紙の月 の商品レビュー
どうしてこんな小説が書けるのだろう。 まるで心の中を見てきたかのような…。 読み進めていくうちにどんどん辛くなって 心の中に苦い物があふれてくるのに…読むことを止められない。 お金の切れ目は縁の切れ目…と言う言葉があるけれど お金の持つ力は果てしなくて、人間をどうにでも操れる気...
どうしてこんな小説が書けるのだろう。 まるで心の中を見てきたかのような…。 読み進めていくうちにどんどん辛くなって 心の中に苦い物があふれてくるのに…読むことを止められない。 お金の切れ目は縁の切れ目…と言う言葉があるけれど お金の持つ力は果てしなくて、人間をどうにでも操れる気がした。 怖い話だった。
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日々の生活に張り合いがない。子供ができるでもないし外に働きに出ることにした梨花。仕事をすることが梨花の救いになったようだ。銀行の営業という仕事が彼女にピッタリだったのか。 顧客から預かった5万円を一時借りて買い物。すぐにATMからお金を下ろして戻したとはいうもののちょっとしたこと...
日々の生活に張り合いがない。子供ができるでもないし外に働きに出ることにした梨花。仕事をすることが梨花の救いになったようだ。銀行の営業という仕事が彼女にピッタリだったのか。 顧客から預かった5万円を一時借りて買い物。すぐにATMからお金を下ろして戻したとはいうもののちょっとしたことが感覚を鈍らせてしまうのかもしれない。 ちょっといいかぁという度合いがだんだんひどくなってくる。 なんかいつもの生活に満足できなかったんだよね。 それを満たそうとしたら、どういうわけか人様のお金をどんどんどんどん使ってしまうことになったんだよね。 わからなくもないような。 お金って魔物だなぁ。
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人はこうやって堕ちていくのだ。 いつかきっとバレるとわかっているのに、どうして?どうして途中でやめなかったの? 読む前の疑問への答えは最後まで読んでも見つからない。 愚かな女だ。でもその愚かさは今ここにいる自分のすぐ隣にあるのかも。 何が欲しかったのか。何を捨てたかったのか。 ...
人はこうやって堕ちていくのだ。 いつかきっとバレるとわかっているのに、どうして?どうして途中でやめなかったの? 読む前の疑問への答えは最後まで読んでも見つからない。 愚かな女だ。でもその愚かさは今ここにいる自分のすぐ隣にあるのかも。 何が欲しかったのか。何を捨てたかったのか。 夫との生活への違和感。年若い恋人への執着。 何かを得るためではなく何かを失うための、これは緩やかな自殺だったのかもしれない
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主人公(そしてその周囲の女性たち)の心情をあまりにリアルに感じ取れてしまうため、終始息苦しいような気持ちで読んだ。でも決して不快なわけではなく、あくまでも小説というメディアを用いて他人の人生を追体験していくことを楽しめるような作品だった。角田さん巧くなったなぁ、と(偉そうにも)思...
主人公(そしてその周囲の女性たち)の心情をあまりにリアルに感じ取れてしまうため、終始息苦しいような気持ちで読んだ。でも決して不快なわけではなく、あくまでも小説というメディアを用いて他人の人生を追体験していくことを楽しめるような作品だった。角田さん巧くなったなぁ、と(偉そうにも)思う。
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銀行員の不正・・・ ニュースで流れると「なんで~?」と信じられない気持ちに。 自分では絶対にありえない、共感はできない!と思いつつ 転落していく様子がリアルで一気に読んでしまった。 不正行為している描写が上手くて、ハラハラドキドキしながらページをめくりました。 面白かったけ...
銀行員の不正・・・ ニュースで流れると「なんで~?」と信じられない気持ちに。 自分では絶対にありえない、共感はできない!と思いつつ 転落していく様子がリアルで一気に読んでしまった。 不正行為している描写が上手くて、ハラハラドキドキしながらページをめくりました。 面白かったけど、なんの救いもないラストに気持ちが憂鬱に・・・。
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銀行の契約社員で夫もいる梨花は1億円を横領しタイへ高飛びした。 梨花が横領に至るまでの夫婦関係や年下の男との出会い、不正に手を出す過程を振り返る。 そして第三者の視点として、 梨花の高校時代の同級生木綿子、元彼で妻との関係に亀裂の入っている和貴、主婦時代に梨花と親交のあっ...
