パンとスープとネコ日和 の商品レビュー
作家さんの名前は聞いた事あるけど、どんなお話を書く人なのかよく知らないので手に取ってみた。 お店の改善の方向に話が進むのかと思いきや、タイトル通りだった。ほんとそのまんま。 終盤にはたろちゃんメインになってきて、え、残り僅かなページしかないのに、お店の方向性はどうなるの?とハラ...
作家さんの名前は聞いた事あるけど、どんなお話を書く人なのかよく知らないので手に取ってみた。 お店の改善の方向に話が進むのかと思いきや、タイトル通りだった。ほんとそのまんま。 終盤にはたろちゃんメインになってきて、え、残り僅かなページしかないのに、お店の方向性はどうなるの?とハラハラしながら読んだ。 しまちゃんが多方面から大絶賛で、とってもいい子なんだろうなぁと思った。 特に問題が解決するわけでもない、緩やかに日々を過ごして、穏やかに毎日を繰り返す。そんな和やかな空気が始終流れているような作品でした。
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単身、食堂を営む女性を描いたお仕事小説。 母親の急な逝去からお店が起動に乗るまでのあれこれが描かれる。 客や常連の反応がとてもリアル。 主人公自身の過去や葛藤も色濃く表現されるが、生い立ちに関する部分は少々くどめ。 また、著者作品にはお約束のネコももちろん登場し、一挙手一投足が可...
単身、食堂を営む女性を描いたお仕事小説。 母親の急な逝去からお店が起動に乗るまでのあれこれが描かれる。 客や常連の反応がとてもリアル。 主人公自身の過去や葛藤も色濃く表現されるが、生い立ちに関する部分は少々くどめ。 また、著者作品にはお約束のネコももちろん登場し、一挙手一投足が可愛らしく描かれるが… 独りで生きていく上での在り方も考えさせてくれるような一冊。
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2012年刊。50代前半の主人公女性。出版社を自主退職して、亡き母が営んでいた食堂を自分なりの形で再営業。反面教師的な母、私生児であるらしい自分、猫との暮らしと別れ。店の営業に限らず、大切なスタッフ女性との出会いと協働。概ね淡々と生活を続けるが、結構芯が通っている主人公。でも自然...
2012年刊。50代前半の主人公女性。出版社を自主退職して、亡き母が営んでいた食堂を自分なりの形で再営業。反面教師的な母、私生児であるらしい自分、猫との暮らしと別れ。店の営業に限らず、大切なスタッフ女性との出会いと協働。概ね淡々と生活を続けるが、結構芯が通っている主人公。でも自然体で、なかなか難しいよなぁ、良い生き方かも知れないなぁと思わされる。ほんわか読了。
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小林聡美さん主演のドラマは大好きで何度も観ているが、始めて原作を手に取った。 ドラマから入っているので、主人公のアキコは小林聡美さん、しまちゃんは伽耶、喫茶店のママはもたいまさこさんに脳内変換される。でもそれが少しも邪魔にならない。ドラマの配役は絶妙だと思った。 実写化されると...
小林聡美さん主演のドラマは大好きで何度も観ているが、始めて原作を手に取った。 ドラマから入っているので、主人公のアキコは小林聡美さん、しまちゃんは伽耶、喫茶店のママはもたいまさこさんに脳内変換される。でもそれが少しも邪魔にならない。ドラマの配役は絶妙だと思った。 実写化されるとどうしても省略されたり、観ているわたしがその意を汲めずにいたりしたして、原作を読んで細かな設定になるほど。 原作の方を先に読んでいたらドラマはそれほど楽しめなかったかもしれない。 開いたお店へのアキコの思い、葛藤などが見えたり、何に対しても感情的になり過ぎずフラットに捉えようとする姿勢がとても好きだなと感じた。 ドラマではフラッといなくなってしまう猫のたろが、原作では悲しい結末になっている。アキコの心の大揺れが身につまされた。
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母親の死を機に長年勤めていた職場を辞め、スープ屋という一国一城の主へ。いわば、安定した道から先の見えない道へ足を踏み入れた主人公。それも50代で!ずっと抱えていた夢の実現では無く、自分の居場所を求めていたら、そういう形になったという感じ。同世代であり、現状に不満だらけの自分。羨ましく憧れるが、実家が自営業だったのでその苦労が身に染み過ぎていて、真似出来そうにない。 後半、ペットであり、唯一の家族になった猫の死により、物語は趣きを変える。泣き暮れる主人公と共に私も泣きに泣いた。 タイトル通りどこかほっこりした前半と、死がもたらす喪失と再生の後半、二面性のある物語だった。
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ある程度認知度のある会社に勤めて、なんとなく結婚して、子供を産んで育ててという流れが当たり前とされてきた時代から変化しているなと感じた一冊。 自分のしたいことをして、ペットと暮らす充分幸せな生活だってある。けど、孤独を感じる瞬間はやっぱりあって、人間一人では生きていけないなとも感...
