限界集落株式会社 の商品レビュー
舞台が「止村」という中山間地域の集落。そこに六本木で働いていたビジネスマンがどういうわけか、村おこしに関わるようになったという筋書きかな。よそ者が手を出すことに否定的な住民もいる一方で「なんとかせなあかん」と集落営農や農地の転用をはじめ、なんとか重い腰ながらも農業の活性化を図る。...
舞台が「止村」という中山間地域の集落。そこに六本木で働いていたビジネスマンがどういうわけか、村おこしに関わるようになったという筋書きかな。よそ者が手を出すことに否定的な住民もいる一方で「なんとかせなあかん」と集落営農や農地の転用をはじめ、なんとか重い腰ながらも農業の活性化を図る。 農協依存や役所依存から抜け出して、自ら販路を拡大し、差別化できないかと頭を悩ませる。農業なんてできんやろ、と冷ややかに見つめられてた三人の研修生も、役割を与えられるとみるみろと村になじんでいく。 土地に対する思いとかこうなったらいいな、が最大限実現されてしまう物語。エッセンス を搾り取ると、その土地で生きたいなら自分たちが頑張らないといけない。
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物語は、祖父の田舎へやってきた優が、見捨てられようとしている村を見て、再生を決意するところから始まる。正登や都会から来た若者3人を巻き込んで、なんと農業の法人を設立。名物を作り、キャラクターを作り、HPでくず野菜の直販を開始。勢いにのって、レストランや美術館もつくる。 後半、スキャンダルで一時後退はするものの、役所をギャフンと言わせるシーンなどは爽快。 唯一気になるのは、出来すぎ感。ただそれだけ…。
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過疎地の農業と村おこし。こんなに上手くいくはず無いって思うけど、アイデア一杯で、もしかして上手くいくかもって思って読ませる。何より、人間も成長していくところがいい。そして、もちとうもろこしを食べたい!
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物語として楽しめましたが、農業は、儲からない こんなにトントン拍子に進むことはない 障害事件で、地域が不評になることもないと思う 農業しようかと考え始めてますが 主人公が作った、収益管理のシステムがほしい。
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尺が足りなくてギュウギュウ詰め。最後に近付くに連れて物事がトントン拍子に進展・好転していってしまうことに違和感。タイトルで期待していただけに残念。
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絵に描いたようなハッピーエンドが今の日本の農業に欲しい~多岐川優は銀行の審査部勤めからIT企業の資産運用に転じ,独立の潮時と感じて辞職したが,仕事に没頭して妻と子に去られ,暫くの休養と祖父の遺した寒村の家にやってきた。中央高速で2時間,下道で1時間,止村という限界集落だ。そこは自...
絵に描いたようなハッピーエンドが今の日本の農業に欲しい~多岐川優は銀行の審査部勤めからIT企業の資産運用に転じ,独立の潮時と感じて辞職したが,仕事に没頭して妻と子に去られ,暫くの休養と祖父の遺した寒村の家にやってきた。中央高速で2時間,下道で1時間,止村という限界集落だ。そこは自分を父の晴彦だと勘違いする年寄りと東京からやってきた農業研修生が3名いる。痩身長髪の男と太いオタク系の汗かき男,妙に色っぽいあかねという女を世話するのは,娘・美穂の尻に敷かれている正登という中年男だ。研修生を送り込んだのは幕悦町役場農政部のカマキリ男だが,役場は集落の集団移転を画策している。家に出入りしている年寄りと麓の町まで出かけた翌日,じいさんが一人死んだ。こんな風に人口が減って,村が潰れてしまうのかと思うと,営農組織を立ち上げるしかないと思い,村長に掛け合う気になったが,町の一部になっていて村長は存在せず,リーダー格の大内正登に提案しようと家に出向くと,娘の美穂は取り合おうともしない。思い切って村の皆を集めて,収益性の薄い稲作をやめて手間の掛からない野菜を減農薬で作る提案をすると,村の皆は雄と美穂をリーダーとすることを決定する。田を潰すことに抵抗のある農家も多いが,優と美穂が衝突しながら一年後には株式会社化する方向は見出せた。小松菜と蕪とモチトウモロコシは隣県やネット販売で好評を得ているが,それは自虐的な屑野菜のキャラクターをマンガで描くデブの千秋と,WEB制作の三樹夫,飛び込み営業を臆することなく展開するあかねの尽力がある。