銀行の契約社員で夫もいる梨花は1億円を横領しタイへ高飛びした。 梨花が横領に至るまでの夫婦関係や年下の男との出会い、不正に手を出す過程を振り返る。 そして第三者の視点として、 梨花の高校時代の同級生木綿子、元彼で妻との関係に亀裂の入っている和貴、主婦時代に梨花と親交のあったバツイチで買い物依存症の亜紀が、梨花の過去や事件の波紋を綴っていく。 また3人がそれぞれ抱えた家族の事情も物語に厚みを持たせている。 些細なことから横領に手を染め、だんだんとエスカレートしていく過程がとても面白くて引き込まれる。 横領に限らず、悪いことの第一歩ってこんな感じで、最初は引き返せると思っていたのにずるずる行ってしまい、もう自分がどこにいるのかも分からなくなってしまうのだなと思った。 梨花はお金自体に執着したのではなく、自分を満たすものを手当たり次第にかき集めて、その対価としてお金が必要になった。 それはお金自体を求めるよりも余計に厄介だなと思う。 物語は、ショッピングローン、カード破産の問題が大きくなってきた時期である1990年代が舞台。 梨花をはじめ、友人の亜紀や和貴の妻がポンポン高価なものを買い漁る描写があるけれどあまり現実感がなかった。 最近のOLや主婦は何万もする靴や服をカードで買うことすら出来ないワーキングプアという側面が強いよなあと。 あまりにバブリーな感じでピンと来なかったけれど、私や身の回りにこういうタイプがいないだけなのかもしれない。 しかしストーリーとしては面白いけれど、読んでよかったと思う類の小説ではない。 あまりに救いがない。 ただ、悪いことをした人を咎めるのは本人のためだということをしみじみと感じた。 入り口の段階で不正が発覚していたら、崩壊は最小限で食い止められていただろう。 監視や規制は罪を犯そうとする人を救うためにも存在するのかもしれない。 お金の重さが分からない人にはとてつもなく恐ろしい話だった。 私も自制しようと強く思う。
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銀行の契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領し、海外へ逃亡する。---字面だけ見るとまったく共感できそうもない主人公だったはずが、ページを捲るたびに自分のある部分、あの人のあの部分に重なってゆく恐ろしさを感じた。日常がほんの些細なことをきっかけに崩壊する描写は実にリアルで巧み...
銀行の契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領し、海外へ逃亡する。---字面だけ見るとまったく共感できそうもない主人公だったはずが、ページを捲るたびに自分のある部分、あの人のあの部分に重なってゆく恐ろしさを感じた。日常がほんの些細なことをきっかけに崩壊する描写は実にリアルで巧み。お金って恐ろしい・・・。
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契約社員として入った銀行の金を横領した主婦と、彼女と過去に係わりのあった人たちの物語。 お金って怖い、と、つくづく思いました。 知らないうちにマヒしてくる金銭感覚。 一度踏み外してしまえば、不正を不正と思わなくなる心理。 それが、もしかしたら、誰の身にも起こりえるかもしれないこ...
契約社員として入った銀行の金を横領した主婦と、彼女と過去に係わりのあった人たちの物語。 お金って怖い、と、つくづく思いました。 知らないうちにマヒしてくる金銭感覚。 一度踏み外してしまえば、不正を不正と思わなくなる心理。 それが、もしかしたら、誰の身にも起こりえるかもしれないことに、怖さを感じました。 人はなぜ、自分以上の誰かになろうとするんだろう。
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読みながら、ドキドキしてしょうがなかった。 まるで、自分が犯罪を犯しているかのようだった。 ページをめくる指が震えているのじゃないか、と思うほどだった。 こうやって、世の中のオンナは若いオトコにカネを貢ぐのか。 ・・・怖い。 こうやって、買い物依存症になっていくのか。 ・・・...
読みながら、ドキドキしてしょうがなかった。 まるで、自分が犯罪を犯しているかのようだった。 ページをめくる指が震えているのじゃないか、と思うほどだった。 こうやって、世の中のオンナは若いオトコにカネを貢ぐのか。 ・・・怖い。 こうやって、買い物依存症になっていくのか。 ・・・・怖い。 自分には絶対関係ない、と思ってた。 でも、自分にもありうることかもしれない、 今、そう思い始めてる。
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面白かった。 お金の話。 自分が子供の頃にしてもらったことを、自分の子供にできていない。と嘆く牧子に共感を覚えた。 まだ親にもなっていないのだけど、今考えると何不自由なく生活できて、好きなものを買ってもらえて、自分の好きなように進学させてもらえて。そんな恵まれた家庭に育ったんだな...
面白かった。 お金の話。 自分が子供の頃にしてもらったことを、自分の子供にできていない。と嘆く牧子に共感を覚えた。 まだ親にもなっていないのだけど、今考えると何不自由なく生活できて、好きなものを買ってもらえて、自分の好きなように進学させてもらえて。そんな恵まれた家庭に育ったんだなと思う。 一方、今の自分を考えると、この先そんな家庭を築ける気配すらなく、きっと節約してなんとか、っていう生活を送ることになるんだろうな。 でも、それでも家族が仲が良くて、夫婦も円満で、そんな家庭だったらそれだけで十分なんだろうなと思う。 お金ってとても厄介。そりゃあ、あるに越したことはないけど、それに翻弄される生き方はやっぱり嫌だな。 今の生活を受け入れて、今の自分を受け入れて生きていけることが本当の強みだと思う。 そんな風になりたいな。
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