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楽園のカンヴァス の商品レビュー

4.3

939件のお客様レビュー

  1. 5つ

    394

  2. 4つ

    323

  3. 3つ

    114

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  5. 1つ

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2012/04/27

安直に「絵画ミステリー」と言い切れない魅力が詰 まっていました。 ミステリーとしても最後まで驚かされるし、静かに 燃える系の情熱的な物語にもやられるしで、一気に 読んでしまいました。最後の方は、もう半泣き。 謎解き要素のある本って、一度読んだらそれっきり になりがちですが、これ...

安直に「絵画ミステリー」と言い切れない魅力が詰 まっていました。 ミステリーとしても最後まで驚かされるし、静かに 燃える系の情熱的な物語にもやられるしで、一気に 読んでしまいました。最後の方は、もう半泣き。 謎解き要素のある本って、一度読んだらそれっきり になりがちですが、これはまた読み返したいです。 いやー、良かった。

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2012/04/23

今から学芸員になれないかしら。。と思うここ数カ月。 学芸員・絵画・そして大原美術館と、最初の数ページに興味が惹かれるワードがちりばめられていて、思わず手に取った一冊。 しかも、以前一冊読んで、そのストーリーの美しさにひかれた原田マハさん作。 MoMAが所蔵するアンリ・ルソーの「...

今から学芸員になれないかしら。。と思うここ数カ月。 学芸員・絵画・そして大原美術館と、最初の数ページに興味が惹かれるワードがちりばめられていて、思わず手に取った一冊。 しかも、以前一冊読んで、そのストーリーの美しさにひかれた原田マハさん作。 MoMAが所蔵するアンリ・ルソーの「夢」とほぼ同じタッチの絵が、伝説のコレクターの手元に。 はたしてそれはルソーの手による本物?それともよくできた贋作?それを見極めるために召集された二人の学芸員。 彼らには、ヒントとして一冊の手記が手渡される。 手記の中で表現されるルソーと、絵のモデルであるヤドヴィガのやりとりが生き生きと描かれていて、その手記に引き込まれる学芸員の気持ちと自分の気持ちが重なるような、不思議な感覚に。 ただ残念なのは、、登場する二人の学芸員はルソーを愛してやまないのだけど、、私にはルソーの絵が理解できないこと。ルソーの生きた時代の世間の目と同じように「お絵かき」にしか見えないんだなぁ。。

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2012/04/22

誰ひとり死ぬことなく、とかなければならないミステリー(謎)は目の前の作品が本物であるのかどうかの一点のみ。この謎が物語の中心を貫き通し、その周辺にいくつかの不穏な空気をまぎれこませることによって、静的とも言える作品に緊張感を与えています。 ティムと織江のルソーへのあふれんばかり...

誰ひとり死ぬことなく、とかなければならないミステリー(謎)は目の前の作品が本物であるのかどうかの一点のみ。この謎が物語の中心を貫き通し、その周辺にいくつかの不穏な空気をまぎれこませることによって、静的とも言える作品に緊張感を与えています。 ティムと織江のルソーへのあふれんばかりの愛情。そして、ルソーその人の絵を描くことに対する信念と情熱。 現在を生きる人と過去の人とが物語の中で絡み合い、読み手はティム、織江、そしてルソーの生き様を時間を超えて胸のうちに捉えることができるようになっています。 読んでいるうちに、どんどんどんどん胸がいっぱいになって来て、そうしてたどり着く結末……。 決して派手な物語ではないのですが、作者原田マハさんの美術に関するしっかりとしたバックボーンがあってこそ生まれたであろう素晴らしい小説です。

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2012/04/11

スイスの大邸宅に招かれたMoMaの学芸員であるティム・ブラウンと日本人研究者の折川早絵はルソーの名作「夢」に似た絵の真贋を7日間かけて競い合い身分けるものだった。作者の原田マハもMoMaで働いた期間があるので、経験を踏まえた上での描写力は凄い!

Posted byブクログ

2012/04/08

芸術に疎い自分でも、一気に読み切れた。 これまでも何度か行った事はあったけど、これから美術館に行く時は絵画を観る目が少し変わりそうだ。 岡山の大原美術館に、また行ってみたくなった。

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2012/12/21

◎ダ・ヴィンチ2012年5月号 「今月のプラチナ本」。 ◎第25回(2012年)山本周五郎賞候補作品発表。 ◎第147回(2012年上半期)直木賞候補作品。 ◎ダ・ヴィンチ2012年上半期BOOK OF THE YEAR 小説部門第1位。 ◎プラチナ本of the Year 2...

