これからの「正義」の話をしよう の商品レビュー
教育テレビの番組を見ていたので、店頭で山積みになっているのを見て、ブームが去ったら買おうと思っていたものの、ついつい手を出してしまい一気に読了。 本書では、分配的正義がいかにあるべきかについて、功利主義やリバタリアン、リベラリストのアプローチではうまく説明できないことを、身の回...
教育テレビの番組を見ていたので、店頭で山積みになっているのを見て、ブームが去ったら買おうと思っていたものの、ついつい手を出してしまい一気に読了。 本書では、分配的正義がいかにあるべきかについて、功利主義やリバタリアン、リベラリストのアプローチではうまく説明できないことを、身の回りで起きている、あるいはいかにも起きそうな実例を元に考えていきます。 構成や話の順番が番組と少し違っているようなので、番組のtranscriptと期待して買うと途中で挫折するかもしれませんが、番組とは別のwordingでじっくり読んでみようという人向けでしょうか。首を傾げたくなるような翻訳がほとんどないのも本書のすばらしい点です。 最近の政治哲学や憲法の人権論を勉強する学生さんがどのような本を読んでいるのかわかりませんが、教科書で憲法の人権論の背景にある議論を理解するうえでも本書のような書籍を読んで欲しいなと思いました。
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