曾根崎心中 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
近松門左右衛門の有名な作品。浄瑠璃から、現代では漫画にまで幅広くリメイクされてる。 角田光代氏のものは、初の心の描写がリアルで引き込まれていった。 「どう生きていこう。」周囲の先輩の姿を見て、自分はどう生きていきたいのか、悩み続けるが、徳兵衛との出会いが、自分の考え方を変え、決心をつかせた。その心の変化を、丁寧に紐解いていく。それがリアル。 女性は男性の影響を少なからず受けて、生きていくもの。 一度、運命だ!と思った女性は強いし、ぶれない。自分にとって、この存在は唯一無二だと気づいた瞬間、強くなれる。 竹を割ったようにスパッと判断していくのも、その決意があってのこと。 不安や疑問がよぎっても、女性の決意は揺るがない。
Posted by
角田光代さんの手にかかると、曽根崎心中もとても読みやすいものになる。 なんとなく、頭の中に「さくらん」の映像が浮かびながら読み進んだ。 いつの時代も、恋する気持ちは変わらないのね。
Posted by
すごく読みやすく、あっという間に読み終わる。 あらすじは大体知っていたので、結末がわかるんだけど お初の心情がとてもうまく伝わってきて、 どうにかハッピーエンドにならない ものだろうかと願いながら読んでしまった。 表紙と裏表紙のお初の顔がすごい、裏表紙に女の情念が 表れている気が...
すごく読みやすく、あっという間に読み終わる。 あらすじは大体知っていたので、結末がわかるんだけど お初の心情がとてもうまく伝わってきて、 どうにかハッピーエンドにならない ものだろうかと願いながら読んでしまった。 表紙と裏表紙のお初の顔がすごい、裏表紙に女の情念が 表れている気がする。のほほんと現代を生きている身としては どうもすみませんってあやまりたくなる顔。 内容的にこの量が最大限なんだろうけど、もっともっと 読んでいたかったので、★は3つ。 また読み返すかどうか、それもまた微妙かも。 遊女の物語を他にも読みたくなって色々探してみるも 探せなくて、とりあえず芸妓物の宮尾登美子の寒椿を 買って読んでみた。他にも探して読んでみたい。
Posted by
近松門左衛門作品の翻案。原作とは違いクライマックス直前で一度だけ揺れる初の心情の発露とその帰結、それから「この世のなごり、夜もなごり...」のくだりの訳が良かった。全体的に、悪い意味ではないけどやや拍子抜けするほど読みやすく仕上げられていると思う。
Posted by
角田さんに曾根崎心中の現代訳を書かせる企画を考えた人は天才だな! 角田さんにしか書けないお初徳兵衛の物語がここにあります。 恋心が死んでしまう前に、人の口に上る噂の中へ永遠を見出し旅立ってゆく、その死への道行がもうもう美しくて! 特に互いのくちびるをなぞるシーンは官能的で印...
角田さんに曾根崎心中の現代訳を書かせる企画を考えた人は天才だな! 角田さんにしか書けないお初徳兵衛の物語がここにあります。 恋心が死んでしまう前に、人の口に上る噂の中へ永遠を見出し旅立ってゆく、その死への道行がもうもう美しくて! 特に互いのくちびるをなぞるシーンは官能的で印象に残りました。 ワタクシ、学校の近松門左衛門のゼミで、ほとんど九平次ラブなレポート書いて出したことあったんですが(いや、原作読むと、彼も悪役として格好良いのよ?)、こちらの『曾根崎心中』読んでがらりと印象変わったかも。 お初の死よりも恋の終わりを恐れる気持ちに胸をしびれさせられた一冊でした。
Posted by
読みやすかった。 たぶん中学生でも読める。難しい言葉さえクリアできれば。 話の大筋がよくわかるから、人形浄瑠璃を見る前に予習として読むのもいいかもしれない。 ただ、偏りはあるのかも。 ちゃんと原作読みたいな。
Posted by
近松門左衛門による同名の古典を、現代語で書き直したもの。 古典×角田光代、読まないと! ということで、この本を知ってすぐ図書館で予約しました。 私の知識としては、なんとなく題名を聞いたことがあるのと、心中というのだから心中の話なんだろうなぁというくらい。 とても読みやすいで...
近松門左衛門による同名の古典を、現代語で書き直したもの。 古典×角田光代、読まないと! ということで、この本を知ってすぐ図書館で予約しました。 私の知識としては、なんとなく題名を聞いたことがあるのと、心中というのだから心中の話なんだろうなぁというくらい。 とても読みやすいです。 主人公、初の心情が丁寧に書かれている。さすがは角田さん。 好きな人を無条件に信じる気持ちや、疑う心。守ってあげなきゃと思う気持ち。 他の女性も何人か出てくるが、すべて、初からの目線でかかれている。 男の人は、まぁぱっとしない。徳兵衛さんの情けなさといったら。でも、好きになったのだから仕方ない。この人ほんとに死ぬことができたのだろうか。 恋する初に、1年たったら笑い話、10年たったら覚えてないわ、とおかみさんはいう。 そうだろう。そうであってくれないと困る。みんなそうなることを信じて、別れたり、あきらめたりするのだろう。そうして成長して生きていくと思う。死んじゃいけない。 でも憧れる。一番その人を好きで周りが見えなくなっている瞬間で、時間をとめてしまうということに。勘違いだらけでも、一番幸せなとき。 幸せな話じゃない。幸せな女性は一人も出てこない。 でも、こんな風になりたいと思ってしまう、そんなお話でした。
Posted by
2012/3/24 読了 300年前の名作が角田さんによって、イキイキと蘇りました。 文楽で観たときは、人形の美しさ、せつなさを感じただけでしたが、 角田さんが、お初の心情を細やかに綴っていったため、お初に感情移入し、自分ではありえない「心中」も自然に映りました。 自由がなかっ...
2012/3/24 読了 300年前の名作が角田さんによって、イキイキと蘇りました。 文楽で観たときは、人形の美しさ、せつなさを感じただけでしたが、 角田さんが、お初の心情を細やかに綴っていったため、お初に感情移入し、自分ではありえない「心中」も自然に映りました。 自由がなかっただけに、「恋」の盛り上がりも半端ではなく、読んでいても自分が悲恋をしているような気持ちになりました。
Posted by
大阪に出張するたび、曾根崎の地名を見ては曾根崎心中の話が気になって仕方なかったです。角田さんの翻案を読んですっきり。徳兵衛がお初のあとに続いたのか、疑問が残ります。人形浄瑠璃で見たらますます事切れた感じがますような気がしました。
Posted by
原作をちゃんと読まずに、こちらを先にしちゃったこと、後悔。 読み進めるほどに、徳兵衛に対する苛立ちが募るばかり。それでも想い募らせる初。 でも、帯にあるように「これが、恋」なのよね。愛じゃない、恋。だから、OKなのかな。 一貫して女性(初)目線だから、そうなったんだろう...
原作をちゃんと読まずに、こちらを先にしちゃったこと、後悔。 読み進めるほどに、徳兵衛に対する苛立ちが募るばかり。それでも想い募らせる初。 でも、帯にあるように「これが、恋」なのよね。愛じゃない、恋。だから、OKなのかな。 一貫して女性(初)目線だから、そうなったんだろうけど、やっぱり最期は気になった。徳兵衛、本当に最期を遂げられてのかな?ってね。 そうじゃなきゃ、心中とは言えないんだろうけど。
Posted by