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名もなき毒 の商品レビュー

3.9

429件のお客様レビュー

  1. 5つ

    77

  2. 4つ

    206

  3. 3つ

    108

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2023/12/06

宮部みゆき氏のミステリー小説を数冊読んだ中で、やはり『火車』が一番良かったですかねー。これを読んであらためて思い直しました。 この杉村三郎シリーズを初めて読みましたが、ん-、何とか申しましょうか、警察官ではなく一般人が犯人を見つけるパターンはどうも現実感がなく、ファンタジー小説と...

宮部みゆき氏のミステリー小説を数冊読んだ中で、やはり『火車』が一番良かったですかねー。これを読んであらためて思い直しました。 この杉村三郎シリーズを初めて読みましたが、ん-、何とか申しましょうか、警察官ではなく一般人が犯人を見つけるパターンはどうも現実感がなく、ファンタジー小説と化したものになるので私は苦手です。登場人物もコナンのようなキャラで、いちいちウザい、あゝウザい、コナン並みの設定で、いや、むしろコナンの方がましか、いやいやコナンの方が圧倒的に無理な設定、もう娘らと一緒にコナンの糞映画を見に行かなくて良くなりほっとしましたね、なんだよあの小1設定は。 とは言え、さすがの宮部様、そんな設定でも飽きずに最後まで読ませるのには恐れ入りました。途中から犯人は分かっていましたが、その動機までは推理出来なかったですね、あゝそういう事ですね・・・・でもなあ・・・・ 杉村三郎シリーズは私としてはこれでお終い。次はもっとえぐい、読了感の悪いミステリー読みたいですね。

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2023/07/24

映画か2時間サスペンスで見てみたい!とても面白かった!実写化したらあの人はあの俳優さんで、あのキャラはあの女優さんで…とか妄想が止まらない(笑)

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2024/02/15

杉村三郎って、何のシリーズかも気付かず読んだ。どうやら『誰か』の、事件解決に奔走したあの爽やかな編集者だったようだ。 そう言われると杉村さんは、人間万華鏡の宮部みゆきさんが放った、透明感最強の男子だ。最強が作った最強なのだから、太刀打ちできるはずがない。いきなり悔しくなって、貪る...

杉村三郎って、何のシリーズかも気付かず読んだ。どうやら『誰か』の、事件解決に奔走したあの爽やかな編集者だったようだ。 そう言われると杉村さんは、人間万華鏡の宮部みゆきさんが放った、透明感最強の男子だ。最強が作った最強なのだから、太刀打ちできるはずがない。いきなり悔しくなって、貪るように後を読み続けた。 インターネットの掲示板だとか、自殺サイトだとか、妙に懐かしいワードが飛び交う。無差別の毒殺事件も、記憶にはしっかりと沈着している。 ただ、その毒の取り扱いがぶっ飛んでる。 やはり人間に切り込んでくるのか、さすが宮部みゆき流だ。 たぶん賛否両論あるだろうな、と思った。 人間に毒があるとは、考えない人もいるだろう。 私が突き刺さったのは、杉村さんの心の内の、ほんの何気ないフレーズ。 ──自分の子を責めるのは、自分を責めるのと同じだ。 痛かった。 その通りだ。 だがその、たったの一行が、自分の視界を開いた。 私の中の毒が1つ浄化されたような気持ちになった。

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2023/07/13

名もなき毒という題名の真意がわかった。 今回は杉村三郎シリーズ2作目、今多コンツェルンにアルバイトで採用された原田いずみ、彼女のような人はもしかすると顕在化していなくとも、すぐ隣にいてもおかしくない時代になっている。 権力とは何か?履き違えると自分だけで無く、周りも不幸にしてし...

名もなき毒という題名の真意がわかった。 今回は杉村三郎シリーズ2作目、今多コンツェルンにアルバイトで採用された原田いずみ、彼女のような人はもしかすると顕在化していなくとも、すぐ隣にいてもおかしくない時代になっている。 権力とは何か?履き違えると自分だけで無く、周りも不幸にしてしまう。普通とか、幸せの概念に近いものを感じる。この作品は宮部みゆきさんらしいが、大きなテーマが隠されている。それは現代社会への警鐘と感じてしまう。 毒を吐くという表現が一時流行したが、その時の毒とは、不平不満の類いだろう。いろんな心理ケースで、意図が変わってくる。お笑いとしては良いかもしれないが、自己保身、劣等感などからくるものは聞いていて気持ちの良いものではない。相手を気持ち良くさせないことが目的だとしたら、小さな武器にはなるだろが、然程の影響はない。毒を吐く側の心が荒んでいくように思うのは私だけだろうか? このシリーズは初めチョロチョロ、中パッパという印象が強い。毒殺事件が起こってから、ミステリー性が高まってくる。過去に実際にあった事件をなぞる面もあるが、その動機は人間の暗さからくるものであるが、杉村三郎の周りのポジティブさが、一層その暗さを際立たてせているようだ。 読後感は悪い気がしないのもこのシリーズの良さだと思う。

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2023/08/22

オーディブル 確かに、得体の知れぬものに名前がつけば、討ち取ることができるかも。人間だけが持つ様々な毒にそれぞれ名前がつけば、解毒の方法だって突き止められるかも知れない。人間は、そういう生きものだから。 今後への伏線と現状の歪みが随所に。再読の価値があった。ナレーションもとて...

