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リリエンタールの末裔 の商品レビュー

4

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

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2012/12/15

4作収録の短編+中編集。 「リリエンタールの末裔」 爽快な飛行SF。「華竜の宮」というより「魚舟・獣舟」と同世界の物語。背中に生えた第二の腕だとか、出稼ぎの民族だとかのガジェットもあるが、何はなくとも空を飛ぶこと、飛行の爽快さが身をもって伝わってくる。何もかもはなまる満点とはい...

4作収録の短編+中編集。 「リリエンタールの末裔」 爽快な飛行SF。「華竜の宮」というより「魚舟・獣舟」と同世界の物語。背中に生えた第二の腕だとか、出稼ぎの民族だとかのガジェットもあるが、何はなくとも空を飛ぶこと、飛行の爽快さが身をもって伝わってくる。何もかもはなまる満点とはいかないけれども、若さゆえの未来への展望を感じる物語だった。 「マグネフィオ」 これもよかった。三角関係と事故による脳の損傷がテーマ。美しいだとか一途だとか、そういう清廉潔白さはないけれど、ないからこそ心に訴えるものがある。 「ナイト・ブルーの記録」 これもいい。「音を肌で聴き、肌で海の味を知るような感覚」こそセンス・オブ・ワンダーだ。 「幻のクロノメーター」 これ一つだけちょっと方向性が違かった。航海用時計の開発に全てを賭けた時計職人の話。少しSFっぽいところもあるが、基本は伝記みたいな感じ。

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2013/01/15

技術と人間の関係を描く短編四話 《リリエンタールの末裔》空 飛翔への憧れ 背中に腕がついている民族の少年 睡蓮の形をした海上都市 チャムの飛行機工房 都市に蔓延する人種差別 半生を賭けた飛行への情熱 グライダー飛行 《マグネフィオ》落石事故 脳に損傷 脳の活動を視覚化 憧れの人...

技術と人間の関係を描く短編四話 《リリエンタールの末裔》空 飛翔への憧れ 背中に腕がついている民族の少年 睡蓮の形をした海上都市 チャムの飛行機工房 都市に蔓延する人種差別 半生を賭けた飛行への情熱 グライダー飛行 《マグネフィオ》落石事故 脳に損傷 脳の活動を視覚化 憧れの人と一緒になった親友 故人との感覚を保存する技術 立ち入る隙はない 見ているだけしか許されない主人公 《ナイト・ブルーの記憶》海洋無人探査機パイロットの体験談 機械と人の共感覚 海の中の世界 人間の限界? 変化の孤独 伝える者、記す者、知らされる者 繋がっていく物語 《幻のクロノメーター》十八世紀ロンドン 時計職人に憧れる家政婦の少女 天才時計職人ハリソンとその一家 マリン・クロノメーターの開発 謎の黒い石 不老のエリー 技術革新と人間 なにを選ぶ――?

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2012/10/05

大規模海面上昇以後、リ・クリティシャス。睡蓮の花が水面の上でまるで咲いているように構築された海上都市、ノトゥン・フル。その上空を風を探し、上空気流に乗り、グライダーで自由を摑んだ鳥のように大空に向かい両翼を広げ滑空する様は、青年チャムの信念と勇気がどこまでもどこまでも続いている青...

大規模海面上昇以後、リ・クリティシャス。睡蓮の花が水面の上でまるで咲いているように構築された海上都市、ノトゥン・フル。その上空を風を探し、上空気流に乗り、グライダーで自由を摑んだ鳥のように大空に向かい両翼を広げ滑空する様は、青年チャムの信念と勇気がどこまでもどこまでも続いている青という青の中で尊厳であり美麗である。 大空に憧れを抱く者、大空に思いを馳せる者、全てリリエンタールの末裔である

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2012/09/11

短編が4作のオムニバスで、どの作品も技術と人との関わりを中心に描かれていますが、中でも経度測定のための高性能な時計であるクロノメーターの開発者ジョン・ハリソンを題材とした『幻のクロノメーター』を(地図好きとしては)特にお勧めしたいところ。 ハリソン家に仕えた家政婦視点で物語が展...

