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終点のあの子 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2012/04/10 |
JAN | 9784167832018 |
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終点のあの子
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商品レビュー
3.9
217件のお客様レビュー
終電のあの子
女子高生が主役の短編集です。 女子高育ちの方なら分かると思うのですが、進路に迷い、交友関係にギクシャクする青春時代のエッセンスが詰まった珠玉の短編集です。 柚木麻子の真髄はここにありといったかんじなので、ぜひ読んでみてください。
nawoo
よくある、ふとしたきっかけで仲良くなった友達とその後数年に渡って紡がれるドラマチックなお話、的なぬるい展開ではなく、あくまで根本が異なる人間同士は真に分かりあうことはできないという価値観のもとに物語が描かれているところが好きだった。自分が今体感している世界の認識と近いものを感じる...
よくある、ふとしたきっかけで仲良くなった友達とその後数年に渡って紡がれるドラマチックなお話、的なぬるい展開ではなく、あくまで根本が異なる人間同士は真に分かりあうことはできないという価値観のもとに物語が描かれているところが好きだった。自分が今体感している世界の認識と近いものを感じる。 物語において人間関係というテーマが描かれる時、末永く続く良好な関係や、壮絶な喧嘩別れ、そのあとの仲直りなどの分かりやすい場面がフューチャーされがちだが、今作はそうではない。それぞれの人物が交流するのは高校3年間の中でも限られた瞬間のみで、すれ違ってしまったあと、関係が修復しないままそれぞれの話は終わってしまう。後にふとお互いの間に起こったことを思い出すことこそあるかもしれないが、おそらく将来、彼女らが直接交流することはもうないだろう。 それでも、その交差した一瞬が彼女らの人生に与えた影響は少なくないはずだ。 後の人生を大きく変えてしまうようなわかりやすくインパクトのある転機より、この作品に描かれているような、直接的に未来に繋がるわけではないけど、その後の生き方に影響を与えるような未解決で煮え切らない出来事の方が、現実を生きている私にとってはリアリティがあり面白く感じた。 あと柚木麻子、人のプライドという目に見えない概念を具体的に描くのが上手すぎる。 敵に回したら怖いタイプの人物なのかも、と思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私立女子校の生徒たちを中心とした連作短編だった。 その年頃の女の子たちの関心ごとや、クラスでのカーストや、成長過程における心の揺らぎがぎゅうぎゅうに詰まっている。苦しいこともたくさんあってあんまり楽しいことばかりではないけれど、彼女たちを見守るような気持ちで読んでいた。 特によかったのは『ふたりでいるのに無言で読書』の恭子と早智子。気取らずに時間を共に過ごせる2人が素敵だった。お互いを尊重していてこのまま親友みたいになれるかなと思ったけれど、学校のグループってのは本当に厄介で。簡単に抜けて別のグループの子と仲良くすることはできないのである。それはよくわかる。 ただ、恭子はこのままでいいの?と問いかけたい。学校を卒業したらグループなんて関係なくなるから、また仲良くなれたらいいのにな、と淡い期待をしておく。
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