共喰い の商品レビュー
どろどろと絡み付く好きな文体。 効果的な技法が多く楽しめた。 ただ話の収録順、逆にしたほうがよかったと思う。 個人的に二話目は、共食いの前段階、幼年期のような印象で、共食いの鮮烈な印象に比べて色褪せた感じ、(書かれたのが一年前なのはわかっているが)薄めて読み口をやわらかくしたも...
どろどろと絡み付く好きな文体。 効果的な技法が多く楽しめた。 ただ話の収録順、逆にしたほうがよかったと思う。 個人的に二話目は、共食いの前段階、幼年期のような印象で、共食いの鮮烈な印象に比べて色褪せた感じ、(書かれたのが一年前なのはわかっているが)薄めて読み口をやわらかくしたもの、という感じを受けた。
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1番美しい言葉を選びながら、1番醜い情景を描いたらこうなったんだろうか。性描写があってこんなにも心惹かれることは初めてだ。 本編は五つ星。後の短編は、釣りをしたことがないので、感情移入をして楽しむ事が出来なかった。
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暗い。とにかく暗い。 著者の自伝的小説とのことだが、あまりの暗さに読んだ後にムズムズするような感覚がある。 昭和の香りがする話。
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川辺一帯の田舎町。生臭く濁った割れ目の川に生息する鰻の様な父息親子。タガが外れ共喰いが起きた時、魚屋さんの鉄槌にさばかれる。…暗くジットリと湿り、むせかえる様な空気感はかなり重く、性欲描写を含め一貫性は凄い。どちらかというと、もうひとつの"年を取った大きな魚の大往生とガ...
川辺一帯の田舎町。生臭く濁った割れ目の川に生息する鰻の様な父息親子。タガが外れ共喰いが起きた時、魚屋さんの鉄槌にさばかれる。…暗くジットリと湿り、むせかえる様な空気感はかなり重く、性欲描写を含め一貫性は凄い。どちらかというと、もうひとつの"年を取った大きな魚の大往生とガヤマの涙"の方が好きかな!
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‘過激な‘なということだったのですが、どんなに並外れているのかと思っていたら、そんなようには思わなかった。 淡々としていて、さらりとしていて、書いてある内容より、小説にすることで、浄化されているように思えた。
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共喰い 最後の1ページが好きだ。こういう可笑しみがあることが大事だとつくづく思った。 第三紀層の魚 私も子供の頃同じように考えたことがあるなという所がいくつもあった。しかし今も変わっていないな、信道が病院からの自転車で帰るときに街を見たときの感情、大人になった今の自分にも当てはま...
共喰い 最後の1ページが好きだ。こういう可笑しみがあることが大事だとつくづく思った。 第三紀層の魚 私も子供の頃同じように考えたことがあるなという所がいくつもあった。しかし今も変わっていないな、信道が病院からの自転車で帰るときに街を見たときの感情、大人になった今の自分にも当てはまり泣きそうになった。 著者の他の作品も読んでみたい。
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芥川賞受賞作ですね。これまで筆者のことは全く知りませんでしたが、受賞時のあの記者会見がとても印象的で、あれから興味を持ち、ちょっと読んでみようかなと思った次第です。 「共喰い」「第三紀層の魚」の二編収録。想像していたものとは違い、内容は意外にハード。特に「共喰い」は生々しい描写も...
芥川賞受賞作ですね。これまで筆者のことは全く知りませんでしたが、受賞時のあの記者会見がとても印象的で、あれから興味を持ち、ちょっと読んでみようかなと思った次第です。 「共喰い」「第三紀層の魚」の二編収録。想像していたものとは違い、内容は意外にハード。特に「共喰い」は生々しい描写も結構多いです。でも不思議とそれらに嫌な感じは全くしませんでした。他の作品も読んでみたくなりました。
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17歳男子の性欲と父親の性癖の影響が、田舎の川の生臭く淀んで暗い感じの中で絡み合う。実母の機械的な義手だけが真っ直ぐ揺らぎなく印象深い。性に翻弄される男に比べて女が強いのは性暴力が多めのバランスなのかな?読みやすかったし雰囲気もあるけど、最後の1行が好きになれない。念入れないでも...
17歳男子の性欲と父親の性癖の影響が、田舎の川の生臭く淀んで暗い感じの中で絡み合う。実母の機械的な義手だけが真っ直ぐ揺らぎなく印象深い。性に翻弄される男に比べて女が強いのは性暴力が多めのバランスなのかな?読みやすかったし雰囲気もあるけど、最後の1行が好きになれない。念入れないでもいいのになー。
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多少グロテスクな内容でありながらも 「妖艶、美、繊細」 などの表現が当てはまる描写が 読み手を引きつけます
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血統主義だとかいわれます、前近代における自由意志に対する束縛は、この本にあって、生まれられなかった生命によって相殺され、今のわたしたちに続くような、あだあだしく物悲しい自由意志とそれに付随して浮上する、いわゆる近代的自我は獲得されたのです。
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