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これからの「正義」の話をしよう の商品レビュー

3.9

301件のお客様レビュー

  1. 5つ

    67

  2. 4つ

    123

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    5

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2024/02/04

自分の正義(信念)は一体なんなのか。人それぞれの想う正義があり、それを信じて生きている。 全て正義である。自分の正義は自分で決める。とても考えさせられる本でした。ぜひぜひ読んで欲しい本です。

Posted byブクログ

2024/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一貫した主義を持つこと、全員の正義感が一致することの不可能を痛感する本。 本作では数々の例を挙げ、多角的な視点から各々の意見が述べられる。それらに目を通すうちに己の主義は何なのかと迷走を始めた。 誰しもが納得のいく政治、経営の難しさが身に染みる一冊となった。 一点疑問だったのは、アリストテレスの奴隷擁護論で、当時の政府への忖度があったのではないかと疑うほどの脆弱性を感じた。 ソクラテスの最期を知ってかどうかはわからないが。

Posted byブクログ

2024/01/05

なかなか読むのに苦労した。 歴史を重ねることでより、議論が難しいテーマなのではないかと思った。 善い生について考えることは大切だろう。

Posted byブクログ

2023/12/24

リバタリアニズム・功利主義・美徳重視という 3 方向からのアプローチに、追証・反証それぞれ具体的で身近な事例があり解かりやすい。正義も善き生も難しいということがよくわかった。

Posted byブクログ

2023/10/31

買っておいて気が引けてずっと積読だった。 ようやく手を伸ばして読んだが、(体調不良とか睡眠不足を加味してもなお)時間がかかってしまった。 翻訳文独特の読み難さもさることながら、さらに読み進めるのを苦しめたのは二つの側面–すなわち、構成と背景にある文化であった。 構成という面で...

買っておいて気が引けてずっと積読だった。 ようやく手を伸ばして読んだが、(体調不良とか睡眠不足を加味してもなお)時間がかかってしまった。 翻訳文独特の読み難さもさることながら、さらに読み進めるのを苦しめたのは二つの側面–すなわち、構成と背景にある文化であった。 構成という面で言えば、「正義」についてより深く語るべく、これまで語られた様々な哲学から「正義」を考察するわけだが、考察のための提示が長く込み入っていて、その提示が著者マイケル・サンデルの主張にとってどう位置するのかが判然としない。結局最後まで、サンデル教授が支持する「正義」と提示されたこれまでの「正義」がどう関連するのか、完全には理解できないまま終わってしまった。 そして、背景にある文化的側面の差異–アメリカと日本における–が、根本的に立ちはだかったという感覚は否めない。 すなわち、キリスト教信仰を基にした道徳観念が良くも悪くも多数派にして根強いアメリカと、宗教的混沌を是として身近な関係の中から良くも悪くも道徳観念を築いている日本の違いである。 故に、サンデル教授の語る「正義」に真っ直ぐ首肯できない感覚が拭えなかった。 そもそも、本著語られている「正義」と、私個人が求めたい「正義」が、その方向性が違うのだろう。 もしかしたら、(英語力は棚に上げるとして)講義として聞いたら全く違う感想になるかもしれない。 だが、とりあえず本著を読了した今、「正義」についてきちんと自分の考えをもちたいと思わされたという点において、意義はあったのだろう。

Posted byブクログ

2023/09/25

◯自由に行動するというのは、(中略)目的を目的そのもののために選択することだ。(144p) ◯カントにとって、自殺は殺人が誤りであるのと同じ理由で誤りだ。どちらも人格を物として扱っており、それ自体が究極目的である人間性を尊重していない。(160p) ◯幸福とは心の状態ではなく...