◎ダ・ヴィンチ2012年5月号 「今月のプラチナ本」。 ◎第25回(2012年)山本周五郎賞候補作品発表。 ◎第147回(2012年上半期)直木賞候補作品。 ◎ダ・ヴィンチ2012年上半期BOOK OF THE YEAR 小説部門第1位。 ◎プラチナ本of the Year 2012 2012年11月13日(火)読了。 2012-51。

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2012/06/01

近いうちに必ずアンリ・ルソーの画集を借りる。 この作品を読んだら、誰もが必ずそうするはずだ。 著者がこんな素晴らしい作品を書く人だったなんて。 陳腐な言葉しか浮かばない自分が本当にもどかしいのだが、スリリングで壮大で、エレガントで心揺さぶられる、久々に手にした本当に素敵な作品。...

近いうちに必ずアンリ・ルソーの画集を借りる。 この作品を読んだら、誰もが必ずそうするはずだ。 著者がこんな素晴らしい作品を書く人だったなんて。 陳腐な言葉しか浮かばない自分が本当にもどかしいのだが、スリリングで壮大で、エレガントで心揺さぶられる、久々に手にした本当に素敵な作品。 装丁に使われているアンリ・ルソーの「夢」にまつわる史実を元に描かれたフィクションなのだが、無知な私にはどこまでが事実でどこからがフィクションなのか、皆目見当もつかない。だが、引き込まれあっという間に物語の虜になった。 小難しい表現など何一つ使われていないのに、見事に絵画の世界を描写してみせ、何の造詣のかけらも持ち合わせていない私でさえ、共にその絵を眼前にしているかのような、登場人物の息遣いさえ感じられるような、そんな臨場感にあふれていた。 美術ミステリと冠されているようだが、純粋に絵画を愛する人々の物語として読んで欲しい。 私は図書館で見かけて借りたので、予備知識は皆無。この作品の持つ魅力を惑わされずに読むことができて本当によかった。(そう考えると、本の帯も考えものか?) 元は学芸員であったという著者の本領が見事に発揮された、素晴らしい傑作。 必読です。

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2012/03/26

フィクションですが、芸術の史実を知る上でとてもいい作品だと思いました。 この作品に出てくる絵画をパッと思い浮かべることができない自分が不甲斐なかったですが…。 ルソーの作品の真贋をめぐって、研究者の男女が誰が書いたのか分からない物語をそれぞれ読み最終日に、より説得力のある説明を...

フィクションですが、芸術の史実を知る上でとてもいい作品だと思いました。 この作品に出てくる絵画をパッと思い浮かべることができない自分が不甲斐なかったですが…。 ルソーの作品の真贋をめぐって、研究者の男女が誰が書いたのか分からない物語をそれぞれ読み最終日に、より説得力のある説明をした者にその絵の権利を譲ろう!というとんでもない企画。 近い過去と未来、そして画家が生きた遠い過去の話が行ったり来たりしますが、それがなんともロマンを感じてグイグイひきこまれました。 なんと言ってもルソーの絵が見てみたくなりました。

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2012/03/24

「永遠を生きる」「絵が、生きている」 ミステリとしても十分面白かったけど、なによりもアートに対する熱い思いが伝わってきて、読み終わって胸がいっぱい。 もう少し長編でも良かったのに、と思うくらいあっという間に読んでしまった。 自分に本読む趣味があってよかった、と久しぶりに感じた一冊...

「永遠を生きる」「絵が、生きている」 ミステリとしても十分面白かったけど、なによりもアートに対する熱い思いが伝わってきて、読み終わって胸がいっぱい。 もう少し長編でも良かったのに、と思うくらいあっという間に読んでしまった。 自分に本読む趣味があってよかった、と久しぶりに感じた一冊。

Posted byブクログ

2012/03/21

アンリ・ルソーという画家が描いた絵をメインモチーフに据え、いわゆる美術の世界を舞台にした作品だが、その方面にはまったく疎い私でも分かりやすく、興味を持って物語を読み進めることができた。 「ギャラリーフェイク」を読んで楽しむことができるならば、充分だ。 プロット自体は取り立てて奇...

アンリ・ルソーという画家が描いた絵をメインモチーフに据え、いわゆる美術の世界を舞台にした作品だが、その方面にはまったく疎い私でも分かりやすく、興味を持って物語を読み進めることができた。 「ギャラリーフェイク」を読んで楽しむことができるならば、充分だ。 プロット自体は取り立てて奇抜ということはなく、いろんな意味で読み手の想像を遥か超える、というようなことはないが、作中作を上手く活かしている点、本編となる長い回想をプロローグ&エピローグ的な現在のシーンで挟んでいる構成などがよく効いている。 登場人物も少数ながら、だからこそリーダビリティー向上にそれが一役買っているのかも。 映像化にも向いているだろう。 長編といえど決して長い小説には非ず、もう少し各所に肉をつけて膨らませてもいけたんじゃないか、そんなヴァージョンも読んでみたかったなあ、なんて思わせるような作品だった。

Posted byブクログ