追想五断章 の商品レビュー
★3.5 全体的に暗い雰囲気で進んでいく。 父が残した小説を探してほしいとゆう依頼から話が始まる。 バラバラになっていた小説が見つかるにつれて、少しづつ真相が見えてくる。 最初の可南子の作文は、読み始めもうっすら寒気を感じさせる文章だけど、最後まで読んでからもう一度読むと、また違...
★3.5 全体的に暗い雰囲気で進んでいく。 父が残した小説を探してほしいとゆう依頼から話が始まる。 バラバラになっていた小説が見つかるにつれて、少しづつ真相が見えてくる。 最初の可南子の作文は、読み始めもうっすら寒気を感じさせる文章だけど、最後まで読んでからもう一度読むと、また違った恐ろしさを感じる。
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語られぬ真実。 秘められた想い。 このうえなく哀切な、米澤ミステリの新境地。 地道に働き、無趣味で、地に足のついたことを好んだ人。 娘にそう評されていた父親。 しかし彼には封印された過去があった――。 五つの「結末のない物語(リドルストーリー)」を探してほしいと依頼された主人公。 小説を探し求める構成が、作中作を差し込むことに繋がり、各章の最後には、ラストの一行が付随される。 もちろんこの構成には意味があり、二者択一の選択が入れ替わることで真逆の真相を浮かび上がらせるという技巧はお見事。 作中作にはうまく乗り切れませんでしたが。 ミステリ:☆☆☆☆ ストーリー:☆☆☆ 人物:☆☆☆☆ 読みやすさ:☆☆☆
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父親が残した五つの結末。 失われたリドル・ストーリーを集めながら少しずつ分かって行く父親の思いと真実。 面白かった。 この人は毎回、書き方に何かしらの工夫を加える。 だから楽しく読めるんだろうな。
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「儚い羊たちの祝宴」が感覚で読ませる作品なら、こちらはロジックで読ませる作品。しかし、「儚い~」でもそうだったが、この人は、まさにラスト1行の魔術師だ!
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米澤穂信は本当に力のある作家だと思う。 著作は、すでに相当数を読んでいるが、どれも期待を裏切ることなく、素晴らしい作品だった。 今回の作品は、作品の中に5つのリドル・ストーリーが更に書かれている。 それぞれのリドル・ストーリーが、絶妙な不安定さを読み手に感じさせ...
米澤穂信は本当に力のある作家だと思う。 著作は、すでに相当数を読んでいるが、どれも期待を裏切ることなく、素晴らしい作品だった。 今回の作品は、作品の中に5つのリドル・ストーリーが更に書かれている。 それぞれのリドル・ストーリーが、絶妙な不安定さを読み手に感じさせながら、ストーリーが進行していく。 読後でさえ、尚しばらくは頭の中で反芻している。 ミステリー好きには、かなり楽しめる作品だと思う。
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古書店に居候する主人公が亡父の描いた掌小説を5つ探してほしいという依頼を店主に内緒で引き受けるところから始まる。ミステリ。派手さはないんだけどじわじわと引き込まれた分、最後がちょっとわかりにくく思えたのでそこが残念。
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この人の構成や物語の作り方は本当にうまい。果敢に挑戦し、そして見事に仕上げる印象。 古書店うんぬんの設定でビブリアがちらついて萎えた。むしろこっち先に読みたかった。 毎度思うけど、タイトルのつけ方が絶妙すぎる。リドルストーリーの各タイトルもいい。 派手ではなく静かにずしっと...
この人の構成や物語の作り方は本当にうまい。果敢に挑戦し、そして見事に仕上げる印象。 古書店うんぬんの設定でビブリアがちらついて萎えた。むしろこっち先に読みたかった。 毎度思うけど、タイトルのつけ方が絶妙すぎる。リドルストーリーの各タイトルもいい。 派手ではなく静かにずしっとくる読後感がたまらん。やっぱ好き。
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米澤穂信らしいお話だなあと思った。個人的には『氷菓』を彷彿させる話だった。 主人公のキャラクターはそんなに立っていないし、むしろ言うならキャラクターに重きは置かれていない物語で、話そのものに重きが置かれている。 すべて読み終えたあとに冒頭にかえるとより物語の重みを感じた。
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父が残した、結末のない五つの物語とそれぞれに用意された「最後の一行」。全ての作品を通して隠された真実とは。
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■リドルストーリーを話の軸とする。っていうのは、面白い試みだと思う。結末から、謎解きってすごい。 ■最後の1文が入れ替わることができるようになっているっていうのは、黙っているのは苦しく、それでも娘への思いやりだよね。 ■ただ、真実というのは、まぶしく苦しいことが多い。それでも、知りたくなってしまうものだろう。 ■全部読み終わったあとに、序章の「わたしの夢」を読み直して、余韻に浸りました。
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