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紙の月 の商品レビュー

3.8

367件のお客様レビュー

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2020/11/09

数人の登場人物が切り替わって出て来るが混じり合う事はない。過去に関わっただけ。 しかし、同じような状況に遭遇し、金に振り回される。 ギャンブルに落ちた人も怖いが買い物依存に落ちた人も怖い。 ネットショッピングの昨今、カートに品物を入れずにはいられない、1日数回商品を眺めずにはいら...

数人の登場人物が切り替わって出て来るが混じり合う事はない。過去に関わっただけ。 しかし、同じような状況に遭遇し、金に振り回される。 ギャンブルに落ちた人も怖いが買い物依存に落ちた人も怖い。 ネットショッピングの昨今、カートに品物を入れずにはいられない、1日数回商品を眺めずにはいられない、タイムセールを利用せずにはいられない、そして多額の請求に追われる日々を過ごす現代人は多い。 古い小説ではあるが、中身は今と変わらない。そして、女は怖い

Posted byブクログ

2020/08/19

映画を先に見た 原作は事件を俯瞰するようにいく人かのキャラがでてくる。オムニバスっぽい感じ 映画は当事者に焦点を集めていてよく出来ていたと思う。

Posted byブクログ

2020/06/28

   梅澤梨花(主人公)  人がひとり、世界から姿を消すことなんかかんたんなのではないか  タイのチェンマイに着いて数日後、漠然と考えるようになった。  姿を消す、といっても死ぬのではない、完璧に行方をくらます、ということだ。  「わかば銀行」で営業を担当し、多額の定期預金を集...

   梅澤梨花(主人公)  人がひとり、世界から姿を消すことなんかかんたんなのではないか  タイのチェンマイに着いて数日後、漠然と考えるようになった。  姿を消す、といっても死ぬのではない、完璧に行方をくらます、ということだ。  「わかば銀行」で営業を担当し、多額の定期預金を集め、支店トップセールスを誇り上司からの信頼も厚かった。ある日魔が差したのか顧客から預かったお金で、高級な化粧品を買ってしまった。後でATMから五万円を引出し返した。自分が今、何をしたのか理解した。それでも罪悪感は不思議となかった。しかし、どうして罪悪感を覚える必要があるのかと自分に問いかけ、働いて稼いだお金だし…。と言い訳をした。  梨花が通っていた学校は、ボランティア活動に学校全体が取組んでいる。  外国の学校に通えない子供たちに、直接寄付をするシステムが導入され、生徒側は自分が、どの国の、何という名の何歳の子供に寄付しているのかわかるのである。お礼の手紙にカラフルな絵や写真までも同封されていたのである。生徒たちは熱狂し喜んだ。  しかし梨花は少しも喜べない。  裕福な家庭で育ち、普通の子供ならとても賄えない金額を支援できる。一通だけ届いた手紙の言葉に『私はあなたがしてくださったことを、一生忘れません』と書いてあったのだ。勿論、誰かに教えてもらった決まり文句である。「たった6歳か7歳の子が、一生忘れてはならないような重荷を背負わせてしまった」。感謝という重荷。と考えていた。彼女の論理が歪んでいることはわかる。 学校はシステムを廃止した。  当時の同級生は、『「思い込みが激しい」でも「のめりこみやすい」でもなく、「正義の人」だった』と評価している。  結婚して専業主婦になった。賢くやりくりし平凡な暮らしを希望したが、夫は仕事で忙しく家庭のことには無関心。夫との淡々とした日常生活や違和感が、家庭より外に出て働くきっかけとなる。  以上が、犯罪に手を染め不倫と横領を犯すまでの「あらすじ」です。  その後物語は、犯罪の手口や動機、自己満足の展開は息継ぎが出来ないくらい早く苦しい。どこまで墜落していくのか、興味はあるがスリリング過ぎてドキドキし眠れない。そして彼女は生き場所を失った。そんな彼女にも生き場所があると思う。それはしばらく安住できる高い塀の向こうかな!  実におもしろい。

Posted byブクログ

2020/06/17

歯止めがかからずに転落していく女性のとても切ない物語でした。お金で物事を解決するような生活をしても破綻しない人もいれば、そんな生活がある事を生涯知らないで終わる人もいる。ほとんどの人は適当に折り合いをつけて、そのうち我慢を我慢と思わなくなるように感情を麻痺させるのだろうが、それで...

