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追想五断章 の商品レビュー

3.7

320件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    132

  3. 3つ

    102

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2012/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 5つの短編小説を探す依頼を受けた青年が、作者である男の半生を追う。それぞれに全く無関係そうなストーリーの筈のその物語は、男の半生の欠片が散りばめられていた。  どこかしら後味の悪さを残す5つのリドルストーリーは、男が巻き込まれたとある事件が大きな影を落としており終始陰鬱な雰囲気が漂う。男の半生を追いながら、青年は自身の両親との距離や思いを自問自答し、苦悩する。  リドルストーリーとして独立した物語を随所に挟みながらも、本筋の物語へと終息させていく手腕は見事の一言。

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2012/05/30

文句なし。これは面白いし、すごい。 プロットを練りに練って書かれたのだろう。もしそうでないのだとしたら、ミステリー作家を目指す人々はそのハードルの高さに心折られてしまう。 物語のキーになるリドルストーリーの質も高く、そうしてそれが意味するものが明らかになったときの驚き。 米澤穂...

文句なし。これは面白いし、すごい。 プロットを練りに練って書かれたのだろう。もしそうでないのだとしたら、ミステリー作家を目指す人々はそのハードルの高さに心折られてしまう。 物語のキーになるリドルストーリーの質も高く、そうしてそれが意味するものが明らかになったときの驚き。 米澤穂信のなかで一番面白いと感じたかも。

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2012/05/28

お、新刊が出ていると購入。やっぱり読み始めるととまらないですね。帰りの電車で読み始めて一気に読了です。 最初の序章からなにやら鬼気迫る恐ろしい雰囲気があります。犬はどこだもそうでしたがこの作者はおとなしそうな、でも芯が強くそこに立っているだけで威圧感を与える女性を書くのが上手で...

お、新刊が出ていると購入。やっぱり読み始めるととまらないですね。帰りの電車で読み始めて一気に読了です。 最初の序章からなにやら鬼気迫る恐ろしい雰囲気があります。犬はどこだもそうでしたがこの作者はおとなしそうな、でも芯が強くそこに立っているだけで威圧感を与える女性を書くのが上手ですね。主役達のその後を思うと自分が知らないだけで思いも付かないような体験をしている人が居るのだろうなあとふと思ったりもしました。面白かった…と言うか怖いお話でした。

Posted byブクログ

2012/05/28

5つのリドルストーリー「結末のない物語」で構成された作品。 親が子を想う気持ちが最後に切ない結末として提示されます。 全編を通して温度が低く淡々と描かれるが故に切なくて。 謎を解き明かすことが誰かを救うことにはならない場合もある。 最初の文集が最後にここまで効いてくるとは。 ...

5つのリドルストーリー「結末のない物語」で構成された作品。 親が子を想う気持ちが最後に切ない結末として提示されます。 全編を通して温度が低く淡々と描かれるが故に切なくて。 謎を解き明かすことが誰かを救うことにはならない場合もある。 最初の文集が最後にここまで効いてくるとは。 いろいろ散りばめられた伏線には気をつけて読んでいたのですが。 米澤さんの作品は下手に予想しながら読むよりも。 素直に騙されて読んでいくほうが楽しめるような気がします。

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2012/05/27

『見た目だけじゃ、人の執念までわからないから』 『彼は花が嫌いだった。梅が咲けば、去年の梅が咲いてから一年が経ったことを思い知らされる。桜が咲けば、去年の桜が咲いてから一年が経ったことを思い知らされる。花が咲けば、どうにもならないままただ過ぎて行った時間のことを、無理にも思い知...

『見た目だけじゃ、人の執念までわからないから』 『彼は花が嫌いだった。梅が咲けば、去年の梅が咲いてから一年が経ったことを思い知らされる。桜が咲けば、去年の桜が咲いてから一年が経ったことを思い知らされる。花が咲けば、どうにもならないままただ過ぎて行った時間のことを、無理にも思い知らされる。だから彼は花が嫌いだった。』 『君には正直なところを告げておく。というより、今の僕には君の他に告白する相手を持たぬ。』 『それが沈黙と無関心というもっとも恐るべき凶器なのだということもまた、誰もが知ることであった。』 『すべてはあの雪の中に眠っていて、真実は永遠に凍りついている。』

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2012/05/26

渋い。 心動かされる。 自分のなかではっきりと答えの出るようなものではない。 ひどくドキドキする。 華やかなものへの屈託、諦観、退廃、達観。そんなものを受け取った。 語り部が“普通の探偵”だったならば、上記のような印象を受けることはなかったと思う。 少し父のことを考えた。

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2012/05/23

最初の違和感 途中のどんどん絵が見えてくる感じ そして最後の暗くて諦めた感じ 面白かったです。

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2012/05/23

かなり米澤氏「らしい」作品。 この哀愁漂う雰囲気はとてもよくて、引き込まれる。 所々に差し込まれるリドルストーリーも、そこで失速することなく読ませる力に感動した。 「ミステリ」としての凄みはないが、「小説」としては好き。

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2012/05/22

読んでいく内に物語にどんどん引き込まれていって 一気に読んでしまいました。 ハッピーエンドではないけれど納得のできる結末で面白かったです。

Posted byブクログ

2012/05/20

やっぱりこの作者は好き。作中に挙げられたリドルストーリーも読んでみたいと思う。 青春ものと違って、大人の登場人物たちもいい味。

Posted byブクログ