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共喰い の商品レビュー

3

353件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    130

  4. 2つ

    66

  5. 1つ

    23

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2013/10/01

芥川賞受賞作。 表題作はとにかく生々しく、正直ストーリー自体はあまり好きになれなかったー。それなのに不思議と夢中で一気に読んでしまった。 その勢いで一気に読んだ第三紀層の魚はとても良かった。 読みながら何度も涙ぐんでしまいました。 ばあちゃんが1人になっちゃう、のくだりがとても...

芥川賞受賞作。 表題作はとにかく生々しく、正直ストーリー自体はあまり好きになれなかったー。それなのに不思議と夢中で一気に読んでしまった。 その勢いで一気に読んだ第三紀層の魚はとても良かった。 読みながら何度も涙ぐんでしまいました。 ばあちゃんが1人になっちゃう、のくだりがとても印象的。 他にも家族との何気ないやりとりをさらりと素敵に描くなぁと、共喰いとのギャップに少々驚きました。 またラストの主人公が泣くシーン、なんというか、感心してしまった。 近頃図書館利用ばかりなのですが、久しぶりに購入したくなりました。是非筆者の別の作品も読んでみたい!

Posted byブクログ

2013/04/06

第146回芥川賞受賞作。血と性がテーマの短編。 こういう作品の宿命とも言うべきか賛否両論様々ですが、自分は高く評価します。 一人の少年の心に父親譲りの暴力的衝動が芽生えてから収束していく様(言わば欲望のボルテージ)を、鰻の頭やアパートの前で座り込んでいる娼婦、鎖で繋がれた赤犬に...

第146回芥川賞受賞作。血と性がテーマの短編。 こういう作品の宿命とも言うべきか賛否両論様々ですが、自分は高く評価します。 一人の少年の心に父親譲りの暴力的衝動が芽生えてから収束していく様(言わば欲望のボルテージ)を、鰻の頭やアパートの前で座り込んでいる娼婦、鎖で繋がれた赤犬に象徴させながら詩的に表現しており、近年珍しい極めて文学的な作品となっています。 父を嫌悪しながらも、否応なしに少年はその血が自身にも流れているという現実に直面し、父と関係した女と関係を持ってしまうが、父が少年の恋人を犯すと、少年は父に対し激しい殺意を抱く。しかしその父を自分に代わって実母が殺害するー。 この流れの中に少年の心理と少年を取り巻く人間模様(特に実母と義母)が無駄なく端的に描かれており、近年の文学作品の中でもとりわけ秀逸な作品だと思います。

Posted byブクログ

2013/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

純文学と言われるけれど、読んでしまえば大差はない。ただし好き嫌いは分かれると思う。 無機質ながら温かみがあって、生臭さもある文体。陰鬱で雨の降る前半も、どこか切なさのある後半も私は好き。会見で毒舌だった方の文章がこれほど人肌の体温があるものだったとは驚きでもあるし、読んで良かったと思える。

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2013/04/01

読書期間: 2/12-2/17(6日くらい) 純文学を読んだのは久しぶりです。 そのせいか、最初とても読みにくかった…。 ただ、慣れてきたのか、短編だからか、結構すぐに読み終わりました。 共喰い:最初から、ハッピーエンドが想像できない語り始め。下関住みの身としては、今...

読書期間: 2/12-2/17(6日くらい) 純文学を読んだのは久しぶりです。 そのせいか、最初とても読みにくかった…。 ただ、慣れてきたのか、短編だからか、結構すぐに読み終わりました。 共喰い:最初から、ハッピーエンドが想像できない語り始め。下関住みの身としては、今の環境を創作の世界とシンクロさせてなんともいえない寂しい気持ちになれます。 小説でこれだけ山口弁が多用されるのを初めて見ました。 面白くない・・・ような、面白い・・・ような。 何か難しいですね、文学は。 ただ、田中慎弥さんの本をもう1冊読んでみたいような気がしているので、面白かったかもしれません。

Posted byブクログ

2013/03/31

ちょうど一年前、普段小説は読まないと言っていた人があの受賞会見で興味を持ってこの本を購入していたけれど、きっと最後まで読めてないだろうなぁと思うし、これをきっかけに小説を好きになることもないだろうなぁと思う。青空文庫で読んでいる気分になるくらい古典っぽい印象。息子の父親殺しを遮っ...

ちょうど一年前、普段小説は読まないと言っていた人があの受賞会見で興味を持ってこの本を購入していたけれど、きっと最後まで読めてないだろうなぁと思うし、これをきっかけに小説を好きになることもないだろうなぁと思う。青空文庫で読んでいる気分になるくらい古典っぽい印象。息子の父親殺しを遮って自分で殺ってしまう母親って文学的にどうなんだろう。比喩がとても上手くて、描写から伝わってくる臭気が中上健次っぽい。他の方の書いたレビューに「宮本輝に似ている」とあったが、宮本輝(芥川賞選考委員)は「生理的に受けつけない」らしくて選考委員で唯一最後まで受賞に反対したらしい。でも僕も似ていると思う。

Posted byブクログ

2013/03/29

堅くて尖った語り口、流れる時間の古さであり惨さ、抉ってくる情景描写、作者に睨まれている気分になった。睨んでいる眼鏡がまず歪んでいて、その向こうの瞳が見えているのかわからないこちら側を圧殺してくるような。恐かったなあ。

Posted byブクログ

2013/03/27

個人的に全く興味のない魚や釣りの話プラス、主人公の父親のあまりにえげつない行動に嫌悪感を抱いただけだった。

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2013/03/24

川辺の小さな田舎街で暮らす父子の、性と血の物語。 内容は重いように感じるけど、割と読みやすかった。 私もこういう小説を読めるようになったのか、と実感。 共食いも第三紀層の魚のどちらも、少年、親子のの血のつながり、魚と共通したテーマが印象的だった。生臭くて、泥臭くて、蒸し暑い。 ...

川辺の小さな田舎街で暮らす父子の、性と血の物語。 内容は重いように感じるけど、割と読みやすかった。 私もこういう小説を読めるようになったのか、と実感。 共食いも第三紀層の魚のどちらも、少年、親子のの血のつながり、魚と共通したテーマが印象的だった。生臭くて、泥臭くて、蒸し暑い。 そして巻末の瀬戸内寂聴さんとの対談もとても面白かった。 今度、寂聴さんの源氏物語が読みたい!

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2013/03/23

短編二本 二本とも少年が主人公の話 あの頃の自分が何を考えていたか思い出そうとした。この本の少年たちのように、伝えたいことはあるがそれを表現する事が出来なかった気がする。 そんな事を思い出した。

Posted byブクログ

2013/03/10

なんか…読み継がれてきた往年の名作のような印象を受けた。 とにかく描写が細かい! 読みやすかったし、スッて物語が入ってきた。 第三紀層の魚もよかった。 田中さん、好きだなぁ。

Posted byブクログ