◯自由に行動するというのは、(中略)目的を目的そのもののために選択することだ。(144p) ◯カントにとって、自殺は殺人が誤りであるのと同じ理由で誤りだ。どちらも人格を物として扱っており、それ自体が究極目的である人間性を尊重していない。(160p) ◯幸福とは心の状態ではなく人間のあり方であり、「美德に一致する魂の活動」なのである。(255p) ★カント、ロールズの哲学を少しでも知ることができて良かった。 ★何が正しいのか、どう生きるべきか、知りたい。 ★翻訳本ってやっぱり難しい。

Posted byブクログ

2023/08/18

第3章と第7章をかいつまんで読んだ。 リバタリアンと彼らに対する応答、アファーマティブアクションという聴き慣れない言葉による問題の議論。 どちらも、一筋縄にならない議論で、サンデル先生が客観的立場で示唆に富む回答をしてくれる。

Posted byブクログ

2023/07/27

やっと読めた。 功利主義やリバタリアンといった社会正義の捉え方の変遷を辿りながら「正義」はどうあるべきかを考えさせられる本。 特に序盤、「あーそういう考え方もあるかー」と思った直後その反論が提示され「たしかになー、その目線が欠けてたわ」となり、また別種の反論が提示され…と自分の...

やっと読めた。 功利主義やリバタリアンといった社会正義の捉え方の変遷を辿りながら「正義」はどうあるべきかを考えさせられる本。 特に序盤、「あーそういう考え方もあるかー」と思った直後その反論が提示され「たしかになー、その目線が欠けてたわ」となり、また別種の反論が提示され…と自分の思考がどんどん揺り動かされるのが理解できて面白かった。

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2023/07/21

図書館で借りた。 ここのところ哲学の本を読んでいて、その流れでこの本をチョイス。大谷翔平も読んだ本らしく、アメリカで有名な大学の授業らしい。 この本は、正しいこととは何だろうか、ということを考えさせてくれる本だ。功利主義とか難しい単語も無いことはないが、基本的には簡単な例・エピソ...

図書館で借りた。 ここのところ哲学の本を読んでいて、その流れでこの本をチョイス。大谷翔平も読んだ本らしく、アメリカで有名な大学の授業らしい。 この本は、正しいこととは何だろうか、ということを考えさせてくれる本だ。功利主義とか難しい単語も無いことはないが、基本的には簡単な例・エピソードをベースにしてくれるので、スイスイ読み進めることができた。有名なトロッコ問題「1人を犠牲にすれば5人を助けられる」も出てきた。 私は自分なりの価値観は持っているつもりだが、それを論じるのは難しいと感じた。ましてや他人が考える正義と擦り合わせるなど、まぁ難しい。 リバタリアン・リバタリアニズムについて、理解不足があったので、その点は勉強できてよかった。

Posted byブクログ

2023/05/02

ハーバードで長年政治哲学を教え、ハーバード熱血教室でも一躍有名になったサンデル氏の代表作です。本書の冒頭に書かれていますが、正義を議論するには3つのアプローチがある。それは福祉(効用)、自由、道徳である。冒頭ではどれが良い、悪いというような結論は示さず、まさにハーバード流ケースメ...

ハーバードで長年政治哲学を教え、ハーバード熱血教室でも一躍有名になったサンデル氏の代表作です。本書の冒頭に書かれていますが、正義を議論するには3つのアプローチがある。それは福祉(効用)、自由、道徳である。冒頭ではどれが良い、悪いというような結論は示さず、まさにハーバード流ケースメソッドではありませんが、読者の頭を柔らかくし、視野を広くすることを目指している、という印象を強く感じました。そして最後の方で、ようやくサンデル氏の持論として、「道徳」の大事さ、別の言葉で言えば「連帯的な責任」の重要性を説くわけですが、個人的には説得力があったと思いますし、この展開は納得性がありました。 サンデル氏というとコミュニタリアン(共同体主義者)というようなレッテルを貼られていることが多いかと思いますが、本書でも述べられているように、本人としては当惑しているとのこと。コミュニタリアンという呼び名は間違ってはいないのでしょうが、おそらく彼が最も主張したいのは「連帯的な責任」の重要性でしょう。これは日本人にはわかりやすい主張かと思います。個人主義や自由信奉主義がゆきすぎた結果が、今の米国社会の危機(市民的生活の崩壊)だというのは納得できました。またサンデル氏が述べているように、唯一の正解などないし、合意に至ることもないかもしれないが、それでも議論をすること、公共的言説の質を高めていくことが重要だという点は深く共感しました。

Posted byブクログ