完全なる首長竜の日 の商品レビュー
この本も東京の景色とともに記憶されている本。2013年に読んだ本は、やけにどれも鮮明に覚えている。 佐藤健・綾瀬はるか主演で映画化されたときにあわせて読んだ本。乾緑郎の本ははじめてだったが、海外文学を意識している?ような文体に惹き込まれた。 途中から鮮やかにひっくり返る衝撃。...
この本も東京の景色とともに記憶されている本。2013年に読んだ本は、やけにどれも鮮明に覚えている。 佐藤健・綾瀬はるか主演で映画化されたときにあわせて読んだ本。乾緑郎の本ははじめてだったが、海外文学を意識している?ような文体に惹き込まれた。 途中から鮮やかにひっくり返る衝撃。こんな風なミステリの見せ方もあるのかと驚いた。よくわからないまま展開が進み、突然日常が破壊される感覚はホラーとどちらかというと近い。 作中に出てくるサリンジャーの本を読みたいなと思っていたら、あっという間に5年経ってしまった。胡蝶の夢のごとく夢と現実の境目は実は曖昧なので、その境目がぼやけてくる前に、やりたいことはやらねばもったいないと思う。
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とても静かな印象を受けた。静かな感じで始まり、中盤も大きな音も立てず、最後も静かに結ぶような・・・。現実世界と昏睡状態の人の意識の中での物語りであるが、作品中にあるような『胡蝶の夢』のような感覚に襲われて少々混乱気味で読みました。 先に『大賞を取った作品』と無意識にハードルを上げ...
とても静かな印象を受けた。静かな感じで始まり、中盤も大きな音も立てず、最後も静かに結ぶような・・・。現実世界と昏睡状態の人の意識の中での物語りであるが、作品中にあるような『胡蝶の夢』のような感覚に襲われて少々混乱気味で読みました。 先に『大賞を取った作品』と無意識にハードルを上げすぎたのとタイトルから想像したような物語でなかったことで、読了後は疲れだけが残った。
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主人公は人気少女漫画家の和淳美。どの辺がミステリ(謎)なのか分からないままに読み進み、どちらかと言うとホラーな雰囲気になっていく(おどろおどろしい系ではないが主人公の身に起こることが心理的にホラーな感じ)。最後まで読み切っても、これはミステリなのか?と思うけれど、惹き込まれ、引っ...
主人公は人気少女漫画家の和淳美。どの辺がミステリ(謎)なのか分からないままに読み進み、どちらかと言うとホラーな雰囲気になっていく(おどろおどろしい系ではないが主人公の身に起こることが心理的にホラーな感じ)。最後まで読み切っても、これはミステリなのか?と思うけれど、惹き込まれ、引っ張られるのは事実だし、様々な「ホラー」も解消されていくのは、やはりミステリなのかもしれない。ただし、最後の場面で読後まで大いに引っ張られるが。。
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ある程度ミステリやSFに親しんでいる人であれば、全体の流れと結末は予想できてしまうかもしれない。けれど、それでも読ませるところが筆力だと思う。現実の自分の立ち位置も頼りなく感じてきて、少し眩暈がした。
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「完全なる首長竜の日」 乾緑郎 ★★☆☆☆ すごくモノクロのイメージの作品です。 世界に色が無いような気がしてきます。不思議。 ある程度、オチが想像できます。そしてその通りでした。もうひとひねり欲しいね。 映像化されたら、けっこうキツイかと思ったら、wikiを見たら映画化されて...
「完全なる首長竜の日」 乾緑郎 ★★☆☆☆ すごくモノクロのイメージの作品です。 世界に色が無いような気がしてきます。不思議。 ある程度、オチが想像できます。そしてその通りでした。もうひとひねり欲しいね。 映像化されたら、けっこうキツイかと思ったら、wikiを見たら映画化されていると。。でも書籍とは全然内容がちがうって! まぁ書籍のままじゃ地味すぎて無理だよね。『インセプション』を地味にした感じ。 #引用 ・人の死とは、その人を覚えている人が誰もいなくなった時に完成するのだ。
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最初から違和感を感じて読んでいたけど、 やっぱりそうだったかと何となくは先が読めるけど 最後の展開はそこまでか!!って感じ笑 よく分からない感想になっちゃったけど 簡単に書くと簡単にネタバレになってしまう内容なので・・・。 読みやすく面白かった。 映画化もされていて、佐藤健と綾瀬はるかが主演らしい。
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これ、凄いな... コーマワーク。植物状態の意識昏睡者との意思疎通を図る施術を題材にした一冊。 そこに患者、伝達側にもSCインターフェースという医療器具を用い、頭皮から頭蓋骨までの僅かな間に針を差し込み微弱の電流を流しながら、意識に入り込んで行く。 SFものではないが、S...
これ、凄いな... コーマワーク。植物状態の意識昏睡者との意思疎通を図る施術を題材にした一冊。 そこに患者、伝達側にもSCインターフェースという医療器具を用い、頭皮から頭蓋骨までの僅かな間に針を差し込み微弱の電流を流しながら、意識に入り込んで行く。 SFものではないが、SCインターフェースなるものが本当に存在するのかと思ってwikiってしまったくらいだ。読者を取り込む筆力が物凄い。 読み始めは、文体も小学生の作文みたいで抑揚のない随分と単調でつまらない駄作なのか...と思っていたが、読み進めると圧巻。イデア論とか二元論的展開だな。 久しぶりに、感動とか楽しさではなく、その技術に感嘆した一冊でした。
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2017/10/16 海、砂浜、青酸カリ、赤い旗、お爺さん、打ち切り、アシスタント、編集、首長竜、弟の自殺、拳銃、サリンジャー 何度もリフレインされる過去たち 夢なのか現実なのかわからなくなる 患者は誰だ
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友人から借りた本は第9回このミスの大賞作品でした。 小さい頃、自分が今ここに居ることとかが嘘だったらどうしよう。自分が存在してることが本当なんて、誰が分かるのだろう、自分は本当に生きてるのかなぁ? なんてよく思ってたなぁと思い出しました。 どこまでいっても本当なんて存在...
友人から借りた本は第9回このミスの大賞作品でした。 小さい頃、自分が今ここに居ることとかが嘘だったらどうしよう。自分が存在してることが本当なんて、誰が分かるのだろう、自分は本当に生きてるのかなぁ? なんてよく思ってたなぁと思い出しました。 どこまでいっても本当なんて存在しなかったりして。
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『このミス』大賞、そして綾瀬はるか主演で映画化。原作を読みたくさせる要素は完璧。残念ながら地元シネコンでは本作は掛からず、先入観なしに読むことができた。淳美の語りを柱として進行する物語は、夢から現実、そしてまた夢とシームレスにつながり、ラストは淳美の覚醒となる? 本当の結末はまる...
『このミス』大賞、そして綾瀬はるか主演で映画化。原作を読みたくさせる要素は完璧。残念ながら地元シネコンでは本作は掛からず、先入観なしに読むことができた。淳美の語りを柱として進行する物語は、夢から現実、そしてまた夢とシームレスにつながり、ラストは淳美の覚醒となる? 本当の結末はまるで読者を夢の続きへ誘うように終わった。総合的には可もなく不可もない作品という印象だけが残った。
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