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名もなき毒 の商品レビュー

3.9

424件のお客様レビュー

  1. 5つ

    76

  2. 4つ

    203

  3. 3つ

    108

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    0

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2014/01/15

基本シリーズ物は、最初から読むのですが、気づいたとき既に遅し。 人が抱える「毒」の怖さが印象的な作品。 「連続毒殺人」だけでは平凡な話になるところだが、 「原田いずみ」という質の異なる(たぶん対極の)毒を混ぜ、 物語が展開される。 最後は息をつかせぬ展開で、一気に読んでしま...

基本シリーズ物は、最初から読むのですが、気づいたとき既に遅し。 人が抱える「毒」の怖さが印象的な作品。 「連続毒殺人」だけでは平凡な話になるところだが、 「原田いずみ」という質の異なる(たぶん対極の)毒を混ぜ、 物語が展開される。 最後は息をつかせぬ展開で、一気に読んでしまった。 以下、あらすじ。 ================ 今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、トラブルメーカーだった。 解雇された彼女の連絡窓口となった杉村は、振り回される。 折しも街では、連続毒殺事件が注目を集めていた。 人の心に巣食う毒を圧倒的筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。杉村三郎シリーズ第二弾。 ================

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2014/01/14

全体的に散漫。シックハウス症候群と、世の中に怒れる女性と、主人公の家庭問題とで主題がたくさんあってあっちこっち行ったように感じた。 「火車」のように1つの糸をひたすら追っていく方が面白いな。 それでもこの厚さを読ませるのはさすが。

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2014/01/05

ドラマとなった本。 知人に勧められた。 ミステリーの魅力より、さまざまな登場人物やシーンの情景描写が鮮やかでグイグイ展開に引き込まれた。 タイトルどおり、「毒」がストーリーの中心にあるが、青酸カリなど物質としての毒だけではなく、人の心の中にある毒の怖さを訴えている。 毒もいろ...

ドラマとなった本。 知人に勧められた。 ミステリーの魅力より、さまざまな登場人物やシーンの情景描写が鮮やかでグイグイ展開に引き込まれた。 タイトルどおり、「毒」がストーリーの中心にあるが、青酸カリなど物質としての毒だけではなく、人の心の中にある毒の怖さを訴えている。 毒もいろいろである。 ボツリヌスという毒は、食中毒で死亡率30%とも言われている。一方でボツリヌスは痙攣や多汗症などの治療としても使われる。 生きるために必要な塩分だって、とりすぎれば毒となる。 同じものでも、使い方によっては毒なったり良薬になる。 今回犯罪を犯した登場人物は家族関係などに問題があった。 でも家族関係に問題がある人たちが全員、犯罪を犯すわけではない。 それを心の糧として頑張る人も多くいる。 こういった問題も気持ちの持ちよう、使い方で行動が変わってくる。 このような心の闇を、毒として例えた作者の観点に同調できた。

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2013/12/26

宮部みゆきの今多コンツェルン、杉村シリーズ第二弾。青酸カリによる無差別殺人と会社のアルバイトが起こす事件の二つに共通する現代社会の普通の人が心に渦巻く毒(悪意)を描いて行く物語。なんか正直このような毒を抱える人は弱い人間なのではないか、と僕は思ってしまう方だけど、幸せを自分で探さ...

宮部みゆきの今多コンツェルン、杉村シリーズ第二弾。青酸カリによる無差別殺人と会社のアルバイトが起こす事件の二つに共通する現代社会の普通の人が心に渦巻く毒(悪意)を描いて行く物語。なんか正直このような毒を抱える人は弱い人間なのではないか、と僕は思ってしまう方だけど、幸せを自分で探さなくては行けない世の中では意外と少なくないのかもしれない。 特に、自分が幸せでないことに対して、他の人が幸せであることに対して怒っている、そしてそれをどうすることと出来ないという不器用さ、それを人に迷惑をかけることで構ってもらい自分の存在確認をするという行為。なんか他人事には思えなかった。

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2013/12/19

多分、昔に一度読んでそれからすっかり忘れてまた買ってしまった感じ。でも読み始めたら思い出してきて、途中でやめました(犯人と言うか、流れがもうわかっているので)。 ドラマ化されたみたいなんだけど、それも知らないまま。どんな風になっていたんだろう。 どちらにしろ、読んだことは読んで...

