天地明察(下) の商品レビュー
時代小説は殆ど読まないのですが、しばらく前に「12人の〜」を読んで冲方丁さんの文体が好きになり、読んでみました。 いやー、面白いですね。 歴史が大の苦手で詳しくないため、登場する歴史上の偉人たちがどのようなことを成し遂げて来たのかが気になって、いろいろネットで調べながら読み進めま...
時代小説は殆ど読まないのですが、しばらく前に「12人の〜」を読んで冲方丁さんの文体が好きになり、読んでみました。 いやー、面白いですね。 歴史が大の苦手で詳しくないため、登場する歴史上の偉人たちがどのようなことを成し遂げて来たのかが気になって、いろいろネットで調べながら読み進めました。久々に勉強した感じ…。
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買ってから数年間、本棚にありました。読み始めたら止まりませんでした。上下巻あわせて、数日で読み終わりました。 日本史で名前を聞いたことのある、政治家・文化人が多数出てきます。それらの人が、主人公に関係しています。へぇー、この人とこの人は、こういう場面で付き合っていたのかと驚き...
買ってから数年間、本棚にありました。読み始めたら止まりませんでした。上下巻あわせて、数日で読み終わりました。 日本史で名前を聞いたことのある、政治家・文化人が多数出てきます。それらの人が、主人公に関係しています。へぇー、この人とこの人は、こういう場面で付き合っていたのかと驚きます。 文庫の下巻の養老孟司さんによる解説も、とてもよかったです。
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現代日本の暦を作った人の物語、と言うことでしたが、それまで800年あまり当たり前のように使っていた暦の誤りを証明し、帝と幕府を納得させ、改暦を認めてもらうまでの苦労が、まさかここまで大変で孤独な作業だったとは、読み進めていけば行くほど、よくぞ挫けずにやり遂げたなぁ、と感心させられ...
現代日本の暦を作った人の物語、と言うことでしたが、それまで800年あまり当たり前のように使っていた暦の誤りを証明し、帝と幕府を納得させ、改暦を認めてもらうまでの苦労が、まさかここまで大変で孤独な作業だったとは、読み進めていけば行くほど、よくぞ挫けずにやり遂げたなぁ、と感心させられっ放しでした 暦とは、単純に天体から決まるのだと思っていましたが、科学的にはそうであっても、暦注と呼ばれる神道的な要素や、伝統的に大昔から続けてきた行事なんかも絡み合っていることを知り、またそれらに絡んでいる関係者がちゃちゃを入れてきたり、改暦には科学的知識の積み重ねだけではなく、政治的な根回しも緻密にやっていく必要があり、本当に大変だっただろうなと、ましてや、計算機や通信機なんか何もなくて、なんでも手計算や手紙などを駆使しての積み重ね、読んでもなお、その苦労は想像できないくらい大変だったろうと思いました しかも、失敗や仲間、家族を失いながら悔しさや悲しさを常に乗り越えながらの達成だったので、言葉が見つかりません 渋川春海本人も去ることながら、春海の才を見出した保科正之や大老酒井、水戸光圀、関正和など、周りの人間にも恵まれたことも大きかったと思います、 春海、結構慎重なところもあったように感じるので、大事な局面で常に誰かが最後のひと押しをしてくれたのは大きかったと思いました 日々、今日の暦がズレなく当たり前のように違和感なく過ごせていられるのも、渋川春海さまのおかげである、感謝の気持ちしかないです
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碁打ちが色々あって改暦をする。キャラクターが分かりやすく読みやすい。 上巻の最後の問題って解けない気がしますが。。
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最初、これは一体何の話だろうと読み進めたら、壮大なストーリーと登場人物の素敵な人柄に惹かれ、最後まで一気読みとなりました。
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おもろしかった! 10年以上前に読んだ際は時代物特有の言い回し等が難しく途中でやめてしまったがリベンジで再読 たまに言葉を調べつつの前半だったが読み進めるにつれ話にのめり込みノンストップで読み切れた。 4章前半の保科正之の「安井算哲よ、天を相手に、真剣勝負を見せてもらう」のセリフが震えるほどかっこよかった。 終盤は少し展開が早く後ろを巻かれてしまった感が少しあったがそれでも最後の1行まで満足感がありとても良かった。晴海の人生をかけた勝負、かっこよかった。
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図書館にて。 良い! 何度も失敗して挫折して、また立ち上がる主人公がめちゃくちゃ素敵だ。 (笑顔で辛抱強く支える献身的な妻、という描き方は好きでないけど)春海を支える周りのメンバーも素敵だ。 関孝和との初めての面会シーンも好き。 どこまで事実かは分からないけど、こういう人たちが確...
