曾根崎心中 の商品レビュー
角田さんの文章は女性の心理を表現するのがとても上手く、初に感情移入してしまう。初の純愛が素晴らしい。初目線なので真相はわからないまま。
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近松原作を初の心情に沿って、これが恋かと思い、恋に生きようとし、追いつめられて、来世のめぐり合いに託す。 角田解釈だが、深まりがある。
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知ってしまえば辛いのに、知る前の人生には戻りたくない。 堂島新地の女たちはみんな同じ気持ちだったと思う。 どんなに辛くても、好きな人がいる生活はなにものにも変え難い。好きな人を想って苦しくても、好きな人への想いなら苦しくてもいい。 初の真っ直ぐな恋心に胸がずっと締め付けられるよう...
知ってしまえば辛いのに、知る前の人生には戻りたくない。 堂島新地の女たちはみんな同じ気持ちだったと思う。 どんなに辛くても、好きな人がいる生活はなにものにも変え難い。好きな人を想って苦しくても、好きな人への想いなら苦しくてもいい。 初の真っ直ぐな恋心に胸がずっと締め付けられるようだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とても有名な話を翻案したもの。原典は知らないけれど、まずは読みやすいものからということで、手に取った。 タイトルにある通り心中ものではあるのだが、江戸時代の遊女であるお初視点で進み、その心理描写が感傷的で、読みながら日頃抑えている感情的な部分が解放される感じが良かった。いや、別に心中するつもりはないが。 ただ一つ気になるのは、徳兵衛は最後お初の後を追うことができたのかということ。個人的には追いきれなかったと思う…。
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三浦しをんや他の人が訳した曽根崎心中を読んだときは「近松門左衛門はこの世の地獄を描き出す天才だな。今の時代にいたらイヤミスとかドロドロの愛憎劇を書いただろうなー」と思ったけど、この曽根崎心中は全然違う。 主人公初の視点から徳兵衛と心中するまでを描いていた小説。新地の中の人たちの...
三浦しをんや他の人が訳した曽根崎心中を読んだときは「近松門左衛門はこの世の地獄を描き出す天才だな。今の時代にいたらイヤミスとかドロドロの愛憎劇を書いただろうなー」と思ったけど、この曽根崎心中は全然違う。 主人公初の視点から徳兵衛と心中するまでを描いていた小説。新地の中の人たちの生き方、恋愛観などが細やかに書かれ、自分もなんだか汗や白粉の匂い、柔らかくて温かい人びとの感触まで知っているかのような気になりながら読んだ。それだけに、徳兵衛とのどうしようもない恋も、初にとっては幸せだったのだと素直に思えた。運命だと信じられる恋に喜ぶ二人にとって、心中はひとつの解決策となってしまう。 恋に振り回されて死んでいった姐さんたちの魂が、森の奥に二人を誘うのも、追い詰められた二人が、お互いを最後まで手放さないですむように働きかける協力的な存在になる。心中直前の若い二人を死へと誘う魂……というと普通「よくないもの」だが、初たちの視点からだと、自分たちの味方であり「よきもの」になるのが興味深い。 近松門左衛門の「この世のなごり……」の場面の美しさは折り紙つきだけど、それを角田さんが描くと、いよいよ人生最後の景色がきれいできれいで切なくてたまらない。300年経っても、ままならなさの中で二人の恋が見せる景色の美しさは普遍なんだ、と感じた。
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知らなければよかったことだった。 けれど知らないまま年老いて死んでいたらと思うと ぞっとすることでもあった。 恋とは。
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元々嫌いな話だけど、角田光代さんが書かれたらどうなるんだろうと思って読んだ。 分かりやすくて当時の様子がイメージしやすくて、世界観にハマってしまった。
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一気に読んでしまったー。 近松門左衛門の人形浄瑠璃、曽根崎心中がベース。 歌舞伎とか見たことないので、実際の話がどんなもんか 分かってないけど、きっと昔の人も私みたいに のめり込んでしまったんだろうなぁーって思えたよ。 遊女のお初と、醤油屋の手代の徳兵衛の恋物語。 お初目線で話...
一気に読んでしまったー。 近松門左衛門の人形浄瑠璃、曽根崎心中がベース。 歌舞伎とか見たことないので、実際の話がどんなもんか 分かってないけど、きっと昔の人も私みたいに のめり込んでしまったんだろうなぁーって思えたよ。 遊女のお初と、醤油屋の手代の徳兵衛の恋物語。 お初目線で話は進んでいく。 恋を知らなかった初は、徳さまと出会い、本当の恋を 知ってしまう。 徳さまと出会ってからは、先輩姐さんたちの様子も 「恋」が関わっていたことを知り、 徳さまのことを考えながら必死に生きていく。 でも、徳さまが友人に騙されてしまい、もうどうすることも できなくなり、初と共に来世への希望を抱く。 初の遊女としての気持ち、徳兵衛への恋、 でも、心中間際に徳兵衛への疑問を抱いたりと、 気持ちがすごく伝わってきたよー。 この話を初めて知った人たちは、きっと衝撃的だったん だろぅなぁー。 近松門左衛門が有名なことが分かったよー笑
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これはすごい。 めちゃくちゃうまい。 原作をよく知らんので、どれだけ忠実か分からないのだけれど、人形浄瑠璃ではこれだけの心理描写は絶対にないだろうと思う。 初の苦悩、苦労、恋心がありありと、イメージしやすく描かれている。 今となっては私は恋愛から遠ざかっているけれど、 10代2...
これはすごい。 めちゃくちゃうまい。 原作をよく知らんので、どれだけ忠実か分からないのだけれど、人形浄瑠璃ではこれだけの心理描写は絶対にないだろうと思う。 初の苦悩、苦労、恋心がありありと、イメージしやすく描かれている。 今となっては私は恋愛から遠ざかっているけれど、 10代20代の頃は、確かに恋愛が全てだった。 ずっとその人のことを考えていたり、一喜一憂したり、とにかく感情を揺さぶるものは、恋だったと思う。 現代では男女の心中って少ないと思うし、親子の無理心中をたまにニュースで見かけるけれど、本当に気の毒だと思うし、どこか別の場所でやり直す方法があったのではないかと思ってしまう。 でも、やっぱり、渦中にいる人には、死ぬ選択しかなくなってしまうのだろうか。 死ぬって、そう簡単にはできないけど、救いを求める方法としては、すぐ思いついてしまう手段よね。 私自身もそうだけど、先般読んだ「オーダーメイド殺人クラブ」が重なって。 生まれ変わって来世で会える、って考え、どうなんだろう。私は信じたことはない。けれど、信じてひたむきな姿は、美しいと思った。 「此の世のなごり。夜もなごり。死に行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜」 「未来成仏うたがひなき恋の手本となりにけり」 まとまらない文章でごめんなさい。
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私の中での角田さんNo. 1。 身勝手なんだけど ものすごいわかる。 物語に入り込むってこういうことだなと思った本。
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