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母の遺産 新聞小説
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2012/03/23 |
| JAN | 9784120043475 |

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母の遺産
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商品レビュー
3.9
84件のお客様レビュー
主人公をひと言で言うと「めちゃくちゃ昭和感のある女」。恵まれた環境で都会の教育を受け、フランスへ留学し、今は大学講師…というプチブル。壊れゆく母への想いがさまざま去来するのはいいとして、「私が望むように夫に愛されたい」「その夫はいい人の仮面をかぶる偽善者だった」という恨みつらみが...
主人公をひと言で言うと「めちゃくちゃ昭和感のある女」。恵まれた環境で都会の教育を受け、フランスへ留学し、今は大学講師…というプチブル。壊れゆく母への想いがさまざま去来するのはいいとして、「私が望むように夫に愛されたい」「その夫はいい人の仮面をかぶる偽善者だった」という恨みつらみがいじましく、すごく昭和っぽいと感じながら読んだ。 主人公の回想で話が進むが、記憶があちこちに飛ぶため時系列がかなり入り乱れる。いくつかのエピソードは後半で再登場するのだが、「それはどこに書いてあったっけ??」と何度も混乱した。 が、50代半ばという主人公が「自分はどこまで【現役】の女なのか」という問題は、同世代としては読んでいて身につまされるものがあった(特に、武がホテルの部屋を予約するか聞くあたりの描写)。
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50代になり、自分の老後のことを考え始める頃、母の介護を担うことになった娘。介護の負担をめぐって姉との葛藤、夫の不倫も重なり、母はいつ死んでくれるのかと考える自分に気づく。 日本の高齢化社会ではよくある介護の苦悩話。だが、比較的早く母が亡くなってくれた主人公は幸運な方だろう。遺...
50代になり、自分の老後のことを考え始める頃、母の介護を担うことになった娘。介護の負担をめぐって姉との葛藤、夫の不倫も重なり、母はいつ死んでくれるのかと考える自分に気づく。 日本の高齢化社会ではよくある介護の苦悩話。だが、比較的早く母が亡くなってくれた主人公は幸運な方だろう。遺産もあったし、夫や姉も自暴自棄にならず、社会性を備え、常識をもって行動してくれた。 主人公は母の死によって、将来を少し明るく感じはじめる。誰もがうらやむハッピーエンドではないが、長々と修羅場が続くことに比べれば相当マシだ。老親の死によって、穏やかで平和な老後を期待することは皮肉でも親不孝でもない。
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昭和のレタリング風ロゴもウィリアム・モリスの想定も好きでハードカバーのまま残してる作品を10年ぶりに再読。 近年ますます喧しく言われる母娘問題。断罪するでもなく、放棄するのもなく、徹底的にそれと付き合い自らの人生と問題を明らかにした五十代姉妹がたどり着く境地を、なんとも赤裸々bu...
昭和のレタリング風ロゴもウィリアム・モリスの想定も好きでハードカバーのまま残してる作品を10年ぶりに再読。 近年ますます喧しく言われる母娘問題。断罪するでもなく、放棄するのもなく、徹底的にそれと付き合い自らの人生と問題を明らかにした五十代姉妹がたどり着く境地を、なんとも赤裸々but清澄に描き切る。 主人公は妹のほう。わがままな母の世話と介護に明け暮れ、死を願いながらあっけなくそれがかなったときの無力感と疲労を描く前半。発覚した夫の不倫もあり、自分を見つめ直すために長期滞在した芦ノ湖畔のホテルで、ちょいとミステリ仕立てに進む後半。 『金色夜叉』に自らを重ねる無学な祖母、小説と映画の虚構におどらされ続けた母、『ボヴァリー夫人』の翻訳を夢みながらかなわなかった主人公…ときて、物語の描く恋愛に、ここではない世界に魂あくがれ出て、現実を直視しない人生は私にとってもひと事ではない。 また、こんなにひどい母親ではなかったけど、私もまた若いときには何もかも母のせいにし、今は娘が私を責める(笑)。 主人公と同じ50代になったからますますシミるわあ! そして「書かれた言葉以上に人間を人間たらしめるものがあるとは思えなかった」にまた激しく首肯。 これが新聞小説として毎日連載され、また物語のなかで新聞小説がいかに明治女たちを現実に満足できぬ「近代人」を作り上げ(さすが漱石のひと)脈々と現代に続くかを描くという入子構造が見事。 憎み続けた母の遺産が、結局は自分を救うことになる構成が見事。 見事しか言えなーい。 そして、連載の終わりのほうで現実が東日本大震災を迎えたことで、ラストはあのようになったのだろう。小説家ってすごいな。 私も主人公の境地を目指し、自分で手に入れたもので好きなものに囲まれた暮らしをささやかに、満足して送りたい。途上にあって道を示してくれた。
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