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共喰い の商品レビュー

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353件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

    130

  4. 2つ

    66

  5. 1つ

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2013/09/09

川のある風景って好きだけど、小説に出てくる川沿いの風景はいつも暗い。救いがないなあ。映画も救いがなさそう。暗くなりそう。今はあんまり観たくない。

Posted byブクログ

2013/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいる時に思っていたのは生臭いな~ということ。内容も文章も生々しいというか、正直、好きではないと思った。結局、作者がいいたかったテーマが私にはわからなかった。

Posted byブクログ

2013/09/05

 この作品が映画化されたと聞いて、遅れ馳せながら原作を読むことにした。  「昭和63年7月・・・」の書き出しで始まる。一読して、「遅れてきた中上健次」という印象。中上が「路地」を舞台にしたのに対して、ここでは「川辺」。20年以上が経過し、きっとこの川辺の風景は失われてしまったに違...

 この作品が映画化されたと聞いて、遅れ馳せながら原作を読むことにした。  「昭和63年7月・・・」の書き出しで始まる。一読して、「遅れてきた中上健次」という印象。中上が「路地」を舞台にしたのに対して、ここでは「川辺」。20年以上が経過し、きっとこの川辺の風景は失われてしまったに違いない。昭和への訣別の意味も含まれていたのだろうか。  登場する女性たちが魅力的で、その逞しさが強烈な余韻を残す。特に片腕を失った仁子は圧倒的な存在感を放ち、中上健次の『千年の愉楽』に登場するオリュウノオバを彷彿とさる。いつの時代でも女性は強く、行動力と決断力を備えた仁子さんは「平成のオリュウノオバ」といったところか。  文学的であろうとし過ぎて衒いが鼻についてしまう表現があり、完成度は今ひとつ。結末も、仁子との面会の場面は蛇足と感じられた。  映画では、『千年の愉楽』のシナリオも書いている荒井晴彦が、この作品をどう構成し、監督の青山真治がどんな演出をしているのかが楽しみだ。また、小説の中でも<性>のメタファーとしてたびたび出てくる<鰻>がどんな形でスクリーンに姿を現すのかにも注目したい。

Posted byブクログ

2013/09/05

芥川賞『共喰い』『第三紀層の魚』所収。◆『共喰い』は、中上健次・宮本輝を想起させたが、物語性・抒情性に不足。『第三紀層の魚』の方が丁寧で好み。◆共通するのは「無力で何もできない子どもの自分」。父系に由来する劣悪な・みじめな・かわいそうな環境の中、「子ども」である自分は受け入れるこ...

芥川賞『共喰い』『第三紀層の魚』所収。◆『共喰い』は、中上健次・宮本輝を想起させたが、物語性・抒情性に不足。『第三紀層の魚』の方が丁寧で好み。◆共通するのは「無力で何もできない子どもの自分」。父系に由来する劣悪な・みじめな・かわいそうな環境の中、「子ども」である自分は受け入れることしかできず耐えたまま生きている。そして母親が、そんな閉塞した変わらない環境=胎嚢を破り、新しい世界に主人公を送り出して作品は終わる。母によって生み直された主人公はその後どう生きるのか…“その後”の作品が書かれるのなら見届けたい。◆主人公は私では考えられないくらい、よく「耐えて」いる。作者は実は優しい人なのだろうと思った。【2013/01/05】

Posted byブクログ

2013/09/04

表題作「共喰い」 「第三紀層の魚」 書体がぬったりしている。 田舎の閉塞感。著者は山口出身。 やっぱり山陰山陽って重いんですかね。 粗筋だけ見ると、共喰いは性と暴力の重暗い話かと思えるけど、読んでみると思いの外読みやすく、方言なのにさらりと読める。 ただタイトルの意味掴めなか...

