共喰い の商品レビュー
第146回芥川賞受賞作。情熱大陸で田中慎弥さんの特集を見たことで、著者に対する印象がだいぶ変わり、今さらながら手にとってみた。表題作である『共食い』はわずか文庫本80ページの中に、昭和の裏側とも言える空気感と人間の普遍的な狂気が練りこまれている。
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話題にはなっていたし、タイトルが強烈で躊躇していた。 どこまでいっても救いようのない内容に、嫌悪感しかなかった。
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出だしからしてまさに灰色の空気漂う。 著者自体がドーンと有名になりましたけどなんだか面白い人だなって思いました。 結構ショッキングな題材もってきちゃってますから、うわぁ…って思う人の方が圧倒的に多い。 これが純文学?と思った方もいらっしゃるとおもいますが、定義するのは難しい。純粋...
出だしからしてまさに灰色の空気漂う。 著者自体がドーンと有名になりましたけどなんだか面白い人だなって思いました。 結構ショッキングな題材もってきちゃってますから、うわぁ…って思う人の方が圧倒的に多い。 これが純文学?と思った方もいらっしゃるとおもいますが、定義するのは難しい。純粋に芸術性を求めた作品とも言いにくい(笑) ある意味、著者は常識人なのではないかなぁと感じられた。
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思ったよりよかった。この泥臭い雰囲気、結構好きだ。物語的には悲惨なんだけど、、なぜか読後感はさわやかだった、私には。この母親の愛がある限りきっと主人公はこののち幸せになれるんじゃないかな、と思った。
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情景描写が情景をイメージさせるものでなく、私にとってはうっとおしいだけ。同じ対象が何度も出てきて、何かを示唆してるのかもしれないが、うざい。全体的に期待はずれだったなあ。残酷なことが普通っぽく描かれてるとこがいいのかなあ。第三紀層の魚のほうが面白い。
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短いストーリーですぐ読めちゃうけど、深い。 いろんなことを考えさせられた。 どうしても主人公の若い男の子より、母親の方に感情移入してしまう。 あの母親の行動は、息子への愛情なのかなぁ? それとも、ただの後悔? タイトルの表すところも、いまいち理解できないな。
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予測していたよりも、グロいものではなかった。 描写も丁寧で、くどい部分も感じられたが読みやすい。 暴力をふるう野蛮な男を毛嫌いする息子。 しかし息子は、自分の中にも同じものを自覚する。 小説にある暴力に触れると、 暴力とは何なのか考えてしまう。 いろんな暴力の形があるという...
予測していたよりも、グロいものではなかった。 描写も丁寧で、くどい部分も感じられたが読みやすい。 暴力をふるう野蛮な男を毛嫌いする息子。 しかし息子は、自分の中にも同じものを自覚する。 小説にある暴力に触れると、 暴力とは何なのか考えてしまう。 いろんな暴力の形があるというのなら、 暴力性は誰の中にもある・・ということくらいは分かる。 それを暴露する、表現するということ、 そして分かり易くインパクトのある形で明らかにする・・・ ということが、最も人に、人の中に棲む暴力性を認識させる。 ではなぜ認識させるのか?そこに何の意図があるのだろう。 村上春樹や村上龍の小説を読むと、何の意図があるのかと考えてしまう。 この話の強烈な部分は、わたしにとっては息子の母親の行動だった。 男が女を殴りながらセックスするということよりも、 この母親のすべてが驚異的であった。 でも、そんな母親を理解できるところが、自分のいやらしい部分です。 もう1編の、少年が主人公の物語は、自分はこういうのが好みなので読んでいて楽しかった。 そして、瀬戸内寂聴さんとの対談が載っていたのには驚いた。 もしかしたらこの部分が一番良かったかも・・・ 寂聴さんは何枚もうわてで、何度くすくす笑ったか。 でも、寂聴さんはなぜ僧になったかという問いに、 「小説書くためよ。ただそれだけ。もっとバックボーンが欲しかったから。」 と、あっけらかんと言う部分にいたく感動してしまった。 嘘やごまかしは、なくてはならない世の中。 でも、こういうふうにほんとのことをサラっという人に弱いのだ。 短い対談のこの部分に感動して涙ぐむ人は、自分くらいであろう。 笑ってください。
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「性」「父親殺し」ノっていきやすいテーマを扱いながら気取らないのが凄いと思った。人物から変わり者ってイメージがあったけど作品は文体からなにまで文学の優等生って感じが滲み出てて笑った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すごい作品だった・・・。 家族のどろどろが半端なくって、吐き気がするほど嫌悪感を感じながらも、引き寄せられて、一気に読んでしまった。 読んだあとに残るのは、不思議と澄んだ感覚でありまして。 分類するならばエディプスコンプレックスと父親越えのお話なんだけど、実のお母ちゃんにそれをやってもらっちゃうという・・・。 主人公自身も「おれはこんだけ卑怯なんちゃ」と言いながらも、今度は彼女に「ええやんか」と許されてしまうという・・・。 大いなる母性に守られてめでたしめでたしです。 でも、そのあまりにも単純な解決が、読んだあとのすっきり感なのかも! どん底まで暗く複雑な現実を味わいたくて読んでるわけじゃないしな。 ごつごつとぶっきらぼうな山口なまりも温かく懐かしい。
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タイトルからしてそういう話だったのか、読む前まで何の知識もなかったので、読んでいてちょっと疲れました。親は選べないけど、そこで克服してほしかったし、希望としては、母親には犯罪を犯してほしくなかった。
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