完全なる首長竜の日 の商品レビュー
話の核心というかトリック自体は序盤で薄々察せられてしまって(この題材ながら伏線は割と丁寧に張ってあるのだ)、終盤の展開自体は特段驚きもなく受け入れられた。 言及しておきたいのはむしろ文章構成の方で、主人公が現実と虚構を行き来するうちに、読者もまた今自分が読んでいる場面が作中におけ...
話の核心というかトリック自体は序盤で薄々察せられてしまって(この題材ながら伏線は割と丁寧に張ってあるのだ)、終盤の展開自体は特段驚きもなく受け入れられた。 言及しておきたいのはむしろ文章構成の方で、主人公が現実と虚構を行き来するうちに、読者もまた今自分が読んでいる場面が作中における現実なのか虚構なのかが主人公同様混乱するように、複雑に各節が編まれている。それでいて話の筋自体は矛盾なくすっきりと通っているので、根本の着想自体は真新しくもないように感じられるのに、何故か飽きない文章となっていた。著者の構成力。
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「このミス大賞」シリーズ 植物状態になった人間と、医療器具を使って 意識をコミュニケートできる。 自殺未遂で昏睡状態になった弟と 意識交流を繰り返す姉。 次第に現実と意識の中の世界との境があいまいになってゆく そして明かされる事実 その先・・・ 自分は本当に生きているのか ...
「このミス大賞」シリーズ 植物状態になった人間と、医療器具を使って 意識をコミュニケートできる。 自殺未遂で昏睡状態になった弟と 意識交流を繰り返す姉。 次第に現実と意識の中の世界との境があいまいになってゆく そして明かされる事実 その先・・・ 自分は本当に生きているのか 今自分が送っている生活は本当なのか 考え出すと怖くなります
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本作は第9回「このミス」大賞受賞、この世界は仮想現実である10の証拠とか、YouTubeで丁度見てて、この小説のテーマと合致しているので驚いた。昔から、SF小説では何度もこのテーマは取り上げられているらしい、昨今はアカデミックな研究機関で仮想現実論なるものを提唱する人たちが増え...
本作は第9回「このミス」大賞受賞、この世界は仮想現実である10の証拠とか、YouTubeで丁度見てて、この小説のテーマと合致しているので驚いた。昔から、SF小説では何度もこのテーマは取り上げられているらしい、昨今はアカデミックな研究機関で仮想現実論なるものを提唱する人たちが増えたってことなのかもしれない。あと「記憶が人間に意識があると錯覚させている」とか・・・知らなくてもよい事を知る苦悩ってある(笑
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このミス大賞だったし、友人の勧めもあって読んでみました。私には、センシングが上手く受け入れられず…最後まで「ん?」って感じでした。 今のところ再読はないかなーとは思っていますが、モヤモヤしたままも嫌なので。いつか再読しようかな…いつか。
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うーん、まあ、大賞取ったというぐらいだし、優れた作品だとは思うけど、残念ながら私は半分ほど読んだところでこれがどういう物語なのかがあらかた予想できてしまい、さらにまた少し読んだところでその予想が当たってしまって、そこからは惰性になってしまった... 「アルジャーノンに花束を」と...
うーん、まあ、大賞取ったというぐらいだし、優れた作品だとは思うけど、残念ながら私は半分ほど読んだところでこれがどういう物語なのかがあらかた予想できてしまい、さらにまた少し読んだところでその予想が当たってしまって、そこからは惰性になってしまった... 「アルジャーノンに花束を」とか、筒井康隆氏の「ロートレック荘殺人事件」とかも思い出すけど、昔SFとかさんざん読みまくったせいで、こういう小説はもう素直に楽しめないのかも知れない...
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キーとなる "赤い布を付けた竹竿" の散りばめ方と "謎" の散りばめ方が上手い。 現実の曖昧さ、"胡蝶の夢"感がよく伝わってくる。 作品は良く入り込めたが、ただ、帯でネタバレをしているのが、大きな欠点......
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余り読後感のよい作品ではないが、情景描写やエピソードなどにリアリティもあって、まずまず楽しく読めた。 バランスの良い作品という印象。 時間空間が交錯するので、苦手な人はちょっとわかりにくいかも。
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昏睡状態の患者と会話できる機械って設定でSFっぽいが、そこが主たるテーマにならず、現実と非現実の曖昧さが常に描かれる。とても妙な気分になる。 ラストがそれほど意外なわけでもないが、それなりには楽しめた。ただ、読み直して確かめたいという気持ちにはなれない。
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2016/06/22 小岩のサイゼリヤで読み終わった。全会一致で大賞だったそうだ。なるほど。俺が読む前に読んでいた人が、「オチが語りかけてくる」と言っていたが、的確だと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何度も繰り替えされる現実と夢のシンクロ。現実よりリアルな夢は「草の根ネット」の住人のように一人で作り出したものなのか。それとも自ら命を絶とうとしたこのの罰なのか。バナナフィッシュに出てくるシーモアは本当に現実かどうかを確認したくて引き金を引いたとある。淳美の最後も、現実かどうかをたしかめたかったのか、それとも現実ではないことを悟った上での絶望からなのか。あるいは土足で入り込んでくる武本からのセンシングを拒絶するためなのか。この武本という存在は、実は読者そのものなのかもしれない。
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