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紙の月 の商品レビュー

3.8

367件のお客様レビュー

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2017/11/23

 中年の女性横領犯が主人公。当たり前の人生を歩んでいたはずの女性が、どのようにいつの間にか犯罪に手を染めるようになっていってしまったのかを描いている。予想とは異なって推理的な要素はなく、主人公の心の移り変わりが描かれてゆく。八日目の蝉ほどのどうしようもない悲惨な雰囲気には飲み込ま...

 中年の女性横領犯が主人公。当たり前の人生を歩んでいたはずの女性が、どのようにいつの間にか犯罪に手を染めるようになっていってしまったのかを描いている。予想とは異なって推理的な要素はなく、主人公の心の移り変わりが描かれてゆく。八日目の蝉ほどのどうしようもない悲惨な雰囲気には飲み込まれずに済むが、重い話ではある。

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2017/09/24

リアルな重々しさが伝わってくる、読み心地の悪い作品であるがゆえの、素晴らしい作品。雪だるま式に悪事に手を染めてゆくスリリングな展開がいい。

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2017/09/05

一億円の横領なんてあり得ない…と思いつつ、読み進めていくと起こり得ることのように感じてしまう。 こういうお話を読んで、自分を戒める必要があるのだと自分自身に言い聞かせながら読みました。

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2017/06/18

銀行から1億円を横領し逃亡した梅澤梨花は何を手にし、何を失ったのか。 読んでる自分がずっと追い詰められているようで、とても苦しかったです。人が叱られているのを見ているだけで、自分も叱られているように感じる人が10%ほどいるそうです。私もその一人で、不正を重ね、いくら使い込んだのか...

銀行から1億円を横領し逃亡した梅澤梨花は何を手にし、何を失ったのか。 読んでる自分がずっと追い詰められているようで、とても苦しかったです。人が叱られているのを見ているだけで、自分も叱られているように感じる人が10%ほどいるそうです。私もその一人で、不正を重ね、いくら使い込んだのかもはや分からなくなり、辻褄を合わせようとしても明日のお金を準備するの追われ、どんどん追い詰められていく、自分もいっしょに追い詰められていくようで、苦しかった。

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2017/05/27

どんどん金銭感覚がおかしくなって、犯罪に手を染めていくのに、罪悪感がない。光太への歪な愛。読んでいてとにかく恐ろしかった。 上司と顧客を回ることになり、偽の証書がバレそうになる場面は手に汗を握りながら読んだ。 どうやってバレるのか、いつ彼女がこの自転車操業の世界から抜け出せるのか...

どんどん金銭感覚がおかしくなって、犯罪に手を染めていくのに、罪悪感がない。光太への歪な愛。読んでいてとにかく恐ろしかった。 上司と顧客を回ることになり、偽の証書がバレそうになる場面は手に汗を握りながら読んだ。 どうやってバレるのか、いつ彼女がこの自転車操業の世界から抜け出せるのか、ハラハラしたのだけれど、バレる瞬間や捕まる場面の描写が無かったのが少々物足りなかったような。 理花にまつわる周りの人も、みな抱えている問題がリアルで怖かった。

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2017/05/14

犯罪が起こったとき、周囲の人々は決まって 「そんなことをする人には見えなかった」 という。 この本も、主人公はごく普通の主婦。 家を整え、夫にお弁当を持たせて送り出し、買い物に行って夕食を作る。 そんな暮らしをしていたはずなのに、ほんのわずかの歯車の軋みによって、少しずつ、少しず...

犯罪が起こったとき、周囲の人々は決まって 「そんなことをする人には見えなかった」 という。 この本も、主人公はごく普通の主婦。 家を整え、夫にお弁当を持たせて送り出し、買い物に行って夕食を作る。 そんな暮らしをしていたはずなのに、ほんのわずかの歯車の軋みによって、少しずつ、少しずつ事態は変化していく。 最初は本人も気がつかないほどのものだったのに、終盤には雪崩のように彼女の生活をのみこんでいく。 その描写が圧巻。 誰にでも起こり得ることなのだ、もしかしたら私にも、と思わせる筆力がすごい。 ただし、救いはない。主人公の周囲に描き出される、お金に振り回される人々すべてに、救済は提示されない。 なので後味は悪い。自分自身がお金というものにからめとられてしまったような、息苦しさだけが残った。

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2017/04/28

角田さんの小説らしい、ち密な、特に女性の心理を深く鋭く突いた語り口がなるほどなあ、と思わせる。今回は小説としては、梨花という主人公は置きつつも、彼女を知る女性も描き出した群像劇、のような構成といえばよいか。最後に梨花はどうなるのだろうと思いながら読んで行ったら、あれ?と思うような...

角田さんの小説らしい、ち密な、特に女性の心理を深く鋭く突いた語り口がなるほどなあ、と思わせる。今回は小説としては、梨花という主人公は置きつつも、彼女を知る女性も描き出した群像劇、のような構成といえばよいか。最後に梨花はどうなるのだろうと思いながら読んで行ったら、あれ?と思うような終わり方だったが、群像劇なら、まあ仕方ないか、と納得するしかない。 群像劇に登場する女性たちは、全員が(梨華も含めて)お金、あるいは自身の存在場所に関しての強迫観念に縛られている。それが著者が書きたかった小説の動機なのかどうか。 映画を先に知って、観たい、その前に原作を読んでおきたい、と思って図書館で借りてきた。小説としては終わり方にあまり納得できず、期待をちょっとはずされた感じ。映画がどうなのか、早く観てみたい。

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2017/04/26

4.0 宮澤りえ主演で今秋上映される映画の原作です。『八日目の蝉』に勝るとも劣らない秀作だと思います。主人公は一見華があるけどどこか陰がある美人。正に宮澤りえ。映画も楽しみです。

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2017/01/28

怖かった 怖いけどドンドン引き込まれてしまった ごく普通、普通より少し上の生活をする善良な主婦が一億円を横領するまでが恐ろしいまでに現実味をもって描かれていた 夢に見てしまったもん お金がないって焦る悪夢 お金がないって不幸なの?って疑問を持つことで夢から目覚めたけど恐ろしか...

怖かった 怖いけどドンドン引き込まれてしまった ごく普通、普通より少し上の生活をする善良な主婦が一億円を横領するまでが恐ろしいまでに現実味をもって描かれていた 夢に見てしまったもん お金がないって焦る悪夢 お金がないって不幸なの?って疑問を持つことで夢から目覚めたけど恐ろしかった もし自分だったら? 自分だったら梨花と同じことをしない? しないって言いきれる? 言い切れないよ と思いながら読んだから凄く凄く恐ろしかった 男性にはわからないかもしれない 女にしかわからないかもしれないけど恐いくらいリアルだった 光太が好きだった訳じゃなくて必要とされる誰かになりたかったというのが本当に恐い 人はこうやって少しずつ狂っていくんだなと思った

Posted byブクログ

2016/10/23

再読・数回。 何で、気になるのか。何回も読んでしまうのか。 私はお金がなさ過ぎて?お金のことが気にかかり過ぎているのだけれど。

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