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曾根崎心中 の商品レビュー

3.9

138件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    36

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2021/09/18

おもしろい。角田光代さん…すごいと思いました。 特にラストシーン。 ふと徳兵衛に対して疑念が生まれる。 くるおしく恋しいこの男のことを、じつは、何ひとつ知らないのではないかと初はふいに思う。 そこから全てを受け入れ死までのシーンは圧巻でした。 お玉姐さんは、わたしたちは...

おもしろい。角田光代さん…すごいと思いました。 特にラストシーン。 ふと徳兵衛に対して疑念が生まれる。 くるおしく恋しいこの男のことを、じつは、何ひとつ知らないのではないかと初はふいに思う。 そこから全てを受け入れ死までのシーンは圧巻でした。 お玉姐さんは、わたしたちは何度も生まれ変わると言った。 島姐さんは、今世は一度きりと言った。 いったいどっちが本当だろう。 いや、どちらでも、おんなじことではないかしら。

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2021/04/27

曽根崎心中は歌舞伎で心中を決意するシーンが見所で演技だからこその魅力があるけれど、この本はほんとに良く文字で表現できてるなと感じました。 途中、腹立たしくも悲しい話ですが何度も読みたくなる話。 ジャケット最高すぎます。

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2021/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

正直、この本を読む前は「遊郭に来るような男と心中するなんてバカじゃないの?」くらいの感覚しか無かったですが、角田光代さんの文章がとにかく秀逸!読んでみたら思いのほか面白くて一気に読み終えました☆ 古傷を見せた時の話とか、「いろいろ思うところはあるけどやっぱり私はこの人と心中したい」という結論に至るまでの初の心理的描写が秀逸で、悲しいラストではあるんだけどある意味ハッピーエンドな感じもしたりして不思議な読後感を感じられる本でした☆ それと、もう一つ印象に残っているのが、「今の好きな気持ちが一年後には笑い話になっているかもしれない」という自分がくっきりと鮮やかに思い描けている客観性を持てているにも関わらず、逆にそうなってしまう事に対して嫌だと感じる場面。自分の事しか考えない身勝手な行動をする人は嫌いですが、損得勘定を抜きにして自分の感情に対して素直に向き合う事が出来るってホント素敵だなと思いました♪文楽や歌舞伎で曽根崎心中を観た事がある人も含め、おススメ出来る一冊だと思います☆

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2021/02/18

たぶん2021年まだ始まったばかりだが 20冊くらいしか読んでないが、 自分の中で記憶になる 一番の作品だとおもう。 もちろん近松浄瑠璃、チラチラ見聞きし、歌舞伎でも、演目をわざわざ観たかもしれないし、大体のことはわかる。絵も浮かぶ しかし、しかし角田光代先生「ここはあえて」...

たぶん2021年まだ始まったばかりだが 20冊くらいしか読んでないが、 自分の中で記憶になる 一番の作品だとおもう。 もちろん近松浄瑠璃、チラチラ見聞きし、歌舞伎でも、演目をわざわざ観たかもしれないし、大体のことはわかる。絵も浮かぶ しかし、しかし角田光代先生「ここはあえて」にかかるとこうなる。もちろん大好きな作家、 一言で言えば手代が新地の女に入れあげ 恩ある人に不義理をして事を起こし「?」挙げ句の果ては心中するみたいな話。 別に今世の中で起こっているのなら、哀れとはおもうけど肯定はしない。 しかししかしー 一気に読んでしまった。 はじめから終わりまで泣くというより涙が自然と出てくる 哀れで因果で。、業が深くて、言葉にすれば皆違う 陳腐で、 こんな時自分の語彙の貧困に居た堪れない。 近松天才。 もう角田光代ー天才。 近松作品を現代によみがえらせた。 絶対角田源氏を読む。 美しい、綺麗な音楽「なんでもいい、管弦楽、ピアノ協奏曲、宮本浩次、ヒゲダン、笑、まあ個人的主観はさておいて 遣り手 身揚り 間夫 紋日 棒手振り 禿など注釈がついているのは、薄織の身にはありがたかった。 本文より〜 さみしいつらいと思ったことはなかった。 さみしくないときもつらくないときもなかったから。 さみしいと思う人は、つらいと思う人はしあわせなんだと、だから思う。つらくないときを知っているってことなんだから わてはな、初。お前に会うて、知ってしもうたんや。さみしいとゆうことも、つらいゆうことも。それからこわいゆうことも。 と徳兵衛は泣く。 徳兵衛と初哀れ。

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2021/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大坂堂島新地の天満屋の遊女・初(21歳)が運命の人と出会う。初は姐さんから、男性相手とは恋してはいけないと言われてはいたが、奇麗な顔をした醤油屋の手代である徳兵衛(25歳)に恋をする。激しく、燃えるような恋であった。この徳兵衛が、どうしても金が要るという友人の九平次に3日限りの約束でその金を貸してしまった。九平次の詐欺行為により徳兵衛が窮地になり、初とともに曾根崎の森で短刀による心中を果たす。初の視線から見た徳兵衛への愛おしい心情、遊女の切なさ、強さ、弱さを角田さんは忌憚なく鋭く抉った作品だった。

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2020/09/25

角田光代さんにかかると近松門左衛門が、女性でないことがはっきりとわかるなあ。今なら角田光代バージョンの方が良いのかな。

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2020/09/04

あまりにも有名すぎる冒頭の一文、何度も声に出して読みたくなります。どんどん深みにはまってどっぷり読んでしまった。

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2020/08/10

お初目線で進む物語。 お初の人生を追っていくかのような内容で、苦界で生きる女達の姿と心を強く描いていて引き込まれる。 なので、心中へ転がっていく展開は、唐突でちょっと違和感を感じるぐらいだ。 最後の最後に、徳兵衛を疑ってしまう冷静な心がありながら、それはどちらでも同じだと納得して...

お初目線で進む物語。 お初の人生を追っていくかのような内容で、苦界で生きる女達の姿と心を強く描いていて引き込まれる。 なので、心中へ転がっていく展開は、唐突でちょっと違和感を感じるぐらいだ。 最後の最後に、徳兵衛を疑ってしまう冷静な心がありながら、それはどちらでも同じだと納得してしまうお初の情にぞっとする。心中するとはこういうことなのか。 恋は美しいが、業が深い。 原作は戯曲だから、心情は見る者が想像するもののはず。つまりこれは、著者が創造したお初の心なのだろう。 徳兵衛側からの物語も読んでみたい。

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2020/02/28

面白いのかなぁと思って読みはじめたけど、結果面白かった。 最後の気持ちの揺れ方が、しんみり。 歌舞伎で見てみたい。歌舞伎デビューしたい。

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2018/10/08

57:原本を知らないまま、角田さんがリライトされたとのことで読んでみたのですが、ラストがすごく意味深で、慌ててウィキペディアを調べに行ってしまいました(笑) 江戸時代の作品で、しかも小説じゃないし作者は男性なのに、角田さんが書かれるとこんなにも艶っぽく、(現代的な)女性らしさにあ...

57:原本を知らないまま、角田さんがリライトされたとのことで読んでみたのですが、ラストがすごく意味深で、慌ててウィキペディアを調べに行ってしまいました(笑) 江戸時代の作品で、しかも小説じゃないし作者は男性なのに、角田さんが書かれるとこんなにも艶っぽく、(現代的な)女性らしさにあふれたものになるんだなー、とウィキペと見比べながら感激。

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