完全なる首長竜の日 の商品レビュー
「胡蝶の夢」をモチーフとして淡々とした文章で書かれた、第9回「このミス」大賞受賞作。 「SCインターフェース」という機械によって、植物状態になった弟とコミュニケーションを取る漫画家の淳美の周りで、徐々に不可解な現象が起こる。 果たしてどこまでが夢でどこからが現実か……というお話...
「胡蝶の夢」をモチーフとして淡々とした文章で書かれた、第9回「このミス」大賞受賞作。 「SCインターフェース」という機械によって、植物状態になった弟とコミュニケーションを取る漫画家の淳美の周りで、徐々に不可解な現象が起こる。 果たしてどこまでが夢でどこからが現実か……というお話。 文章のシンプルさ、内面描写の乏しさ故、主人公に感情移入できなかった。 そのため、結末も何となくわかってしまうし、終盤のネタばらしやアナグラムも冷ややかに読めてしまいちょっと残念。 「胡蝶の夢」をモデルにしたものにはフィリップ・K・ディックの『ユービック』や『時は乱れて』、映画なら『マトリックス』や『トゥルーマンショー』『パプリカ』などがあるが、これらと比べても特に新鮮味のあるものでは無かった。 また、この作品は、ディカプリオ主演の映画『インセプション』よりも前に同じテーマで書かれた点を宣伝文句として謳っている。小説と映画を比べるのはナンセンスだと思うが、『インセプション』に及ぶような作品ではなかったというのが私見である。 近年の「このミス」大賞は、映像化前提の作品ばかりで、小説として面白い!と感じるものが少ない印象を受けるのが残念。中山七里の『さよならドビュッシー』しかり。
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このミステリーは、すごいです。現実ともう一つの世界との区別が全く分からなくなります。混乱させられつつも、ヒロインの状況が徐々に分かってくるのでその謎に強く惹きつけられます。信じていた世界が崩されたときは、背筋がぞくぞくしました。全体像を掴もうと普段使わない分野の頭を使ったため、読...
このミステリーは、すごいです。現実ともう一つの世界との区別が全く分からなくなります。混乱させられつつも、ヒロインの状況が徐々に分かってくるのでその謎に強く惹きつけられます。信じていた世界が崩されたときは、背筋がぞくぞくしました。全体像を掴もうと普段使わない分野の頭を使ったため、読後は軽く放心状態に。読みごたえのある作品です。
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夢と現実の境界線がテーマのファンタジー。 文庫化されたので購入しました。このミス大賞を受賞しただけあって、購入してから二日で気付くと読み終わっていたくらいリーダビリティが高いです。が、ミステリーでは無い気がします。 派手なアクションも、ジェットコースターのような急展開やどんでん返...
夢と現実の境界線がテーマのファンタジー。 文庫化されたので購入しました。このミス大賞を受賞しただけあって、購入してから二日で気付くと読み終わっていたくらいリーダビリティが高いです。が、ミステリーでは無い気がします。 派手なアクションも、ジェットコースターのような急展開やどんでん返しも無いけど、中々面白かったです。 あとがきにあるように、ユービックの設定やディックの影響を感じ取られ、ディック好きな私には合いました。
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物語には章が変わるとき「その頃」とか「別の人物視点から見る」など 場所や時間での出来事かぽんぽん変わりながら進む物と、話がつづらおりみたいに進む物とか、時系列がばらばらの伏線で繋がって読んでいくと見えてくる物とかありますよね。これは話がつづら折りになってるタイプ。実は私はそういう...
物語には章が変わるとき「その頃」とか「別の人物視点から見る」など 場所や時間での出来事かぽんぽん変わりながら進む物と、話がつづらおりみたいに進む物とか、時系列がばらばらの伏線で繋がって読んでいくと見えてくる物とかありますよね。これは話がつづら折りになってるタイプ。実は私はそういうのがどうも苦手なのでうーーんという感じ。それでも投げ出さず最後まで読めたのでそれなりに楽しめたということなのかもしれませんが。 最後はどんでん返しを狙ったのかなって気もしますがやられたー!と唸るよりプスプスもやって終わった感じでした。
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ミステリーとして読むと期待外れだが、ストーリーは面白い。というか、怖い。舞台がどんどん変わっていき、その展開の急さが、主人公の不安定な心情と読者の心情をリンクさせる。 オチはきちんとついていたが、後味がわるい。でも、これは好みの問題かな?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「このミス」の大賞となったと聞いて、ふむふむ、いったいどんな 作品なんだと調べた時に、内容よりも「劇作家」という文字が 私を惹きつけたのを覚えている。 だからなんだと言われれば特に・・・なのであるが、気になる。 一体どんな作品になるのか。 完全に演劇とは切り離した書き方なのか、それともどこか 演劇らしさ出身らしさというものが残っているのか・・・。 読み進めながらぞわぞわ感じる空気というのが凄い。 医療的な単語も出てくるが、それを何となくイメージとしてつかませ、 それを気にさせない描写がいい。 そういう単語があったことすら忘れさせられてしまう描写、 そこに現実があるというような。 私だけなのかもしれないが、ひどく映像としてそのシーンが浮かんでくる。 色も景色も鮮明であり、特に波に飲まれる繰り返し出てくるシーンが 強烈に残る。色、景色、匂い、手触り、光、そういう生々しさすらある 描写がところどころにふわっとちりばめられている。 そして、現実の空気から徐々に曖昧になっていく境界線が凄くいい。 何となくそうなっていくのではなく、確実に世界、文章に引っ張られて 溶けさせられている。 自分でも「あぁ、これは曖昧な境界線に今つれて来られている。 徐々に空気が濁って来ている。」そんなことを実感させられるのだ。 その辺り、繰り返される「胡蝶の夢」の構成は個人的には凄く 演劇的だと思った。実際上演された作品がベースになっている ということだが、更にこの小説から舞台にもう一度焼きなおしすれば また違う感覚で見られるのではないだろうか。 (ダイジェストの映像を見たが、より抽象的にこの小説の空気を 加えていけばさらに曖昧な境界線の空気をもった作品になるのでは ないだとうかと思った。というか、再演して欲しいし見たい。) 1冊丸々が綺麗に整えられた発酵中のパン生地のような感じで まとまりのある空気がして面白かった。
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カルデロンの人生は夢、とかシェイクスピアとか、、、古典の演劇みたいな感じで面白かった。舞台はSF的な日本で。
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映画「シックスセンス」を一度観てしまうと、この手のオチは早々に分かってしまうのが惜しい。分かってしまうのだけれど、最後まで読ませる手練はなかなかのものである。と、そういうことでしょうか。
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2012/1/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2012/5/7~5/8 第九回このミス大賞受賞作。審査員全員一致で選ばれたのは、チームバチスタ以来、との帯の文句に期待したが… 確かに面白いことは面白い。しかし、この展開は何と言えば良いのだろうか。既読感があるんだよなあ...
2012/1/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2012/5/7~5/8 第九回このミス大賞受賞作。審査員全員一致で選ばれたのは、チームバチスタ以来、との帯の文句に期待したが… 確かに面白いことは面白い。しかし、この展開は何と言えば良いのだろうか。既読感があるんだよなあ。
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