歯止めがかからずに転落していく女性のとても切ない物語でした。お金で物事を解決するような生活をしても破綻しない人もいれば、そんな生活がある事を生涯知らないで終わる人もいる。ほとんどの人は適当に折り合いをつけて、そのうち我慢を我慢と思わなくなるように感情を麻痺させるのだろうが、それでも宝くじを買い続けたり。親から多額の遺産を受け継ぐ人がうらやましいよ。

Posted byブクログ

2020/04/12

重たい話だった。 お金はおっかねーとギャグを飛ばして自ら寒さに震えてしまう(笑) 超!庶民なので、こんな風にお金を使う気持ちがいまひとつわからないが、人ってホントに弱いし、誰もが犯罪者と紙一重ってことをひしひしと感じる。

Posted byブクログ

2020/01/21

こんな犯罪私だったらするわけない、と思いつつも、その犯罪のきっかけのようなものは些細なことで。その些細な心情の変化とかストレスとかそういったものは、私も普段感じてることだった。いつか自分も物語の中の女性達のようになってしまいそう、そんな恐怖とともに読んだ作品でした。

Posted byブクログ

2019/12/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

満たされない何か、と 腑に落ちない何か、が梨花をあんなに動かしてしまったんだろう。 周りの人達のサイドエピソードもそうだし 自分自身もなんだかんだお金に操られてるんだろうなぁって 時々ぐさっときて読むのがうつらうつらになってしまった。 梨花のタイと日本の印象が違いすぎて 結局お金なんかじゃなかったんじゃないかと思ってしまう。

Posted byブクログ

2019/07/17

主婦の生活って楽しくないのかな…刺激を求める気持ち、手の中にある不完全だけど大切なものを大切にすることって難しい。

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2019/06/14

坂道に躓くきっかけはどこにでも転がっているもので、誰にでもそんなきっかけはあるのでしょう。一気に坂を転がり落ちた彼女は、もしこの時違う道を選んでいたら、と最後にいろんな分岐点を思い出すのですが、私はどれかが違っていても最終的には同じだったのではないかと思うのです。そりゃもちろん、...

坂道に躓くきっかけはどこにでも転がっているもので、誰にでもそんなきっかけはあるのでしょう。一気に坂を転がり落ちた彼女は、もしこの時違う道を選んでいたら、と最後にいろんな分岐点を思い出すのですが、私はどれかが違っていても最終的には同じだったのではないかと思うのです。そりゃもちろん、誰だってやってみたいですよね。ここからここまでください、とか。でも誰もがそれはしないし、自分のものと他人のものはわかっています。むしろ印象深かったのは万引きしてしまった子供の母親。なんだかこっちの方が怖かったです。

Posted byブクログ

2019/05/21

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が約1億円を横領した。梨花は発覚する前に、海外へ逃亡する。梨花は果たして逃げ切れるのか?―--自分にあまり興味を抱かない会社員の夫と安定した生活を送っていた、正義感の強い平凡な主婦。年下の大学生・光太と出会ったことから、金銭感覚と日常が少...

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が約1億円を横領した。梨花は発覚する前に、海外へ逃亡する。梨花は果たして逃げ切れるのか?―--自分にあまり興味を抱かない会社員の夫と安定した生活を送っていた、正義感の強い平凡な主婦。年下の大学生・光太と出会ったことから、金銭感覚と日常が少しずつ少しずつ歪んでいき、「私には、ほしいものは、みな手に入る」と思いはじめる。夫とつましい生活をしながら、一方光太とはホテルのスイートに連泊し、高級寿司店で食事をし、高価な買い物をし・・・・・・。そしてついには顧客のお金に手をつけてゆく。

Posted byブクログ