天地明察(下) の商品レビュー
算術、碁、歴学、何かに才ある者の活躍にも地道な努力があるものだ。そして機を見るに敏。一生を潰にたる何かを見つけられることは望外の喜びなのかもしれない。
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第7回 本屋大賞 第31回 吉川英治文学新人賞 第4回 舟橋聖一文学賞 第4回 大学読書人大賞第1位 おもしろくて夢中で読み耽りました! 歴史小説ならではの馴染みのない文章で言葉を調べながら読みましたが、不思議なくらい話の内容がわかりやすくて楽しかったです。 前半は江戸時代の...
第7回 本屋大賞 第31回 吉川英治文学新人賞 第4回 舟橋聖一文学賞 第4回 大学読書人大賞第1位 おもしろくて夢中で読み耽りました! 歴史小説ならではの馴染みのない文章で言葉を調べながら読みましたが、不思議なくらい話の内容がわかりやすくて楽しかったです。 前半は江戸時代の未知な情報がいちいち新鮮でした。 絵馬に問題を書いて解いてもらう算額奉納は、娯楽の少ない時代では算術も娯楽になるのだと知り驚きです。また、碁打ち衆や茶坊主という職業や、朝令暮改の規則など、江戸幕府事情も色々知れました。 星の観測では、江戸時代にこんな大掛かりな調査をしていたのかと感心し、 「あたかも一隻の大船をみなで操り、星の海を航るがごとき働きであった。」 という、器具を操る隊員たちとの連携を表した一文が素敵でした。 建部、伊藤との天体観測の旅路は、振り返ると夢のような時間に思えます。 この小説の時代背景は、戦国時代が終焉した泰平な時代で、保科正之が登場します。民の生活の安定確保に努めた彼の人柄と能力はもうすごい!としか言えず、日本三大名君なことに納得です。その功績の一つに改暦への関わりもあったんですね。 他にも優秀な算術家や天文学者、上役など何人もの理解者に囲まれ、渋川春海が偉業を成し遂げたことには人の縁も欠かせない要因でした。 志半ばで仲間たちが次々に死去してしまうことが悔しかったですが、春海はよくぞ長生きをしてくれました。運も味方になり改暦を達成できたのでしょう。 人生をかけた改暦はあまりにも過酷な道のりで成し遂げた時には感極まりました。 算段を見極め、抜かりなく根回しをして布石を打つ、そんな碁打ちの術が改暦に活きるところはおもしろく、そしてかっこよかったです。
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春海の成長と時代のうねりがリンクして到達する、最高に痺れるクライマックスに心惹かれ、一気に読了。 脇を固める、保科、関、えんなど、全ての登場人物が魅力的で、胸が熱くなったし、それぞれの人物からの視点での同じストーリーも読んでみたいと思うほどだった。
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江戸時代。 改暦の事業の中心となった主人公。 地獄のような苦しみを味わい、 そこから再び立ち上がる姿に 胸が熱くなります♡ 淡い恋心から始まった女性との 再会もあり。 ときめきって、素敵ねえ。 生涯をかけて戦い続けた男の 最後の結末はとても穏やかで ホッとしました。
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歴史小説ということで、ところどころ分かりにくいこともあったけど、改暦までの流れがイメージできました。 失敗を繰り返しながらも地道に研究と根回しを続けた結果、偉業を成し遂げられる姿が印象的でした。 何ごとも続けることって大事だけど、なかなかできないことです…
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また最高の本と出会ってしまった。なんせ春海に関わる人間全員が全部良すぎる。嫌だな、という人間しない。出会いも別れも全部が春海にのしかかって、それでも全部を背負って最後までやりとげる美しさ。まさか20年を超えての大事業になるだなんて思わなかったなあ。 最後ちょっと駆け足だったような...
また最高の本と出会ってしまった。なんせ春海に関わる人間全員が全部良すぎる。嫌だな、という人間しない。出会いも別れも全部が春海にのしかかって、それでも全部を背負って最後までやりとげる美しさ。まさか20年を超えての大事業になるだなんて思わなかったなあ。 最後ちょっと駆け足だったような気もしたけど、それまでに出会って培った経験と手回しの蓄積なのかな。関孝和は知っていたけど、渋川春海は知らなかったから創作?と思ったけど、実在した人物だったとは。歴史って本当に面白い。
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江戸時代の碁打ちの家がどんなものなのか、算額は現代の数学とは違うのか、改暦がどれほどの一大事なのか、なんかその感覚が分からない。改暦に失敗した春海は切腹を覚悟する。 その重大さが分からないので十分にはこの物語を理解できてないと思うが渋川春海の一生を清新な語り口で楽しむことができた...
江戸時代の碁打ちの家がどんなものなのか、算額は現代の数学とは違うのか、改暦がどれほどの一大事なのか、なんかその感覚が分からない。改暦に失敗した春海は切腹を覚悟する。 その重大さが分からないので十分にはこの物語を理解できてないと思うが渋川春海の一生を清新な語り口で楽しむことができた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
授時暦が間違っていることが分かった時のドラマチックさが印象深いです。 大和暦を通すための政治工作も面白く読みました。 まさに「持てる力を全て使って」というような感じで、読み応えがありました。
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読了。 最近Youtubeで科学者、数学者、エンジニアなど、真理の追求や科学を駆使したおもしろ楽しいテクノロジの話をよく見ている。人類の好奇心という欲求は、ものすごく強力で止めようがないものなのだなと、改めて思う。 苦しく辛いこともあるだろう、人との出会い、わかれもあるだろう、...
読了。 最近Youtubeで科学者、数学者、エンジニアなど、真理の追求や科学を駆使したおもしろ楽しいテクノロジの話をよく見ている。人類の好奇心という欲求は、ものすごく強力で止めようがないものなのだなと、改めて思う。 苦しく辛いこともあるだろう、人との出会い、わかれもあるだろう、最愛の人を失うこともあるだろう。それでも、知りたい、真理に近づきたいという思いの力は、むしろ気張っていうことことでもなく、当たり前の欲求なのだ。 人生で一番大事なことはなんですか?と山本太郎風に自問してみる。それは好奇心です!!間違いない!!士気凛然、勇気百倍、すごく面白かった。久々の星4つ。
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さすが本屋大賞の一言に尽きる。 囲碁打ちの渋川春海は徳川将軍の名を受け、新しい暦を作るべく奔走する! どこかナヨっとした晴海の人間臭さに惹かれ、謎の天才算術家、関孝和との算術問題を通したやり取りからも目が離せない。 江戸時代にここまで天文学や測量の技術が栄えていたのかということは...
さすが本屋大賞の一言に尽きる。 囲碁打ちの渋川春海は徳川将軍の名を受け、新しい暦を作るべく奔走する! どこかナヨっとした晴海の人間臭さに惹かれ、謎の天才算術家、関孝和との算術問題を通したやり取りからも目が離せない。 江戸時代にここまで天文学や測量の技術が栄えていたのかということは非常に勉強になる。また、技術者魂に何度も心揺さぶられた。
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