鍵のない夢を見る の商品レビュー
5編がそれぞれにとても面白く…そして全く違う背景 読み進めるのも早く終わりました。 この作家さんのはとても多く読んでいました。 作品がそれぞれ全く違うので、自分の中でこんなに読んでいたとは思いませんでした。だから面白いのかな・・・
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生きていると訪れるもどかしい場面で、自分はどういう選択をして、どう生きていくのか決めなくてはいけない。 それが正解かどうかは分からないけれど、正解になるよう生きていくしかないのかもしれない。 そんな気持ちになりました。
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5つの短編集。 そこまで言語化しないで!と言いたくなるくらいヒトのイヤ〜な内面が描かれている。 そのため人間関係や性別に敏感な時に読むと、刺激を受けすぎて本書に対して反発心が湧くかもしれない。 いいや自分はそこまで腐りきってない、周りからそんなふうには思われてない、など自己弁護しながらじゃないと読み進められないくらいくらう。強烈なドロドロ。 後味の悪いお話なのに読むのをやめられないのはなぜだろう。 癖になってるのか救いを求めてるのか自分でもよくわからなくなる。 ただ辻村深月さんの作品をもっと読みたくなったのは確か!!
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他人を勝手に評価して、優劣を決めたりと人間は結局自分を通してしか他人を見れないんだなと思いました。 人と比較したり人のことを評価しそうになった時、 人には自分から見えない部分があるということだけでも忘れずにいたいです。
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「芹葉大学の夢と殺人 」が印象的。最近ダメ男とそれに依存する女の小説を多く読んでるような・・・。鍵のない夢とはどういうことかずっと考えている。叶うことのない(見てはいけない)夢のことなのか、入ったら最後出られない沼のようなものなのか
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長編を先に読んでて、短編は初めて読んだけど、短編もとても上手。身近な怖さ、こういうのあるよなーとすごく共感できた。ストーカーと最後の赤ちゃんの話が印象に残った。
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目次 ・仁志野町の泥棒 ・石蕗南地区の放火 ・美弥谷団地の逃亡者 ・芹葉大学の夢と殺人 ・君本家の誘拐 どれも、日常の中でちょっとボタンを掛け違えば、誰の身にも起きかねない事件。 盗癖のある母を持つ小学生の子どもは、母のPMSなど理解できないだろうし、どう自分の中で折り合いをつけていたのだろう。 父親も近所の人たちも、みんなそれを知っている(そして何も言わない)という環境もいたたまれない。 それでも、ヒーローになりたくて犯罪を犯すとか、自分の欲望を我慢する、こらえることができない人が犯す犯罪は、許すことはできない。 身勝手以外の何物でもない。 けれど最後の、子育てに疲れた母親が、ほんの一瞬気を抜いた瞬間に訪れた恐怖。 確かにそこにあったはずのベビーカーがない! これを責めることは、私にはできない。 育児をしている最中に、ほんの一瞬でも気を抜いたほうが悪い。 と思うから、一瞬も気を抜けずに気を張って家事に育児に疲弊していくのだ。 その疲弊を、たった一人で背負わなければならないワンオペ育児。 こんなの日本の文化じゃないからね。 核家族で地域の繋がりの薄れた、ここ数十年に発生した育児形態なんだからね。 とはいえ、主人公の良枝の性格というものもある。 完璧主義で、人付き合いが苦手で、「助けて」が言えない。 だから自分を追い詰める。 同じ環境でも、追い詰められない人というのはいるのだから。 「良枝はさ、昔から人生設計が階段階段って感じで、踊り場がなかったのかもしれないね」という、学生時代の友人のセリフが、私の胸にもぐっさり刺さる。 でもさ、母親だっていろいろじゃん。 強がって頑張ってるけれど、芯から強いわけじゃない人だっているよ。 この後良枝がどういう行動をとるのかはわからない。 私としてはきちんとショッピングモールの人に事情を話して、謝ればいいと思う。 怒られるかもしれないし、理解してもらえるかもしれない。 もちろん夫にもきちんと話して、どれだけ自分がしんどいのかを分かってもらうように努力をしなくては。 言ってもわからない人に、言わずにわかってもらうことはできないのだから。 夫さんはどうも鈍そうな感じではあるが、悪い人ではないだろう。 そうやって、少しずつ自分の辛さ、しんどさを薄めていくしかないだろう。 話して分かるようになれば、子育ての大変さはそのベクトルを変えるので、孤独は薄れるかもしれない。 でも、一日を通して話し相手が我が子しかいないというのは、やはり大人の環境としては歪であると、もっと周囲の人が気がついてあげられる社会でありたい。
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直木賞受賞作ということで、一般的にはとても評価が高いと思われますが、自分の中ではあまりヒットしなかったです。 別にミステリーと名をうっているわけではないのですが、結論におどろきがあるというわけでもなく、読んでいて楽しみ方が分からないというのが正直なところでした。追い詰められる...
直木賞受賞作ということで、一般的にはとても評価が高いと思われますが、自分の中ではあまりヒットしなかったです。 別にミステリーと名をうっているわけではないのですが、結論におどろきがあるというわけでもなく、読んでいて楽しみ方が分からないというのが正直なところでした。追い詰められる女性心理という点ではテーマがあるように思いますが、それで終わりということだとどうも…。タイトルも意味深ではありますが、自分にはよく分からなかったです。
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女性が主人公5つの話が入った短編集。どれも犯罪が絡んだ話。なんだか暗めな話が多く、うますぎる心理描写にモヤっとするが、リアル。 「仁志野町の泥棒」 小3で引っ越して来た「りっちゃん」。彼女の母親は泥棒なのだという。人の家に入って少しの金銭をとっていく。金銭目的というより窃盗症。...
女性が主人公5つの話が入った短編集。どれも犯罪が絡んだ話。なんだか暗めな話が多く、うますぎる心理描写にモヤっとするが、リアル。 「仁志野町の泥棒」 小3で引っ越して来た「りっちゃん」。彼女の母親は泥棒なのだという。人の家に入って少しの金銭をとっていく。金銭目的というより窃盗症。同じクラスで仲の良かったりっちゃん。母親が泥棒でも、娘と仲良くする分には関係ない? 話の大半を小学生女児目線で描いているが、心の動きがよくわかる。 「石蕗南地区の放火」 合コンで会った冴えない町役場の職員。主人公は共済組合の職員。女同士、モテる、結婚、その辺のモヤモヤ描いている。 「美弥谷団地の逃亡者」 相田みつをを教えてくれた陽次。DV彼氏。最後にちょっとしたどんでん返しあり。 「芹葉大学の夢と殺人」 工学部で出会った雄大は「医学部に編入し、サッカー選手になる」と夢を語る。本気で。絵本を描きたいと夢見る主人公。夢を持っているということだけで繋がるふたり。雄大ほどのやつ、いないんだけど、いそう。 「君本家の誘拐」 産後鬱の母。「人生に踊り場がない」確かになあ。次々にやらないといけないことを見つけ階段を登っていく。 産後鬱の感じがリアル。ちょっと救いがなくてしんどい。こうはならん。
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どの話も人間の心の隙間に潜む闇が起こしてしまっているようでとても怖い。最後の君本家の誘拐は子供を育てたことがある人はぞっとするとおもいます。どれもスッキリする事はなくモヤモヤした感じだけが残ってやるせない気持ちになりました。
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