それに耐えかねると 鬼の芽を生じさせる。その芽がはじけると、人は「人鬼」となってしまう。「人鬼」になると手当たり次第に 人を殺し続け 二度と正気には戻れないまま死んでしまう。 森に住む小鬼は、人間の少女 民に出会い、一緒に行方不明になった弟を探すが、見...

人は、己の犯した罪を恥じ、それに耐えかねると 鬼の芽を生じさせる。その芽がはじけると、人は「人鬼」となってしまう。「人鬼」になると手当たり次第に 人を殺し続け 二度と正気には戻れないまま死んでしまう。 森に住む小鬼は、人間の少女 民に出会い、一緒に行方不明になった弟を探すが、見つからない。鬼の過去見の術を使って過去を見せてたことによって、民は自分の罪を恥じ「鬼の芽」を生じさせ、その芽がはじけ「人鬼」となってしまう。「人鬼」と化して死んだ民は、千年の間、生まれ変わるたびにだれかの身に「鬼の芽」を生じさせてしまう。そんな民のために、小鬼は自分の身を削り その「鬼の芽」を摘み続ける。 いろんな時代に出会う人間は、憎しみや悲しみなどの不幸を抱え「鬼の芽」を持ち始める、その芽がはじけるのを踏みとどまらせるための小鬼の話。 優しくもの悲しいファンタジー この世界観と小鬼の優しさが好きです。

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2013/01/27

・三粒の豆…母を亡くした幸介は、幼い体に鬼の芽を宿す。奉公先の無垢な娘に触れられて泣き喚き、吐き出すことで鬼の芽が落ちた。 ・鬼姫さま…愛しいお方を殺された織里姫さまは鬼の芽を宿す。側で尽くしてくれる隆国の深い愛情で、鬼に鳴り損ねる。 ・忘れの呪文…幼い頃の罪を背負いきれずに、忘...

・三粒の豆…母を亡くした幸介は、幼い体に鬼の芽を宿す。奉公先の無垢な娘に触れられて泣き喚き、吐き出すことで鬼の芽が落ちた。 ・鬼姫さま…愛しいお方を殺された織里姫さまは鬼の芽を宿す。側で尽くしてくれる隆国の深い愛情で、鬼に鳴り損ねる。 ・忘れの呪文…幼い頃の罪を背負いきれずに、忘れの呪文を使ったお針婆。因果がめぐり、可愛がっている幼女が同じ罪を犯す。婆は償いで幼女を見守る。 ・隻腕の鬼…鬼の片腕が祀ってあるという小さな村で飢饉のため、自ら腕を切り落とし、年貢米を返して貰いに行く。 ・小鬼と民…何故、小鬼は人の世界の鬼の芽を集めているのか。民という幼女の悲しい話。『長ければ長いほど、辛い思いが増えるだけだ。楽よりも堪えることのほうがよほど多い。それでもな、この歳にならないとわからないこともある。ことに人の幸・不幸はな。』 ・最後の鬼の芽…京の色街。幼い姉妹。民の生まれ変わりの多美。小鬼の最後の力。褒美のおかあの白いまあるいお乳さえも届かない。『たとえ天さえも生命だけは動かしようがないのです。弱い虫のようなたった一夜きりの命ですらも、時の中にある限り、我らは手出し出来ぬのです。』 日本の民話にはよく鬼が出てくる。人の心にあるものだからだろうか。何故か哀しい話しが多い。

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2012/12/26

SLBA選定図書 2012年度 第2期 Aセットから 子鬼は少女を、宿業から解き放つため、千年にわたる旅を始める! 日本ファンタジーノベル大賞受賞作家が描く感動小説。 分類 913/サ

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2012/12/12

好きな世界でした。 非情とも思える道理のままの神。 ひとの心に芽生える鬼の芽。 鬼より怖い人鬼。 そんななか、小鬼と民が、なんて真っ直ぐで純粋で強い想いか…。 途方もなくて、涙があふれちゃいます。 ラストは胸が痛いくらい。 でも、ちょっぴりうらやましかったりも。 初読みの作家さ...

好きな世界でした。 非情とも思える道理のままの神。 ひとの心に芽生える鬼の芽。 鬼より怖い人鬼。 そんななか、小鬼と民が、なんて真っ直ぐで純粋で強い想いか…。 途方もなくて、涙があふれちゃいます。 ラストは胸が痛いくらい。 でも、ちょっぴりうらやましかったりも。 初読みの作家さん。 ほかの本も読んでみたいな。

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2012/11/16

何か、さらっと書かれているので涙は出なかった。が、千年という月日を考えると、切ないなぁと思う。 「本当におそろしいのは鬼ではなく人間」という内容が、身につまされる。 装丁と挿画が、いい感じだ。

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2012/11/10

子鬼のからだを何年もかけて、拾う民。黒鬼は地獄と言ったが、天女は「希望」だという。人は希望さえあれば、生きていける。

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