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千年鬼 の商品レビュー

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66件のお客様レビュー

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2015/11/24

 図書館より  人に過去を見せる術を使い、様々な時代、様々な人の”鬼の芽”を集める子鬼と黒鬼の目的は?  連作時代ファンタジー。  奉公先でいじめられながらも、寝たきりで酒びたりになった父を養うために我慢する少年、好きな人を殺された姫君、飢饉のため娘を手にかけようとする百姓、...

 図書館より  人に過去を見せる術を使い、様々な時代、様々な人の”鬼の芽”を集める子鬼と黒鬼の目的は?  連作時代ファンタジー。  奉公先でいじめられながらも、寝たきりで酒びたりになった父を養うために我慢する少年、好きな人を殺された姫君、飢饉のため娘を手にかけようとする百姓、 そうした人たちが恨みで溜め込んでしまうのが”鬼の芽”です。そしてそれを回収しようとする子鬼が主人公。  短編でテンポが良く、優しい子鬼と適当そうながら、なんだかんだでしっかりと子鬼の面倒を見る黒鬼。日本昔話的な優しさと安心感が物語の雰囲気から漂っています。  そうした中で二人が鬼の芽を集める理由が中盤以降明らかに、子どもの幼いながらの友情と、ほのかな恋心が感じられる切ない展開。  そしてラスト。切ないながらも黒鬼と同じように千年後の未来を信じられるような、温かいラストでもあった気がします。  西條奈加さんの作品は初読みでしたが、温かい筆勢がとても好みでした。時代物以外にも色々書かれているみたいで、他の作品も読んでみたいと思います。

Posted byブクログ

2015/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

黒鬼と子鬼は、旅をする。 恨み・妬み・罪悪感などを糧に人の中に育つ「鬼の芽」を 集めるために。 それは禁忌を破った彼らに課された罰、償いの旅だった。 日本昔話を読んでいるような気持になりました。 わかりやすい設定、 テンポの良いストーリー展開。 すとんと胸に落ちてくるような教訓。 大人が読める昔話、という感じ。 「民」というのはこの物語のきっかけをつくる女の子の名前なのですが、 それを知らないまま読み始めて 「民のために」というフレーズが出てきたので 「民衆のために」という意味かしらと思ったのですが ちがいましたね。 意味も通じないとも言えないので、狙っているのかな? 子鬼も民も悪いことをしたとも思えない。 それでも禁忌を破れば罰を受ける。 それも途方もない罰を。 でも進んでそれを受ける。 あとからじわじわ来るお話しでした。

Posted byブクログ

2015/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

理不尽な思いに耐える人々に過去を見せ、鬼の芽を集める子鬼とそれにつきそう黒鬼。 連作短編なのかと思いきや、そういう理由があったのねーという話。 でもうん、全体に物足りないかな・・・。

Posted byブクログ

2015/05/21

短編集のようで面白そうだぁとおもい、借りてみた。 時代小説風で、ひとりの人間に不思議な3匹の子鬼がかかわっていく話。実は3匹の子鬼の正体は1匹の鬼。子鬼と黒鬼の本当の目的は…。 感動モノ、とひとくくりにはしてはいけないと思いますが、悲しい、悲しい、でも幸せな、救われるお話。

Posted byブクログ

2015/04/30

「鬼」とは恵みももたらすし災いも。自然そのものとも言える。対して憎悪の念に駆られて生ずる人鬼は自然をも超越した破滅の象徴となる。自然と人工。天災と人災。ファンタジーであるがテーマは深い。

Posted byブクログ

2015/02/12

切ない物語。 千年もの間民を思い続ける小鬼の一途さにキュンとなる。 この作品において、もともとの鬼より、人間が変じる鬼の方がはるかに恐ろしいというのも、なにか人間の業の深さのようなものを感じさせられる。

Posted byブクログ

2014/09/15

ある女の子を幸せにするために、千年もの間巡る輪廻に付き添った小鬼にじーんとしました。 何だかんだで小鬼を気遣う黒鬼が好きです。

Posted byブクログ

2017/11/09

鬼とは何だろう。 人間界では、 頭に角をはやした怖い生物で、人間の生活を脅かす。 地獄では、 閻魔大王の使いとして、金棒をもって威嚇する死者たちの番人である。 だがこの物語では、「鬼の芽」というものがあるという。 人を憎んだり邪悪な気持ちがそのまま人間の心に巣食ったものが 長い...

鬼とは何だろう。 人間界では、 頭に角をはやした怖い生物で、人間の生活を脅かす。 地獄では、 閻魔大王の使いとして、金棒をもって威嚇する死者たちの番人である。 だがこの物語では、「鬼の芽」というものがあるという。 人を憎んだり邪悪な気持ちがそのまま人間の心に巣食ったものが 長い年月をかけて「鬼の芽」として育っていき、 きっかけがあれば、大爆発をして、 「鬼の芽」の持ち主は、共謀な鬼に変貌してしまうというのだ。 この物語の主人公は、「鬼の芽」を集め回る小鬼と黒鬼だ。 彼らは、千年かけて、「鬼の芽」を拾い集める旅に出ている。 「鬼の芽」を抱える者たちのエピソードは、 なるほど、人はこうした恨み・憎しみから鬼になるのか、と 思うものばかりだった。 一番怖いのは、人間ではないだろうか。 小鬼のキャラクターもかわいらしく、鬼の生存も憎からず思えてくる。 節分にあわせて、小・中学生にも読ませたい作品だ。

Posted byブクログ

2014/04/19

さらさらと読めたのですが、なんとなく、うーん、な感じ。 似たような雰囲気なら、お面屋たまよしのほうが好きなせいもあるかなぁ。

Posted byブクログ

2014/03/17

ほっこりファンタジーかと思いきや、切ない。切ない。。。 「千年」、想像しようとしてもできないぐらい途方もない時間。たみの鬼の芽を摘み続ける小鬼もカッコイイし、支え続ける黒鬼もカッコイイ。 予定調和で終わらず、シビア。でもラストかすかな希望が見える。出会ってほしいと切に願う。

Posted byブクログ