多分、昔に一度読んでそれからすっかり忘れてまた買ってしまった感じ。でも読み始めたら思い出してきて、途中でやめました(犯人と言うか、流れがもうわかっているので)。 ドラマ化されたみたいなんだけど、それも知らないまま。どんな風になっていたんだろう。 どちらにしろ、読んだことは読んでいても記憶は曖昧だし、ただ「原田いづみ」って名前には猛烈な印象を持っていたことを覚えているのは、彼女のキャラがよくも悪くも印象的だったってことだよね。

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2013/11/30

「どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。完全に遮断することはできん」という台詞に本書のエッセンスが集約されている気がします。 幸いにして、本書で登場する程の厄介な人間には出会っていませんが、どこかそう遠くないところで、似たような人物が潜んでいるような、そしていつか遭遇...

「どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。完全に遮断することはできん」という台詞に本書のエッセンスが集約されている気がします。 幸いにして、本書で登場する程の厄介な人間には出会っていませんが、どこかそう遠くないところで、似たような人物が潜んでいるような、そしていつか遭遇してしまうような、そんな怖さが本書にはあります。ただ、結局のところ、人と人が接し合う以上、こういった類の毒はじわじわと人の心を蝕むものなのでしょう。 現代社会の歪みを見事にあらわした傑作です。

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2013/11/12

ドラマになっていたようなので。休日に読むのは最適。人間を蝕む毒をテーマにしている、と書けばおどろおどろしいが、一方でしっかりと家庭の幸せも書き、微笑ましい部分もある。当然、犯人となる登場人物にはそんな面はなく、むしろそういう幸せを享受できないからこそ「毒」を外に漏らしてしまう。対...

ドラマになっていたようなので。休日に読むのは最適。人間を蝕む毒をテーマにしている、と書けばおどろおどろしいが、一方でしっかりと家庭の幸せも書き、微笑ましい部分もある。当然、犯人となる登場人物にはそんな面はなく、むしろそういう幸せを享受できないからこそ「毒」を外に漏らしてしまう。対比が狙いであっても、読者としてはほっと息をつける描写だ。百貨店の外商部のサービスでサンタがやってきて、2人のサンタが鉢合わせしなかったら、これはやっぱり、休日というより、平日の夜あたりに向いてそう。

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2013/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

発言小町というサイトでレスの中に書かれている方がいて興味を持ち図書館にて借りました。 確かに、そのトピ主さんにそっくりな登場人物が出てきてびっくりしました・・・。 原田いずみはとにかく怒ってる。 いつも何かに怒ってる。 特に実兄の結婚式の行には背筋が凍りました・・・。 もっともな理由で解雇されたのに、それを不当だと云う。 最終的には逮捕まで行ってしまいましたが、おそらく何かしらの障害もあったんでしょう。 「毒」を回りに発散させる人。自分の中に溜め込むいっぽうの人。 それに回りは翻弄され、本人はまた怒る。 そして連続毒殺事件発生。 これも毒。 しかし青酸カリ。人為的に入れなければ人は死なない。 この作品には色んな毒が仕込んである。 ちなみに発言小町トピはこちら。 http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2013/0916/618128.htm?o=0&p=0 「派遣先でのアピール法」発言小町 原田いずみそっくりでびっくりです。

Posted byブクログ

2013/11/03

「権力者」 とは何かという、会長に向けた杉村の問いに、ぐっときた。 「空しいな。」「究極の権力は、人を殺すことだ」と、回答する会長も興味深い。

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2013/10/26

悪意という名の毒のなんと恐ろしいことか。吐いた本人も、浴びた人も、みるみると毒が回っていく。この毒は、程度の差はあれ誰でも持っているものだろう。違いはその解毒方法を知っているのかどうか、解毒の方法を教えてくれる人が近くにいたかどうか、だけなのかもしれない。シリーズ第1作の「誰か」...

悪意という名の毒のなんと恐ろしいことか。吐いた本人も、浴びた人も、みるみると毒が回っていく。この毒は、程度の差はあれ誰でも持っているものだろう。違いはその解毒方法を知っているのかどうか、解毒の方法を教えてくれる人が近くにいたかどうか、だけなのかもしれない。シリーズ第1作の「誰か」よりもずっと読み応えがあった。

Posted byブクログ