母の遺産 の商品レビュー
母・姉・夫との関係に振り回されながらも、自分の中で正当化し、受け入れていく。なぜここまで受け身になってしまうんだろうと、最後まで美津紀を初め、登場人物たちに共感できないままに終わってしまった。 土曜日の朝から、この新聞小説を読むのは重すぎる。
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自分の20年後を見ているようだった。 親の遺産なんて期待できない以上、ひたすら老後のために貯金していくしかない。 生きてるだけで幸せだと確かに震災直後は思ったけれど、その気持ちを持ち続けるのは難しい。
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衝撃的な帯に驚きながらも、親の介護、姉妹の確執、夫婦間のずれと並べてみたら何かと私の対角にある話ではないから読めるのかと不安があった。ところが親、きょうだい、夫婦と身近だからこそややこしい話ではないか。読了感は、向田邦子を読んだときのようで自分が歳を重ねただけ現実味があった。
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姉と差別化されて育てられた人が,母の死を通して自分の人生を振り返った作品。 ゆるしは,劇的なconversionのパターンと,この作品みたいに「振り返ってみると・・・」というパターンがあるのかもしれない。後者の場合はゆるしの定義が難しくなるけど。
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いいですね。この類で郡を抜いているのは有吉佐和子の「恍惚の人」。 この作品は、それとはまた違うが、介護という面での一つのありかた。 重いということでなく、現実なのだ。誰にでもおこりうる。 百人いれば百通り。 なってみなければわからない、という前に、こういう本はたくさんあるので...
いいですね。この類で郡を抜いているのは有吉佐和子の「恍惚の人」。 この作品は、それとはまた違うが、介護という面での一つのありかた。 重いということでなく、現実なのだ。誰にでもおこりうる。 百人いれば百通り。 なってみなければわからない、という前に、こういう本はたくさんあるので読むべきと思う。少しは自分がなったときの道標のきっかけがあるかもしれない。
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主人公がどういう決断を下すのかを知りたくて、なんとか読み終えた作品。 母親からの娘の呪縛は、最近よく取り上げられているテーマではあるし、近めの距離で読んでいたけど、行きつ戻りつする記憶や意識についていけなくなった。
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水村さんは初読み。 中高年の母娘関係が圧倒的な表現力で描かれている。 緻密な内容にとにかく引き込まれる。 そして読後感もなかなかよい…久々のヒット。 リアリティがないのはフランス語ができるあたり… そして結構な遺産が舞い込んでくるあたり… 装丁もいい。 『母の遺産』の『産』の字...
水村さんは初読み。 中高年の母娘関係が圧倒的な表現力で描かれている。 緻密な内容にとにかく引き込まれる。 そして読後感もなかなかよい…久々のヒット。 リアリティがないのはフランス語ができるあたり… そして結構な遺産が舞い込んでくるあたり… 装丁もいい。 『母の遺産』の『産』の字に指輪があしらわれてるのだ♪
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気の重いテーマで誰もが避けて通れない問題を細やかな心理描写で描くいて、長編ながらどんどん読めた。それにつけても、お金は必要だ!ということがよく分かった。
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水村さん初読み。 本を手に取るとその厚みがズシンとくるけれど、読みやすい文章でグイグイ引き込まれてしまった。 共感できる部分が多々あって、母との関係、娘との関係、夫との関係、自分のこれからの生き方…いろいろ思うことがあります。
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かなり共感をもつ部分があり、ずんずん読めた。ハッピーエンドではないと思う。でもこれで良いのだという終わり方。
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