図書館にて。 良い! 何度も失敗して挫折して、また立ち上がる主人公がめちゃくちゃ素敵だ。 (笑顔で辛抱強く支える献身的な妻、という描き方は好きでないけど)春海を支える周りのメンバーも素敵だ。 関孝和との初めての面会シーンも好き。 どこまで事実かは分からないけど、こういう人たちが確かに存在したことに熱い気持ちを分けてもらった気がした。
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徳川四代将軍家綱の時代に始まる渋川春海による改暦プロジェクト。それは、公家から武家へと統治を移行していくために必須となる国家事業であった。誤謬にへこたれても、その真摯さが人の胸を打つのか、次々に支える人が現れ、助けてくれる。えんとのやりとりには、一大プロジェクトを任される春海の、専門以外には抜けまくっている様が際立ってほほえましい。 算学、暦学、知への追求、その集中力が痛いほどに感じられた。賢くなる気とやる気の出る一冊。
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久々に気持ちの良い小説だった。江戸初期日本で初めての天文学者渋川春海の本。 囲碁のプロの一家でありながら算術と日時計が趣味。23歳から取り組み46歳、23年かけて改暦に挑んだ男。 平安時代の貞観4年(862)から中国の宣明暦をもとに毎年の暦を作成したが、800年以上もの長い間同じ...
久々に気持ちの良い小説だった。江戸初期日本で初めての天文学者渋川春海の本。 囲碁のプロの一家でありながら算術と日時計が趣味。23歳から取り組み46歳、23年かけて改暦に挑んだ男。 平安時代の貞観4年(862)から中国の宣明暦をもとに毎年の暦を作成したが、800年以上もの長い間同じ暦法を使っていたので、実態と会っていなかった。日食のタイミングが違ったりの描写が度々出てくる。渋川春海によって初めて日本人による暦法が作られ、暦が改められた。新たな暦法を導き出すまでの算術を学びや北極星を測定して日本を歩いたり、幕府や朝廷に改暦を迫るために本の出版や道端で北極の位置を測定したり世論を動かし、朝廷を動かす試行錯誤。まあ大変。これぞ無理難題に挑むチャレンジ。改暦を達成した後の描写で23歳の自分を夢に思い出し、「この幸せものめ」と23歳の自分に語りかける。俺も死ぬ時こうなりたい。主人公を支える会津藩初代藩主 保科正之がかっこいい
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面白く読み進めることができた。所々難しい言葉が使われ、北極出地の観測場面では、どういう大きさでどんな器具が設置されたのか想像が難しかったが、全体的には読みやすかった。 23年にも及ぶ改暦への軌跡。主人公春海は碁打ちの名人であり、算学にも通じている。はじめ、算額絵馬では無術による失敗をするが、北極出地を通して改暦への道のりを進んでいく。そして、様々な人の助けがあり、改暦事業は達成される。 その後30年間、どういった気持ちで春海は過ごしたのだろうか。最後には、夫婦そろって神社に誤問の算額絵馬を取り戻しにいっている。春海にとっては恥ずべき絵馬のはずが、妻えんにとっては大切なものとして扱われているのが面白い。まるで無術が明察であるかのように、夫への愛そのもののように思えた。 ぱちん、ぱちん。と柏手の音が聞こえた気がした。柏手とは陰陽の調和であるらしい。無術明察。春海はどういった気持ちで参拝を終えたのだろう。
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