1,800円以上の注文で送料無料

終点のあの子 の商品レビュー

3.9

217件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    101

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/11/13

社会のなかでの自分の居場所を模索し始めた、少女たちの物語。 ある者は身につける物や周りに置く友人で自分の場所を保とうとし、それができない者は独自の価値基準で人を値ぶみする。誰もしたことがない経験によって自分を特別にしようとする者もいる。 みな、自分の場所を探しているだけなのだ...

社会のなかでの自分の居場所を模索し始めた、少女たちの物語。 ある者は身につける物や周りに置く友人で自分の場所を保とうとし、それができない者は独自の価値基準で人を値ぶみする。誰もしたことがない経験によって自分を特別にしようとする者もいる。 みな、自分の場所を探しているだけなのだ。 子供の頃に抱いた「世界の中心は自分なのだ」というあの万能感を、証明しようとしているだけ。 なのにこんなにも、不器用で、苦しくて、うまくいかない。 この小説は、そんな自我の模索に苦しむ少女たちの物語だ。少女期に抱きやすい劣等感や葛藤をとても上手に描いていると思う。 私が特に好きなのは、第3話——読書好きの地味な保田と、クラスで一番派手な恭子さんの一夏の交流の物語だ。 恭子さんは自分の価値を、自分の持ち物(容姿・彼氏・友人など)で保っているけれど、保田は自分の価値を決めることには興味を持たず、好きなものに対してまっすぐだ。 恭子さんはそんな保田に惹かれていくのだけれど、結局「人の目」を気にすることをやめられない。 この話を読んで、「桐島、部活やめるってよ」を思い出した。

Posted byブクログ

2016/10/21

初めて読む作家さんだったけれど とっても面白かった。 高校生の様々な立場の女の子たち。 そこには色々な思惑があって立場が違えばこうもとらえ方がかわってくるのだと ふぅーんと感心しながら読んでいた。 読書好きの早智子が個人的には一番共感できたかな。彼女のその後が気になった。 朱里...

初めて読む作家さんだったけれど とっても面白かった。 高校生の様々な立場の女の子たち。 そこには色々な思惑があって立場が違えばこうもとらえ方がかわってくるのだと ふぅーんと感心しながら読んでいた。 読書好きの早智子が個人的には一番共感できたかな。彼女のその後が気になった。 朱里は最後まで応援できなかったかも。

Posted byブクログ

2016/10/04

読み始めはありがちな学生間の人間関係の葛藤について比較的柔らかい文章で書かれた小説かと思っていたが、後半からおもしろくなった。心理描写が細かい印象。学生が登場人物なので、砕けた会話がでてくるが、そこが引っかかる人には合わないのかもしれない。

Posted byブクログ

2016/09/30

希代子と朱里。 恭子と森さんと保田さんと杉ちゃん。 女子の友情とかすれ違いとか妬み、プライド、人の目、みんなに羨ましがられたい気持ちや、人を知らずのうちに見下してる気持ちとか。 いろんな感情がつまっていた。

Posted byブクログ

2017/01/24

「本屋さんのダイアナ」から続き、2作目の柚木麻子。やっぱりこの人の描く女の子は凄く好きだ。 でも全てで思ったのが、彼女の描く女の子は、みんな実年齢よりも若く感じるのは私だけだろうか? この年の女の子だからこその、心情の変化や不安定さが上手く表現されていて、その年の自分の記憶が...

「本屋さんのダイアナ」から続き、2作目の柚木麻子。やっぱりこの人の描く女の子は凄く好きだ。 でも全てで思ったのが、彼女の描く女の子は、みんな実年齢よりも若く感じるのは私だけだろうか? この年の女の子だからこその、心情の変化や不安定さが上手く表現されていて、その年の自分の記憶がひょっこりと顔を出してくるような感じ。柚木麻子の作品は全て読んでみたくなります。 そして、流石立教の仏文!仏文生だからこそ共感できる、絶妙なまでにたまに出現するフランス文学は、彼女の良さの一つだと思う。 ラストの「写ルンです。あったよ」がいい味だしてました!

Posted byブクログ

2016/08/30

お嬢様高校の生徒たち。 普通の少女、希代子は、個性派の朱里にあこがれ、森ちゃんは、おとなしげだけど禁止されてるバイトを始めたり。 クラス一華やかな恭子さんは、違うグループの保田早智子になんだかわからない気持ちを抱く夏休みを過ごし。 自分に自信満々なような朱里は、7年たってようや...

お嬢様高校の生徒たち。 普通の少女、希代子は、個性派の朱里にあこがれ、森ちゃんは、おとなしげだけど禁止されてるバイトを始めたり。 クラス一華やかな恭子さんは、違うグループの保田早智子になんだかわからない気持ちを抱く夏休みを過ごし。 自分に自信満々なような朱里は、7年たってようやく新しい一歩を。 それぞれにスポットをあてた4つの短編。 誰しも経験したことがありそうな気持ち。 とても細やかに繊細に少女たちの思いが描かれていて、懐かしいような気分になりました。 読後感も良かったです。

Posted byブクログ

2016/08/26

これは凄くオススメです イジメにかんするはなしには変わりがないけど 何故虐められたのかが最後にわかるので いい作品です

Posted byブクログ

2016/07/31

女子高生の視点で描く、女のリアルな友情。 連作短編。 女子高生ともなると、もはや女の子ではなく女だ。 仲良い子が明日には疎む相手になったり、 かと思えば、見下げていた相手が友達になったり。 この女のリアルな感情の変化は、 客観的に見るとかなり怖い。 学校の中のヒエラルキーと個...

女子高生の視点で描く、女のリアルな友情。 連作短編。 女子高生ともなると、もはや女の子ではなく女だ。 仲良い子が明日には疎む相手になったり、 かと思えば、見下げていた相手が友達になったり。 この女のリアルな感情の変化は、 客観的に見るとかなり怖い。 学校の中のヒエラルキーと個性。 私は私で良いじゃないかと一概に開き直れない思春期独特の空気を読む習性が、小説を通してダイレクトに伝わってくる。 微笑ましくもあり、畏れ多くもあり。。

Posted byブクログ

2016/07/28

新人時代とは思えない素晴らしい観察力と表現力。何人もの人生を生きたことがあるんじゃないかと思うほど。

Posted byブクログ

2016/07/28

楠木麻子さんは、女性の抱えている嫉妬心を描くことが本当に上手い。 女子高という世界で多感な時期の少女の空気を見事に文章化しているし、登場してくる女子の誰かに共感できると思う。

Posted byブクログ