ある程度認知度のある会社に勤めて、なんとなく結婚して、子供を産んで育ててという流れが当たり前とされてきた時代から変化しているなと感じた一冊。 自分のしたいことをして、ペットと暮らす充分幸せな生活だってある。けど、孤独を感じる瞬間はやっぱりあって、人間一人では生きていけないなとも感じた。大好きな猫と食事の様子を描かれたこの本は、お気に入りの一冊になった。
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図書館。 私がもっと性格が良くて、動物を飼った経験もあったら、好きだったかもしれない。 私にとっては、主人公の年齢とほかの風景がうまく噛み合わなくて、読みやすいのに読みにくい印象。何を言われても主人公の感情が動かず、凪の状態で、でも猫のことになると取り乱したり、自分を「お母さん...
図書館。 私がもっと性格が良くて、動物を飼った経験もあったら、好きだったかもしれない。 私にとっては、主人公の年齢とほかの風景がうまく噛み合わなくて、読みやすいのに読みにくい印象。何を言われても主人公の感情が動かず、凪の状態で、でも猫のことになると取り乱したり、自分を「お母さん」と呼んだりしていたところに違和感を感じた。あんなに冷静だったのに。 あと、お店で出すごはんの描写がもっとあると思っていた。 私はとっても弱くて感情の起伏が激しいので、この人の境地には至れないんだろうなあ。
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主人公はとても真面目でしっかりしていて、すると突然堅苦しくなって全部が全部嫌になりそうなものだけど、年の功か上手くいなしたりいなせなかったり。悩んで煮詰めた分だけ滋味が出る。飲む私たちにはほっこり優しく、スープのように沁み渡る本
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
群さんはお名前を存じ上げてはいたが、ここ最近読み始めた。 前回のかもめ食堂と、たまたま同じ飲食店の話で、主人公の食への考え方も似ているなと。群さん自体が、食に対してこのようなお考えをお持ちなのでしょう。 修道院みたいなカフェ、近くにあれば行ってみたい。 愛猫の死をきっかけに、50代で独りで生きてきた主人公が、今後の人生について不安を抱き、それと向き合っていく。シリーズがいくつかあるようなので、それも読んでみたい。
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誰かの期待に応える為に、自分の信念を曲げる必要なんてない。たとえ自分の意思を貫くことで、誰かをがっかりさせることになったとしても。 猫の「たろ」の愛らしさや主人公が営むカフェのシャレオツ感が終始キラキラしている本編ではありますが、個人的に印象に残ったのは、「優しげだけれど芯は強...
誰かの期待に応える為に、自分の信念を曲げる必要なんてない。たとえ自分の意思を貫くことで、誰かをがっかりさせることになったとしても。 猫の「たろ」の愛らしさや主人公が営むカフェのシャレオツ感が終始キラキラしている本編ではありますが、個人的に印象に残ったのは、「優しげだけれど芯は強い女性」のまっすぐに生きる姿でした。 生前の母親が経営していた食堂に溢れていた近所のおじさま達を、経営方針の転換で締め出す形になってしまったことに心を痛めながらも、揺るぎなく自分のやりたいことをやり通す主人公が清々しい。彼女を支えるバイトの「しまちゃん」の潔い実直さも読んでいて心地良い。 湿っぽくならず、誠実に他人とコミュニケーションを取ろうという直向きな主人公に、なんだか勇気をもらった気がしました。
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