光待つ場所へ の商品レビュー
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*日々は、繋がっていく。世界は、広がっていく。 大学の課題。抜きん出た作品として紹介されるのは、自分の絵だと確信していた。なのに・・・。恥ずかしさと、息苦しさと、駆け出したくなるような衝動。あの頃のすべてが詰まった、傑作青春小説全4編を収録!* レビューを読んで、他作品の「スピンオフ短編」だと知りました。道理で!と納得。繊細で緻密な作品だと思うけど、なんとなく唐突感が拭えず・・・。該当作品を読んでから、改めて再読してみたい。
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青春時代、それぞれの立場で一歩を踏み出す人達。世界が狭く、閉じていたが故にとんがったあの時代の感覚を思い出し、久しぶりにわくわくしました。自分の可能性を信じていたし、まわりの世界にも期待をしていたあの頃。あの感性を蘇らせてくれるだなんて、すごいことだと思います。 特に最初の作品は、『絵を描くこと』に関わっていて、強く共感できました。 手元に置いておきたくなった本です。 最後の作品には、凍りのくじらの理帆子たちが出てきました。こうして、彼女たちのその後が描かれていたことが嬉しかったです。
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主人公達の苦悩や心情で展開する話は、共感出来る部分や好きなキャラじゃないと楽しめないけど、どの登場人も微妙な人達で好きになれない 唯一「樹氷の街」は割と好きだけど、短すぎて物足りないかな
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駆け出したくなるような衝動――青春は、事件の連続。 あの「校舎」で過ごした「彼」の、書き下ろし短編を収録! 日々は、繋がっていく。世界は、広がっていく。 大学の課題。抜きん出た作品として紹介されるのは、自分の絵だと確信していた。なのに……。清水あやめは、田辺颯也(そうや)が製作...
駆け出したくなるような衝動――青春は、事件の連続。 あの「校舎」で過ごした「彼」の、書き下ろし短編を収録! 日々は、繋がっていく。世界は、広がっていく。 大学の課題。抜きん出た作品として紹介されるのは、自分の絵だと確信していた。なのに……。清水あやめは、田辺颯也(そうや)が製作した三分間のフィルムに、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わう。「私は何になりたいのだろう。どこへ行きたいのだろう」やるせない感情に襲われた彼女の耳に飛び込んだのは、底抜けに明るい田辺の声だった――。(「しあわせのこみち」) 恥ずかしさと、息苦しさと、駆け出したくなるような衝動。あの頃のすべてが詰まった、傑作青春小説全4編を収録! ●「しあわせのこみち」 ●「アスファルト」 ●「チハラトーコの物語」 ●「樹氷の街」 ※収録にあたり加筆訂正がなされています
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辻村作品のキャラクター達のスピンオフ作品。おっ、あの人もあの人も、と読んでいて思わず懐かしさと同時にキャラクターの成長ぶりに嬉しさを感じます。過去の作品を読んで無い人には少しわかりづらいところもあるかもしれないけど辻村ファンなら文句なしに楽しめるでしょう。面白かったです。
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1 しあわせのこみち (これは至極あたりまえのことかも知れないけど)才能があることから生ずる悩みと、才能の無いことから生ずる悩みは、比較しようがないこと、そして、他者の持つ悩みを理解することの大切さが描かれている短編。 2 アスファルト 何かしらの理由(ページ数の制限?)により、物語の途中で、本来であればあった方が良いのでは?と思われる箇所がごっそり抜けている場面(例えば、P.123で主人公が菓子店でドイツ人の女性と話した内容 等)がある。一ファンとしては、文庫化の際に、ぜひ加筆してもらえればと願う次第。 あと、私もAKIRAのドイツ語版は読めないけど、見てみたいと思った。 3 チハラトーコの物語 本書の中で一番好きな物語。その理由は4つある。1つ目、私の好きな小説である「スロウハイツの神様」の後日譚であること。2つ目、私の好きな赤羽環が出ていること(そして環が、かつてチハラトーコがチヨダコーキを騙そうとしていたにも拘らず、深い愛情を持って彼女を見守っていること)。3つ目、チハラトーコの「何とかこの世界で生き延びてやる!」という姿勢に強く共感。(あと、主人公の呼び名が、千原冬子でもなく、チハラトウコでもなく、「チハラトーコ」であるところもいい) 4 樹氷の街 「凍りのくじら」の後日譚。両親を亡くし孤独となった理帆子。実質的に両親不在の郁也、そして家政婦の多恵。彼らに血の繋がりは無いけれど、家族としての強い繋がりを持っている。静かに心が揺さぶられた。
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高校生から大学生にかけての青年が どんなふうに才能との向き合うか。 最初の作品で描かれる、 自分の心理と向き合うまでの物語がとても好き。
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「光待つ場所へ」辻村深月◆自分の感性に自信を持ち絵を学んできた女子学生の物語など4編。自分より力のある人に出会った時の敗北感とか、クラスがまとまらないときのぐだぐだ感とか、美化するでもなく必要以上にドロドロにするでもなく、辻村さんの描く「嫌な感じ」は過不足なくて上手いなぁと思う。
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「その後」とか「スピンオフ」大好物です。 特に「ぼくのメジャースプーン」から「凍りのくじら」を経ての今回のスピンオフ。あの松永くんの涙。前作読まないともったいない。辻村さんはほんと、人の機微を描くのがうまいというか、さらっとずしっとくる。他の短編も、元の作品読んでからじゃないと、...
「その後」とか「スピンオフ」大好物です。 特に「ぼくのメジャースプーン」から「凍りのくじら」を経ての今回のスピンオフ。あの松永くんの涙。前作読まないともったいない。辻村さんはほんと、人の機微を描くのがうまいというか、さらっとずしっとくる。他の短編も、元の作品読んでからじゃないと、満足度半減。
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長い間積ん読で、やっと今回読み終わりました。 今まで読んだ辻村作品の、「ああ、この人」と思う人がたくさん出てきます。 なので、それらの本を全部読んでから読むと、すごい懐かしい気分になります。
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