名もなき毒 の商品レビュー
悪意という名の毒のなんと恐ろしいことか。吐いた本人も、浴びた人も、みるみると毒が回っていく。この毒は、程度の差はあれ誰でも持っているものだろう。違いはその解毒方法を知っているのかどうか、解毒の方法を教えてくれる人が近くにいたかどうか、だけなのかもしれない。シリーズ第1作の「誰か」...
悪意という名の毒のなんと恐ろしいことか。吐いた本人も、浴びた人も、みるみると毒が回っていく。この毒は、程度の差はあれ誰でも持っているものだろう。違いはその解毒方法を知っているのかどうか、解毒の方法を教えてくれる人が近くにいたかどうか、だけなのかもしれない。シリーズ第1作の「誰か」よりもずっと読み応えがあった。
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「普通」の定義は人によって違う。 考え方も、価値観も、人の数だけ存在する。 自分はどうなのか。 自分の普通は、他人にとっての毒となっていないか。 なにより、自分自身が毒を撒き散らしていないか。 読み終わった後、そんなことを考えさせられた。 淡々と話は進んでいったけれど、 ラスト...
「普通」の定義は人によって違う。 考え方も、価値観も、人の数だけ存在する。 自分はどうなのか。 自分の普通は、他人にとっての毒となっていないか。 なにより、自分自身が毒を撒き散らしていないか。 読み終わった後、そんなことを考えさせられた。 淡々と話は進んでいったけれど、 ラスト近くは一気に読ませる展開。 読み始めてすぐに、 これはシリーズもの(?)ではと思ったら、その通りだった… 前作も読みたいと思う。
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杉村三郎が主人公の話、第二弾。前作からおよそ一年後の設定。 本の分厚さにくじけそうになりながら読み始めると、するすると読んでいってしまいました。 二つの関係なさそうな事件がそうつながるのかと感心しました。 身の周りにある、いや、自分の身の内にもある、様々な毒。 解説の言葉を借り...
杉村三郎が主人公の話、第二弾。前作からおよそ一年後の設定。 本の分厚さにくじけそうになりながら読み始めると、するすると読んでいってしまいました。 二つの関係なさそうな事件がそうつながるのかと感心しました。 身の周りにある、いや、自分の身の内にもある、様々な毒。 解説の言葉を借りると『人の世には毒が存在すると暗示されたのが前作、今作ではその毒がいかにモノやヒトを蝕むかが描かれて』いて、杉村三郎シリーズ次作「ペテロの葬列」でその毒がどう描かれているのかが気になり、本になるのが待ち遠しいです。まだまだ先になりそうですが。 最後に。 嘉親父ちゃん、いくら心臓が弱いからって、娘を無菌室みたいなところで育てるのはどうかな。桃子ちゃんは免疫がつきますように。
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単純に面白い本。どんどん読み進めていくことが出来た。『あっ!』というような驚きなどはないものの、妙に自分には場面、場面がリアルに目にうかぶ作品でした。難しいことは良く分からないけど、細かい描写がうまいのかな。読んでいる途中でシリーズ1が有ることを知って、びっくりしてしまった(^^...
単純に面白い本。どんどん読み進めていくことが出来た。『あっ!』というような驚きなどはないものの、妙に自分には場面、場面がリアルに目にうかぶ作品でした。難しいことは良く分からないけど、細かい描写がうまいのかな。読んでいる途中でシリーズ1が有ることを知って、びっくりしてしまった(^^;) あまり影響はないようなので、良かった。シリーズ1も見てみましょう♪
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TBSの月曜ミステリーシアター『名もなき毒』の原作で、会社員・杉村三郎を主人公とするシリーズの第二作。ドラマの前半は第一作の『誰か』なので、ドラマを切欠に読もうと思った人は『誰か』から読まれることを薦める。 私は、ドラマも見ながら原作を読み進めたのだが、この『名もなき毒』は、同局の大ヒット作『半沢直樹』と比べても、勝るとも劣らない極めて良く出来たドラマであり、原作の魅力を余すところなく伝えてると思った。特に主役の『杉村三郎』を演じる小泉孝太郎さんが嵌り役で、彼でなければ演じられないと言っても良いほどだった。 この『名もなき毒』は、主人公・杉村三郎のキャラクターのせいか、ミステリーとしてはページを捲る手が止まらなくなるようなスピード感が乏しい。むしろ、個々の登場人物の背景や人格を確認するために既に読んだはずのページを再読しながら読み進めたくなるような物語だ。私は、登場人物の行動に垣間見える自分自身にもある闇を記憶の中から引き出され愕然としてしまった。 もちろん些細な不満もないわけではない。宮部みゆきさんは、登場人物に解釈をさせ、出来事の意味を示唆することが多いと思うのだが、私としては、奈良和子が自殺した理由が釈然としないことや、外立君が犯した殺人が、無差別だったのか、それとも古屋明俊氏を狙ったものだったのかが良くわからなかった。それでも良いのかもしれないが… 主人公の『杉村三郎』は、『楽園』の『前畑滋子』ほどではないにしても、真実を追求せずにはいられない人… まあ、同じ、宮部みゆきさんの物語の進行を担う人物なのだから仕方がないのだろうが… 物語の最後で、美知香は「杉村さん、やればいいのに、だから、私立探偵」と言う。また、卯月刑事は訊いた「杉村さん、ついに探偵稼業を始められたのですか?」と。ミステリーの主人公は、私立探偵が使いやすいということなのかもしれない。
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毒殺事件と土壌汚染と精神障害のストーカー…どんなに真面目に生きていても出くわしかねない理不尽な毒。 テーマが散漫な印象と、ストーカーがなんだかんだ言って結局のところ異常者という片付け方ゆえか、宮部作品にしては引き込まれ具合が物足りなかった気がしました。 富豪に婿入りした庶民の主人公を小泉孝太郎さんが演じているけれど、孝太郎さんだとどうしても、もともとお金持ちのひとに見えてしまうなぁ。
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癌、土壌汚染、いじめといった、名前のある毒に苦しめられる人々の中に潜む、自分達の中で生まれてきてしまう「名もなき毒」を見事に描いた作品。2つの事件が無理なく最後に合わせられている構成も素晴らしい。親近感の湧く主人公の一人称を交えて書かれているため読みやすい。
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真犯人と、犯人に至るまでのストーリーはやや面白みに欠ける印象もありました。 しかし、それ以上に、人が人を殺めてしまうこと、人間の心に巣食う「毒」を誰もが持っていることについての描写が逸脱でした。 主人公と犯人の背景設定の対比から、「毒」を見事に描写しています。
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ドラマ化されてるので選択。 原田さんの出てくる場面は、ほんまにリアルで恐ろしかった。 全く似たよーなタイプと張り合ったコトがあったから尚更。 口に毒がある。 意外に、読むのに時間がかかった。 話を盛り込み過ぎてて、ちょっと疲れたのが残念でした。
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歪んだ自己実現欲、自己顕示欲、悪意という毒を内に宿した「誰か」が自己の外に責任を転嫁した時、現代社会は病に侵されるのだ。
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