オーディブル 確かに、得体の知れぬものに名前がつけば、討ち取ることができるかも。人間だけが持つ様々な毒にそれぞれ名前がつけば、解毒の方法だって突き止められるかも知れない。人間は、そういう生きものだから。 今後への伏線と現状の歪みが随所に。再読の価値があった。ナレーションもとても良かった。 渦中の人間は、歪みに気づかない。気づいていてもいないフリをする。本当に気づいていないこともある。いずれにしてもその渦を抜けてから、ああ、と思う。 わたしも、きっとそうなのだろう。 それにしても、 誰か、名もなき毒と再読して、ペテロの結果は用意されたものだと今回は思った、初めて読んだ時は、わからなかった。きっと愛が、たしかにある愛と努力が、なんとかしてくれるとあのときの(初読の)わたしはおもいながら読んでいた。

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2023/07/04

オーディブルにて。 主人公の自我というか、個性がじわじわと立ち上がる回だと思った。 毒についても、考えさせられる。毒を浴びてしまうことってある。毒を吐き出してしまうことも。誰かが悪いということじゃなくても、そういう状況に追い込まれることがある。それをどう受け止めていくか。どう...

オーディブルにて。 主人公の自我というか、個性がじわじわと立ち上がる回だと思った。 毒についても、考えさせられる。毒を浴びてしまうことってある。毒を吐き出してしまうことも。誰かが悪いということじゃなくても、そういう状況に追い込まれることがある。それをどう受け止めていくか。どう向き合うか。そんな物語だと感じた。人生の多面性を描いている。

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2023/07/02
  • ネタバレ

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原田いずみのような人間は間違いなくいる。境界性人格障害や自己愛性人格障害など、人格障害が話題になったのはこの作品が書かれる少し前くらいからだろうか。 人格障害はともかく、宮部みゆきは嫌な性格の女を書くのがうまいなぁと思う。 しかし土壌汚染の調査までして建てた家を、事件が起きた嫌な記憶の残る家だからとあっさり引っ越そうとする主人公の妻、いずみや外立くんが怒りを覚えるのはそういうとこやぞ…と思った。おそらく土壌に問題があってもそこに建つぼろぼろの家に住むしかなかった外立くんとの対比で書いたのだろうけども。 主人公が事件に首を突っ込む動機が前作(『誰か』)に比べて弱い気がした。

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2023/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023.06.30. audible 原田いずみのような人間は本当に怖い。 怖いが、彼女のようなやり方をする人を権力者とは言いたくない。 元々は彼女だけに問題があったわけではないかもしれない、 でも、そう信じたいと思えば思うほど、邪悪さが増していく。 自分の不幸を人のせいにする。 よくあることなのかもしれないが、 多くの人は、なんらかのストッパーが効いている。 そんなストッパーがない人がいるのが、怖い。 amzonの本の紹介 今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。『誰か Somebody』から約一年後の出来事を描き、テレビドラマ化でも話題となった人気の杉村三郎シリーズ第二弾。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。 解雇されたことを根に持って杉村をつけ狙う原田いずみは、悪意に心をのっとられた存在だ。その行動は危険であるのに幼稚極まりない。彼女は真の大人になる契機を摑むことができずに成人してしまった偽の大人であり、人の世にありながら他者の痛みを感じることができなくなった歪な精神の持ち主なのだ。 思い起こせば、そうした者たちが仮面をつけたままこの社会で普通に生活しているということを、早い段階から不安視していたのが宮部みゆきという作家だった。(杉江松恋「解説」より)

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2023/06/26

杉村三郎シリーズ二作目。 途中で読むの止まってた。ようやく読めた。 途中の流れは賛否あるかも。終盤に連れて加速する感じ。「毒」とは全ての人が持ってる「〇〇」の事なんだろうなぁ。 次作から杉村三郎は〇〇になるのか?

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2023/05/29

ミステリの形をとっていながら、その殻を少しずつ少しずつ剥がしていくと、「名もなき毒」がむき出しになる。そんな人間についての小説だった。 冒頭の書き出しに惹かれ、夢中で読んだ。こんなに分厚い小説で、事件もある程度複雑なのに混乱しないのは流石の手腕。読み始めてからおよそ4時間ほど、中...

ミステリの形をとっていながら、その殻を少しずつ少しずつ剥がしていくと、「名もなき毒」がむき出しになる。そんな人間についての小説だった。 冒頭の書き出しに惹かれ、夢中で読んだ。こんなに分厚い小説で、事件もある程度複雑なのに混乱しないのは流石の手腕。読み始めてからおよそ4時間ほど、中断するのがこれほど惜しい気持ちになる本は稀有だ。事件に関わっていく過程はややフィクションらしさを感じたが(☆4なのはそれゆえ)、一般市民が主人公のミステリなどそんなものだろう。ある種の社会派ミステリと呼べようこの作品、一読の価値ありと自信を持っておすすめできる。

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