秋祭りが復活し,2年目には優のビジネスパートナー・佐藤が調達した資金で,本社社屋と美術館・レストラン,社宅も整え,テレビ局への売り込みで取材を受け,ベジタ坊の脱力キャラも人気を博している。正登とあかね,美穂と優は互いに惹かれ合い,順調に思われた二度目の秋祭りに事件は起こった。あかねを攫って車に乗せようとする男を阻止しようとした正登の苦境にあかねは石で男の後頭部を殴りつけ重傷を負わせたのだ。金主はスキャンダルに反応して返済を迫り,最大口は確保したものの2億4千万を返済しなくてはならない。優の所有するマンション・金資産を売却して村に残ることを決意したと聞いた村人がなけなしの資金を提供しても不足する。振り込み人不明の1000万が口座に入金され,執行猶予付きの有罪判決を受けた後で姿を消したあかねを正登は歌舞伎町で捜し出した~何だか少し方向性が間違っているような気がするが,大きな金が動かないと元気にはならない。星野リゾートや二期倶楽部の高級感を出すのが良いと思うが,地元の農業は残らないかな。休耕地にユンボを持ってきて除草する手は有効だ。手間と時間を掛けるより,金を掛けた方が合理的。その手を一回しか使わせないには理由があるのだろうが,なぜだか書いて欲しかったな。2月にリクエストしたが,地元の図書館が購入してくれず,借用本が届くまでに6ヵ月掛かって吃驚,向こうにも理由があるのだろうが,こうした明るい未来を示す本は買ってくれても良いのになぁ
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積んで置きっ放しだったけど、読み始めたら止まらなかった。 うちの実家も田舎だから、なにか共感できるものがないか。面白かったら農協や役場で働いてる友達に紹介しようと思って購入したのだが、なかなかに面白い。 農家や農協というものを改めて知り、考えた。 舞台は過疎化が進み、もうほとんど老人しか残っていない小さな集落。そんな田舎に戻ってきた経営のプロである主人公が、地域活性化を目指す。 農家と農協を良く知らないのだが、地方の農協が力(権力)をもっているのはわかるような気がする。しかし、この物語のように、農協は厳しいものなのだろうか?農協から農薬を高値で買わせられる?組合に入らないと貸し金も得られない?農協の選別で落ちた不恰好なくず野菜が大量にある? (審議については・・・農協で働いている従兄弟の兄貴にでも今度聞くか。) 限界集落の農業を活性化させるために、主人公は農家を集め、農業生産法人、会社を設立する。そして、生産した野菜を新規販路を開拓し、農協を解さずに直販する。直販する分、消費者にわたるまでの時間と経費の削減、強いては新鮮な野菜を提供できるようになる。 結果として、その村の農業は独立し、会社として成り立っていくサクセスストーリー。(若干、うまく行き過ぎな感じはある。しかし、仕方がない。そうしないと物語が進まない。) そのほかにも、他所から農業を知らない主人公の勝手に経営されてはたまるか!と村人との対立。 また、独立を良しと思わない、役場や農協が敵に回ったりもする。 これを読んで、農業の一部がわかった気にはなった。地域復興、地域活性化に活かせるところはないだろうか。
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田舎の元祖父の家に来た男の人が、村人と関わるうちに過疎化の進む村を農業で立て直す。 ユルキャラが有名になったり、ネットで注文がきたり流れが定番過ぎかな?
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農業について勉強も出来、物語も楽しめる作品。 農業や過疎化の進んだ村について、新しいアプローチ方法で活性化を図ろうとする所が新鮮で面白かった。 現実には、物語のように上手くはいかないだろうけど… 有川浩好きな方にオススメです。
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IT企業でバリバリ働いていた主人公は、会社を辞め、祖父の故郷へ一時休息するためにやってきた。そこはつぶれかけの集落であった。村の人々と交流するうちに、村の再生のためにひと肌脱ごうという気になる。農業の法人を作って、村を再生するのだ。 いかにもありそうな話で、展開も非常に妥当で、しっくりする結論に落ち着く安心して読める小説だ。でもなにか、おっと思わせるものがない気もする。最後にカップルが2つ誕生するのも、うまくいきすぎな気もする。農業法人も最後に危機が来るが、おおむね順調すぎるように進んでいく。もう少し試行錯誤があってもいいのかも。まあ主人公が優秀な企業再生のプロということで、それでいいのかもしれないが・・・ 読後感もよく、読みやすい作品である。
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