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追想五断章 の商品レビュー

3.7

318件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    129

  3. 3つ

    101

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2023/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりにちょっとゾクっとする感じが読みたくて。 面白かった。 5つの短い小説を使って 大きなひとつの物語に仕立てあげる しかもリドルストーリーで読ませ、 結末は入れ替えることができる仕上がり。 父親の過去が明らかになっていくにつれ 真実が浮かび上がるのが待ち遠しかった。 読み終わってみると ゾクゾク感はそこまでなかったけど、 はぁ、すごいなぁと感心する一冊だった。

Posted byブクログ

2023/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古本屋の店員が死んだ父親の書いた小説(リドルストーリー)を探して欲しいと依頼を受ける話。 設定は面白かったが、リドルストーリーを扱っているこもあって結末が曖昧で謎が残る部分が好みの問題だと思うけれど不完全燃焼だと感じてしまった。

Posted byブクログ

2023/06/29

 私は、米澤作品は古典部シリーズのみ読んでいます。ミステリへの造詣はあまり深くありません。  まず一つ、五つの断章(文章の断片のこと)と事件のリンクのさせ方が巧みです。読者には断章の全容も事件の全容も明かされておらず、同時進行で内容の解明が進みます。その過程に於いて具体と抽象の往...

 私は、米澤作品は古典部シリーズのみ読んでいます。ミステリへの造詣はあまり深くありません。  まず一つ、五つの断章(文章の断片のこと)と事件のリンクのさせ方が巧みです。読者には断章の全容も事件の全容も明かされておらず、同時進行で内容の解明が進みます。その過程に於いて具体と抽象の往来が行われ、要するにそれが謎解きとなるのですが、徐々に明らかとなって行く道程が心地良いです。(同時に怖くもあり、ミステリとホラーが表裏一体とされる所以をひしひしと感じました。)  二つに、登場人物の解像度が高いです。菅生芳光による〝何者〟かになれた北里参吾への羨望を描写した上で参吾自身は何にも満足していなかった事や、娘を想っているハズの彼の矛盾した行動、北里可南子による好奇心(と呼ぶにはあまりに冷たい感情)など、無常的な人間観、アンビバレンツな心理描写がとても良かったです。  青春モノから離れた作品を、という事で依頼されたそうです。米澤作品が好きな方は是非その新しさを、未読の方は少し変わった入門として、お勧めします。

Posted byブクログ

2023/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネタバレ有りの感想……に加えて、米澤先生の過去作長編についてもぼんやりと触れていますのでご注意を と言っても、本当にぼんやりとだし、そもそも米澤先生の作品を全て読んでいるわけではないですけども んで早速過去作と比べての感想 先生の長編作品って「主人公がかかわった事件(出来事)によって、自身の人生に大きな影響(衝撃)が生じて終わる」みたいなイメージがあって、今作もそんな感じなのかなー、なんて思いながら読んでたんです そしたらビックリ、焦点はあくまでもリドルストーリーをめぐるお話そのものにあって、主人公はいわゆる狂言回し的な存在で終わるなんて! (この辺りは解説でも触れられていていましたが) 全体的に暗く静かな雰囲気で満たされた作品だったけど、かと言って読んでいて陰鬱とするわけでもなく、絶妙な温度・バランス感覚の作品でした 伯父の「妻との思い出のために守ってきた店だけど、金に転ぶ決断をした直後にはしごを外され放り出された男」って設定が特にすごいなぁ 終章にあたる『雪の花』、この作品だけラスト一行が判明しても結局真実は藪の中、いや、永遠に凍りついたまま 作者的には結末が決まってたうえでこの表現なのか、結末を決めずに書いてこの表現なのか それとも作者本人も真実がわからなくなって、真実がわからないという事それ自体が真実だったのか(ややこしい) というか作者作者って、それは叶黒白のこと?それとも米澤先生のこと? それはもちろん……

Posted byブクログ

2023/05/27

 米澤穂信には散々驚かされているが。今作も漏れる事なく傑作だ。僕はこの作品をリアルタイムで読まなかった事が恥ずかしいとまで思う。それ程までに洗練され、作りこまれた作品だ。  現代(令和に入ってから読んだなんて!!)ではショートショートなど、世論に合い、話題に上がる事もあるが、僕と...

