完全なる首長竜の日 の商品レビュー
胡蝶の夢、サリンジャーのバナナフィッシュをチラつかせて夢か現実かという印象を読者に与える。 そして主人公、読者ともに(もしかして…)と思わせていく。 流れとしてはもしかしたらn番煎じなのかもしれないが、そこにどれだけの物語性や納得感を持たせていくかという点において作者の筆力の高さ...
胡蝶の夢、サリンジャーのバナナフィッシュをチラつかせて夢か現実かという印象を読者に与える。 そして主人公、読者ともに(もしかして…)と思わせていく。 流れとしてはもしかしたらn番煎じなのかもしれないが、そこにどれだけの物語性や納得感を持たせていくかという点において作者の筆力の高さが伺えた。 前半までのどこかで、敦美が自身の漫画を「杉山さんとの子どものようなもの」と表現しており、そこで別の(もしかしたら…)が自分の中で湧き上がった。そういうチラつかせ方も上手いなぁと感じた。 次はサリンジャーを読もうかな。 この原作を読んでしまうと、11年前の実写映画の鑑賞を躊躇する。映画では敦美と浩一が恋人同士になっているし色々違うみたいだから…。
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植物状態の患者とコミュニケーションが取れる医療機器が開発された。漫画家の主人公は自殺未遂をした弟と機器を通して会話をする。夢と現実を行ったり来たりしながら、真実に近づいていく。 夢と現実が交錯して堺が曖昧になっていく不思議な感覚が味わえる話。我々が生きているこの世界も現実で...
植物状態の患者とコミュニケーションが取れる医療機器が開発された。漫画家の主人公は自殺未遂をした弟と機器を通して会話をする。夢と現実を行ったり来たりしながら、真実に近づいていく。 夢と現実が交錯して堺が曖昧になっていく不思議な感覚が味わえる話。我々が生きているこの世界も現実であるとは言いきれない。もし鮮明な夢だとしたならば...。と考えずにはいられない物語。
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雰囲気がよく、面白かった。 意識不明の人の精神に入るという設定もめっちゃ好みで、読後感もかなり良かった。 序盤から弟くんが死んでることにはうすうす気づいていた。岬さんと木内くんが出てきたところで、主人公が夢の中にいると予想。珍しくアナグラムにすぐ気づいたから、嬉しかった。
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不思議な読後感。 ミステリというよりはSF小説だと思う。 SCインターフェースという架空の医療機械を通して夢と現実を行き来する。 日常がいきなりグニャと非現実に変わる場面が何度もあるが村上春樹のような感覚。 もう少し物語のスケールが大きければもっと面白かった気がするのだが、設定や...
不思議な読後感。 ミステリというよりはSF小説だと思う。 SCインターフェースという架空の医療機械を通して夢と現実を行き来する。 日常がいきなりグニャと非現実に変わる場面が何度もあるが村上春樹のような感覚。 もう少し物語のスケールが大きければもっと面白かった気がするのだが、設定やアイデアなどがとても新鮮で新しい読書体験ができた。
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SFミステリー初めて読んだな。 現実と夢、過去と未来の描写が目まぐるしく入れ替わり読みながら混乱したが、ラストにかけての回収でなるほどーってなる感じ。 面白い作品だった
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久しぶりに一気読みしました。気になってほんとに止まらない。色んな布石が繊細でリアルで(でもほんとのrealではなくて)…ナッツのように後引く話でした笑 そして最後がまた…終わり方が良いですコレは大賞とりますね。ぜひ読んでいただきたい作品です。メチャクチャ面白かった。
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植物状態になった患者と、意思疎通ができる医療器具が発明された世界。少女漫画家の和淳美は、自殺未遂を起こした弟と意思疎通をはかる。 現実の世界と精神世界が交互に混じり合い、双方を行き来する、不思議な世界観。SFミステリというのだろうか、初めて読む読み味の作品。しかし、この世界観と文...
植物状態になった患者と、意思疎通ができる医療器具が発明された世界。少女漫画家の和淳美は、自殺未遂を起こした弟と意思疎通をはかる。 現実の世界と精神世界が交互に混じり合い、双方を行き来する、不思議な世界観。SFミステリというのだろうか、初めて読む読み味の作品。しかし、この世界観と文章に惹き込まれた。とても、面白かった。 完全にタイトルで購入したけど、当たりだった。
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【2023年7冊目】 物語の中にゆるゆると絡み取られました。どこまでが夢で、どこまでが現実なのか。覚めたと思った途端にまた夢に陥っている。今この感想を書いている私は現実にいるのだろうか、それとも。 現実だと思っていた世界から徐々に夢と現実の狭間に陥っていき、最後ははっと息を呑む終わり方でした。
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理解していくのに必死だった。 夢の世界、記憶の世界、現実の世界。 どこからどこまでがどの世界なのか。 人の脳とリンクできるようになって、それを記録できるようになったなら、それは面白いことかも知れない。 アナグラム、好きです。
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どこからが現実で、どこまでが夢なのか。度々取り上げられるテーマなので、作者の力が試される。 ラストに至るまで特に驚きが感じられず、淡々と進んでいく印象を持った。
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