表題作「共喰い」 「第三紀層の魚」 書体がぬったりしている。 田舎の閉塞感。著者は山口出身。 やっぱり山陰山陽って重いんですかね。 粗筋だけ見ると、共喰いは性と暴力の重暗い話かと思えるけど、読んでみると思いの外読みやすく、方言なのにさらりと読める。 ただタイトルの意味掴めなかった。 第三紀層の魚の方が好きかな。 まずタイトルがいい。 釣りと曾祖父。釣れない魚。

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2013/08/23

表題よりも「第三紀層の魚」の方が私好み。 芥川賞の会見で石原さんに喧嘩売ってる話題ばかりがイメージ先行しちゃっているけど、 読んでみると、彼の文章・表現力、素晴しいと思う。 大衆小説に慣れていると、退屈に感じちゃうかもしれないけどね。 芥川賞受賞作に私好みの本ってなかなかないんだ...

表題よりも「第三紀層の魚」の方が私好み。 芥川賞の会見で石原さんに喧嘩売ってる話題ばかりがイメージ先行しちゃっているけど、 読んでみると、彼の文章・表現力、素晴しいと思う。 大衆小説に慣れていると、退屈に感じちゃうかもしれないけどね。 芥川賞受賞作に私好みの本ってなかなかないんだけど、 この人のちょっと曲がった青春小説は、じゅうぶんに純文学って呼べると思う。 あらすじじゃなくて、表現力を評価してほしい。 あらすじだけだと、どうしようもない内容。 描き方だけで、十分楽しめた。 あの会見の騒動がなければ、この本を読もうとしてなかったかもしれないなぁ。

Posted byブクログ

2013/08/17

8月13日~17日 女を殴る父と、同じ目をした、俺。 川辺の町で暮らす17歳の少年。セックスの時に暴力を振るうという父親の習性を受け継いでいることを自覚し、懼れ、おののく…。逃げ場のない、濃密な血と性の物語。第146回芥川賞受賞作。

Posted byブクログ

2013/08/11

歴代の芥川賞受賞作品を読みたくて、図書館で借りて読みました。 続けて3作の芥川賞受賞作品を読んで、たまたまなのかわかりませんが どの作品も性描写をあちらこちらに散りばめていますが、ここまで性描写を 散りばめないと作品になりえないのかと少し疑問に感じましたが、読みさすく一気読み出来...

歴代の芥川賞受賞作品を読みたくて、図書館で借りて読みました。 続けて3作の芥川賞受賞作品を読んで、たまたまなのかわかりませんが どの作品も性描写をあちらこちらに散りばめていますが、ここまで性描写を 散りばめないと作品になりえないのかと少し疑問に感じましたが、読みさすく一気読み出来ました。 文末に瀬戸内寂聴さんとの会談が載せてあり面白く読みました。

Posted byブクログ

2013/07/26

方言やのに、読みづらくなかった。 方言がプラスになってて このお話たちの世界観を作ってる。 ドロッとして、 生臭くて嫌な話だった。 「第三紀層の魚」の方が好きかな。

Posted byブクログ

2013/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

拭いきれない血の繋がりと、抑えきれない衝動。 生活水が垂れ流しの夏場は激しいにおいのする川が流れる田舎町。 父は女癖が悪く、そのくせセックスのときに女を殴るゆえに 産みの親の仁子さんは籍は抜かずに父と遠馬を置いて近所の魚屋として生活している。 女を殴る無茶苦茶な父を持ち、いつか自分もそうなるのではないかという気持ちを遠馬は抱えながらも膨らむ性欲。 同居する琴子さんの妊娠がわかり、彼女は町にも父にも囚われることなく自らの意思で出ていくことを決め どうしようもない父を、血のつながった者の手で始末をつけた夏。 他短編。曾祖父の葬式と釣りに引っ越し先のまだ見ぬ東京を思い描く少年。 田舎特有の窒息しそうなほどの閉塞感。 病的なくらい本能むき出しで生きる父や、それに近づいていきそうになる自分を客観的にとらえて 押し殺す淡々とした感じがいいね。 第三紀層の魚は少年が優しい子できっと著者も優しい子だったのかとか思いながら読んだりして 芥川賞ぽい雰囲気ばっちりでどちらも読みやすかった)^o^(

Posted byブクログ