 米澤穂信には散々驚かされているが。今作も漏れる事なく傑作だ。僕はこの作品をリアルタイムで読まなかった事が恥ずかしいとまで思う。それ程までに洗練され、作りこまれた作品だ。  現代(令和に入ってから読んだなんて!!)ではショートショートなど、世論に合い、話題に上がる事もあるが、僕としては余り手に取ることはなかった。(現代の人達の様に結末に直結するのも良いが、遠回りして歩く道筋にも魅力はあるんだ)しかし、作中作として、この様に活用する手法には驚いたし、しかもリドルストーリーとして、しかも結末が用意されている設定で、更に更に・・・と何重にも意味を重ねて構成されており、作中作は5編だが、それぞれ面白く、作中の土台となる部分にも別な謎を準備するなど、とんでもない工数がこの作品にはかけられている。  しかしながら、やはり筆者は短編がうまい。  過去何作も筆者の作品は読んでおり、長編は勿論だが、短編においては知っている作家の中で一番ではないだろうか。どれだけ文字数を制限しようが、まるで完全にその世界をイメージ出来るし、起承転結があるし、ドンデン返しまで導入してくる。とんでもない事だ。  今作では、ニートの様な青年が、奇書を廻る謎に巻き込まれていく設定だか、オリジナルに溢れており、この部分にも魅力を感じた。  作品自体、長編ではあるが長過ぎず読みやすい。タイトルが堅苦しい様に見えるが、傑作である。是非気軽に手に取って欲しい。「伏線」を貼っていくとはこういう事だと。  というか、褒めるところが多すぎてまとまらない(笑)  僕のこれまでの好きな一冊に間違いなくノミネートする作品だ。

Posted byブクログ

2023/05/22

大学を休学中の主人公がバイト先の古書店で、とある小説家の短編を集めて欲しいという依頼を受けることから始まる物語 作中に実際に短編を埋め込むという変わった構成になっている本ならではの構成が面白く、スラスラと読めた。 また、結末もリドルストーリーの特性を生かしたカタチになっていた。 ...

大学を休学中の主人公がバイト先の古書店で、とある小説家の短編を集めて欲しいという依頼を受けることから始まる物語 作中に実際に短編を埋め込むという変わった構成になっている本ならではの構成が面白く、スラスラと読めた。 また、結末もリドルストーリーの特性を生かしたカタチになっていた。 ただ、結末に至るカラクリが少しわかり易かったのが惜しいところ。 米澤さんの新境地を見た1作でした。

Posted byブクログ

2023/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんだか陰鬱な雰囲気の漂うストーリーが、表紙ととてもマッチングしていて、読み終えてからストンと落ちた気がしたこの本。 ツラい現実の鍵は、本当は最初の作文にあったのだと、伏線回収を忘れずに、もう一度読み直したらとても理解が深まった気がします。 幸せなお話ではないけれど、でもどんどんパズルのピースがハマっていくような感覚で読める本でした。

Posted byブクログ

2023/03/30

叶黒白の小説のどれもが面白くて、むしろそっちの方の尺を長くして欲しいと思ったくらい。米澤穂信の作風の多彩性が垣間見えるいい作品でした。米澤穂信は博識で本当にすごいと思う。

Posted byブクログ

2023/03/24

内容が難しいなぁと思いながら読み始めたが、どんどん引き込まれていきましたが、最後は私の頭では分からなかった。想像できなかった。結局どうゆうことだったのか、、、でも米澤穂信の世界観大好きです。

Posted byブクログ

2022/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

リドルストーリーが軸にあるので話の展開がわかりやすく私の中では読みやすかったです。 世知辛い話もありますが割とさらっと読めます。 米澤先生の作品ならではの言い回しや雰囲気とあってさすがだと思いました。

Posted byブクログ