名もなき毒 の商品レビュー
不遇な状態からの出口が見つからない時、なぜ自分だけがと社会を恨んでしまう、いたるところに生まれてしまう毒。この毒に深く染まり、うらみと妬みの存在に出会った時、いわれのないのない犯罪が行われてしまう。そんな現代社会の隣りにある恐怖。
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杉村三郎シリーズ第2作目。 1作目よりも登場人物の描き方が緻密で丁寧であった。 2つの事件がパラレルに進みながら、最後はほんの少しだけ関わりが出るが、これが絶妙だった。 義父の役割が素晴らしく、そのように年を取りたいなぁと思う。
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杉村三郎シリーズ二作目。 悪意=毒。というところでしょうか。 善意=解毒となることもあるんだろうけども、毒のほうが、ずっとキツイですね。 外から見ると幸せそうに見える、ということで、毒を盛られる。ツライ。 杉村が色々犠牲にして、作っていった幸せが、少しずつ崩れて行くのが、本当にな...
杉村三郎シリーズ二作目。 悪意=毒。というところでしょうか。 善意=解毒となることもあるんだろうけども、毒のほうが、ずっとキツイですね。 外から見ると幸せそうに見える、ということで、毒を盛られる。ツライ。 杉村が色々犠牲にして、作っていった幸せが、少しずつ崩れて行くのが、本当になんとも言えず、ツライ。この崩れて行く様子を表すために、この内容な気がする。
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シリーズものとは知らずに読了。でもじゅうぶん楽しめた。 人のいい登場人物が心底性格の悪い登場人物に振り回されるシーンは読んでいるだけでも胸糞悪くなってしまう。どうにか痛い目に合わせたいと思ってしまう。でもそんな心もまた名もなき毒なんだろうなと思う。 他人を殺そうとする人間の前...
シリーズものとは知らずに読了。でもじゅうぶん楽しめた。 人のいい登場人物が心底性格の悪い登場人物に振り回されるシーンは読んでいるだけでも胸糞悪くなってしまう。どうにか痛い目に合わせたいと思ってしまう。でもそんな心もまた名もなき毒なんだろうなと思う。 他人を殺そうとする人間の前にはどんな権力も無力だという現実がただただ悲しい。でも小説の中では望みのある展開になる。それが物語を読む上で救いになる。
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原田いずみみたいな人、いる。 ほんまにムカついたしお兄さんの結婚式ぶち壊し事件は残酷すぎ。 親ガチャって最近よく聞くけどそれは子供も然り。 そんなこと言う親はいないけど、教育ではどうしようもない人間もいるし、親と子は違う人間。 杉村三郎の今後が気になる。 ペテロの葬列も読みます。
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宮部みゆき氏のミステリー小説を数冊読んだ中で、やはり『火車』が一番良かったですかねー。これを読んであらためて思い直しました。 この杉村三郎シリーズを初めて読みましたが、ん-、何とか申しましょうか、警察官ではなく一般人が犯人を見つけるパターンはどうも現実感がなく、ファンタジー小説と...
宮部みゆき氏のミステリー小説を数冊読んだ中で、やはり『火車』が一番良かったですかねー。これを読んであらためて思い直しました。 この杉村三郎シリーズを初めて読みましたが、ん-、何とか申しましょうか、警察官ではなく一般人が犯人を見つけるパターンはどうも現実感がなく、ファンタジー小説と化したものになるので私は苦手です。登場人物もコナンのようなキャラで、いちいちウザい、あゝウザい、コナン並みの設定で、いや、むしろコナンの方がましか、いやいやコナンの方が圧倒的に無理な設定、もう娘らと一緒にコナンの糞映画を見に行かなくて良くなりほっとしましたね、なんだよあの小1設定は。 とは言え、さすがの宮部様、そんな設定でも飽きずに最後まで読ませるのには恐れ入りました。途中から犯人は分かっていましたが、その動機までは推理出来なかったですね、あゝそういう事ですね・・・・でもなあ・・・・ 杉村三郎シリーズは私としてはこれでお終い。次はもっとえぐい、読了感の悪いミステリー読みたいですね。
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映画か2時間サスペンスで見てみたい!とても面白かった!実写化したらあの人はあの俳優さんで、あのキャラはあの女優さんで…とか妄想が止まらない(笑)
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杉村三郎って、何のシリーズかも気付かず読んだ。どうやら『誰か』の、事件解決に奔走したあの爽やかな編集者だったようだ。 そう言われると杉村さんは、人間万華鏡の宮部みゆきさんが放った、透明感最強の男子だ。最強が作った最強なのだから、太刀打ちできるはずがない。いきなり悔しくなって、貪る...