短編が4作のオムニバスで、どの作品も技術と人との関わりを中心に描かれていますが、中でも経度測定のための高性能な時計であるクロノメーターの開発者ジョン・ハリソンを題材とした『幻のクロノメーター』を(地図好きとしては)特にお勧めしたいところ。 ハリソン家に仕えた家政婦視点で物語が展開していき、途中からSF的要素も混じってくるのですが、なにせ史実のハリソン氏自体が幾分神がかった才能を持っているが故に、フィクションがうまく絡み合ってこないのが惜しいところでしょうか。どことなく伝記物を読んでいるような、そんな気分にもさせられました。

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2013/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

華竜の宮の世界観の短編とあって、大事に読みたいと随分時間をかけてしまった。 やはり好きな世界「リリエンタールの末裔」。 19世紀ロンドンを舞台の時計職人の話「幻のクロノメーター」も好き。他二編もじんわりとくるSF良品。 ※H4の美しさは必見ですね!→http://ueda.asablo.jp/blog/2012/05/11/6442698

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2012/08/02

全編が技術をテーマにしている作品です。 表題の「リリエンタールの末裔」では、主人公は多くの理不尽な困難にあう立場にあるものの、それでも悩みながら苦しみながら、でも最後には笑って進むだろうと感じた作品でした。 爽やかな読後感のもののほか、テーマである技術に対して考えさせられるものも...

全編が技術をテーマにしている作品です。 表題の「リリエンタールの末裔」では、主人公は多くの理不尽な困難にあう立場にあるものの、それでも悩みながら苦しみながら、でも最後には笑って進むだろうと感じた作品でした。 爽やかな読後感のもののほか、テーマである技術に対して考えさせられるものもあるのでぜひ読んでみてください。

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2012/07/27

今まで、読む機会を逸していた作者の作品で、華竜の宮の評判が良いのは分かっていたが、読めていなかったので、こちらが初読になった。同じ世界観で描かれた表題作は、長編を読んでいなくても素直に読むことができ、良くある、分かっている人にしか分からないという狭隘な世界でなく、単独作品として十...

今まで、読む機会を逸していた作者の作品で、華竜の宮の評判が良いのは分かっていたが、読めていなかったので、こちらが初読になった。同じ世界観で描かれた表題作は、長編を読んでいなくても素直に読むことができ、良くある、分かっている人にしか分からないという狭隘な世界でなく、単独作品として十分に楽しめる。その他の作品もSFの体裁を取りながら、人間が主役で、そのために世界観を構築しているので、実に読みやすい。テーマは技術と人間との関係で、近い将来、人と機械の在り方が融合に近づいていくであろう世界で、それでも人間は人間なのだという話が良い。他の作品も読みたくなったのは久しぶりである。

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2012/05/01

短編集。何より美しい表紙に釣られた。 表題作の前向きさが眩しく、再度表紙を見返すことに。 短編集として作品ごとに星をつけたいくらいですが、表紙と表題作だけなら確実に五つ星です。

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2012/04/22

四篇の短中編が収められた作品集。『華龍の宮』の世界観に関連する作品から書き下ろしまで。それぞれにSFらしい着想と物語性、高いリーダビリティを持った作品ばかり。

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2012/04/20

リリエンタールの末裔 魚船獣船の世界観が凄く出ている。なんで短編にしたし。 マグネフィオ 意識と感覚。大人の人間関係など。幸せってなんなんだろうね。ただの○○○○だろって思うけど。マグネフィオ自体には前提知識がないからそこまで楽しめなかった。後で調べておこう。 ナイト・ブルー...

リリエンタールの末裔 魚船獣船の世界観が凄く出ている。なんで短編にしたし。 マグネフィオ 意識と感覚。大人の人間関係など。幸せってなんなんだろうね。ただの○○○○だろって思うけど。マグネフィオ自体には前提知識がないからそこまで楽しめなかった。後で調べておこう。 ナイト・ブルーの記憶 機会を使いこなすお話。熟練した人が、接続関係を日常とするまでになったとき、感覚が起き変わっていくのかね? なんで短編にしたし。 幻のクロノメーター 本当にあったこともモチーフにした作品。 がジェットとして組み込まれている石の設定がすごく面白い。職人の情熱物語ってところもポイント高いですね。

Posted byブクログ