名もなき毒 の商品レビュー
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2007年(第4回)。10位。 杉村三郎シリーズ2冊目。普通に育ったはずなのに、トラブルメーカーになる原田いずみ。彼女はいつも自分以外に怒っている。いつか、杉村家に来るんだろうなぁ。。と思いつつ、やはり来る。娘を殺されそうになる。間一髪助かるが。 並走する無差別毒殺事件。犯人は自供するが、すべての毒殺事件をやったわけではないよう。 土壌汚染、シックハウスなど絡め、いうなれば不条理について語られる。重いテーマなのだが、この作者にかかると、何やら暖かいものがあるのだなぁ。あいかわらずの筆力で、ぐいぐい読んでしまった。
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初めて宮部みゆきさんの小説を読んだが、とても読みやすく、なかなか後味悪い気持ちを引きずる小説でよかった。 人の悪意が生まれる感じが側からだと理解できない人もいるんだろうな。
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いろんな側面の「毒」について触れられている。 人を死に至らしめる「毒」と、我々にとって見えない「毒」、見えないふりをして本当は見えている「毒」等色々あると思う。 どうして毒をテーマにしたのかを考えることこそが作品の真髄なのだと思う。 起承転結があり、読みやすいが衝撃などはなく、自...
いろんな側面の「毒」について触れられている。 人を死に至らしめる「毒」と、我々にとって見えない「毒」、見えないふりをして本当は見えている「毒」等色々あると思う。 どうして毒をテーマにしたのかを考えることこそが作品の真髄なのだと思う。 起承転結があり、読みやすいが衝撃などはなく、自分の心に少し落ちるだけだったので3にしました。
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色々な毒が出てきた。 その毒の成分がだんだんと明かされる過程が面白くて、ゾクゾクした。 私にはそれぞれの毒が怖かった。 自分に害がなくても、人が笑顔でいることが憎い原田いずみ。 彼女との関係は大事だが他人の命は全く関心がなく、彼女と人生をやり直したいとも言っている無差別殺人犯。 何もかも嫌になり、悲しみの極限に達して毒になってしまった外立。 ストーリーの中で、シックハウスや土壌汚染などの話も出てきたが、 人間という毒にもこんなに種類があって、果たしてそこに救いがあるのだろうかと考えさせられた。 美知香が、必要なのは医者じゃない「正義」だと言ったときは真実ではなく、正義なのか、と不思議に思ったが、 後に出てくるセリフで 「正義なんてものはこの世にないと思わせてはいけない。それが大人の役目だ。なのに果たせん…」 と翻弄している姿があり、大人たちを応援せざるを得ない、そんな気持ちにさせられた。
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図書館で借りて読んだ。 ドラマを見ていたが、細かいところまでは覚えていなかった。宮部みゆきだから当たり前と言えば当たり前だが、とにかくストーリーがうまい。機密だが、小難しくはなく、伏線があちらこちらに散りばめられているが、いやらしくない。そして登場人物がよい。
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「誰か」に続いて読んだが、こちらもあまり好みではなかった。「誰か」であれって感じだったが、本作は吉川英治文学賞受賞ということで期待したのだが… 個人的には「杉村三郎」の境遇に無理を感じてるので、うまくストーリーに入り込めないのかも。 評価の高い作品だけに、その良さがわからないのは...
「誰か」に続いて読んだが、こちらもあまり好みではなかった。「誰か」であれって感じだったが、本作は吉川英治文学賞受賞ということで期待したのだが… 個人的には「杉村三郎」の境遇に無理を感じてるので、うまくストーリーに入り込めないのかも。 評価の高い作品だけに、その良さがわからないのは自分くらいなのだろうか。
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すっかり毒気にやられて、先が気になり読み進めた。 杉村三郎シリーズ第2弾だったと後から知る。 世間をに賑わしている青酸カリ連続無差別殺人事件。今多コンツェルン広報室のアルバイト原田いずみの問題行動。異なる2つのトラブルが杉村に降りかかってくる。 青酸カリ、薬、シックハウス、土...
すっかり毒気にやられて、先が気になり読み進めた。 杉村三郎シリーズ第2弾だったと後から知る。 世間をに賑わしている青酸カリ連続無差別殺人事件。今多コンツェルン広報室のアルバイト原田いずみの問題行動。異なる2つのトラブルが杉村に降りかかってくる。 青酸カリ、薬、シックハウス、土壌汚染と毒々しい。そして、最大の毒は人の心の悪意。名のある毒も人の心の悪意によって刃に変わるのだ。 久しぶりに読んだ宮部みゆき氏作品は面白く、10年以上積読していた本書は全く色褪せていなかった。昨今の社会問題、ヤングケアラーも触れていて感服。
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上司に薦められて読了。 どんな人間も毒を飼っている。 それが生まれながらのものなのか、家庭や職場環境によるものなのかは人による。 ただそれが外部に染み出すほどのものなのであれば、それは間違いなく周囲の環境・人間に対して新たな毒を植え付ける要因となる。 何が普通の人なのか。 ...
上司に薦められて読了。 どんな人間も毒を飼っている。 それが生まれながらのものなのか、家庭や職場環境によるものなのかは人による。 ただそれが外部に染み出すほどのものなのであれば、それは間違いなく周囲の環境・人間に対して新たな毒を植え付ける要因となる。 何が普通の人なのか。 もはや外部に迷惑をかけないのは普通ではなく、立派なのかもしれない。 組織作りの一員として、プロファイルの重要性をいま一度認識させる一冊だった。
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長編なので物語がゆったりと進んでいくが、「毒」とは何なのかが分かると共にすらすらと読めらようになっていった。 どれだけ積み上げた権力を持ったとしても、毒によって一瞬で壊されてしまう。そしてその毒は、誰にでも持ちうるものだ。 毒の恐ろしさと、この世の不条理が感じられる良本だった。
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長編だったけれど、複数の事柄が並行して動いていくため、飽きずにハラハラできた。 タイトルの意味について、最後まで読まないと分からなかった。 土壌汚染が出てきたり、毒殺の話が出てきたり、毒を連想させる要素が詰まっているけれど、もっと根底のことだったんだね。
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