杉村三郎って、何のシリーズかも気付かず読んだ。どうやら『誰か』の、事件解決に奔走したあの爽やかな編集者だったようだ。 そう言われると杉村さんは、人間万華鏡の宮部みゆきさんが放った、透明感最強の男子だ。最強が作った最強なのだから、太刀打ちできるはずがない。いきなり悔しくなって、貪るように後を読み続けた。 インターネットの掲示板だとか、自殺サイトだとか、妙に懐かしいワードが飛び交う。無差別の毒殺事件も、記憶にはしっかりと沈着している。 ただ、その毒の取り扱いがぶっ飛んでる。 やはり人間に切り込んでくるのか、さすが宮部みゆき流だ。 たぶん賛否両論あるだろうな、と思った。 人間に毒があるとは、考えない人もいるだろう。 私が突き刺さったのは、杉村さんの心の内の、ほんの何気ないフレーズ。 ──自分の子を責めるのは、自分を責めるのと同じだ。 痛かった。 その通りだ。 だがその、たったの一行が、自分の視界を開いた。 私の中の毒が1つ浄化されたような気持ちになった。
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名もなき毒という題名の真意がわかった。 今回は杉村三郎シリーズ2作目、今多コンツェルンにアルバイトで採用された原田いずみ、彼女のような人はもしかすると顕在化していなくとも、すぐ隣にいてもおかしくない時代になっている。 権力とは何か?履き違えると自分だけで無く、周りも不幸にしてし...
名もなき毒という題名の真意がわかった。 今回は杉村三郎シリーズ2作目、今多コンツェルンにアルバイトで採用された原田いずみ、彼女のような人はもしかすると顕在化していなくとも、すぐ隣にいてもおかしくない時代になっている。 権力とは何か?履き違えると自分だけで無く、周りも不幸にしてしまう。普通とか、幸せの概念に近いものを感じる。この作品は宮部みゆきさんらしいが、大きなテーマが隠されている。それは現代社会への警鐘と感じてしまう。 毒を吐くという表現が一時流行したが、その時の毒とは、不平不満の類いだろう。いろんな心理ケースで、意図が変わってくる。お笑いとしては良いかもしれないが、自己保身、劣等感などからくるものは聞いていて気持ちの良いものではない。相手を気持ち良くさせないことが目的だとしたら、小さな武器にはなるだろが、然程の影響はない。毒を吐く側の心が荒んでいくように思うのは私だけだろうか? このシリーズは初めチョロチョロ、中パッパという印象が強い。毒殺事件が起こってから、ミステリー性が高まってくる。過去に実際にあった事件をなぞる面もあるが、その動機は人間の暗さからくるものであるが、杉村三郎の周りのポジティブさが、一層その暗さを際立たてせているようだ。 読後感は悪い気がしないのもこのシリーズの良さだと思う。
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オーディブル 確かに、得体の知れぬものに名前がつけば、討ち取ることができるかも。人間だけが持つ様々な毒にそれぞれ名前がつけば、解毒の方法だって突き止められるかも知れない。人間は、そういう生きものだから。 今後への伏線と現状の歪みが随所に。再読の価値があった。ナレーションもとて...
オーディブル 確かに、得体の知れぬものに名前がつけば、討ち取ることができるかも。人間だけが持つ様々な毒にそれぞれ名前がつけば、解毒の方法だって突き止められるかも知れない。人間は、そういう生きものだから。 今後への伏線と現状の歪みが随所に。再読の価値があった。ナレーションもとても良かった。 渦中の人間は、歪みに気づかない。気づいていてもいないフリをする。本当に気づいていないこともある。いずれにしてもその渦を抜けてから、ああ、と思う。 わたしも、きっとそうなのだろう。 それにしても、 誰か、名もなき毒と再読して、ペテロの結果は用意されたものだと今回は思った、初めて読んだ時は、わからなかった。きっと愛が、たしかにある愛と努力が、なんとかしてくれるとあのときの(初読の)わたしはおもいながら読んでいた。
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