限界集落株式会社 の商品レビュー

黒野伸一【著】

2012/07/06

IT企業でバリバリ働いていた主人公は、会社を辞め、祖父の故郷へ一時休息するためにやってきた。そこはつぶれかけの集落であった。村の人々と交流するうちに、村の再生のためにひと肌脱ごうという気になる。農業の法人を作って、村を再生するのだ。
いかにもありそうな話で、展開も非常に妥当で、しっくりする結論に落ち着く安心して読める小説だ。でもなにか、おっと思わせるものがない気もする。最後にカップルが2つ誕生するのも、うまくいきすぎな気もする。農業法人も最後に危機が来るが、おおむね順調すぎるように進んでいく。もう少し試行錯誤があってもいいのかも。まあ主人公が優秀な企業再生のプロということで、それでいいのかもしれないが・・・
読後感もよく、読みやすい作品である。

2012/06/30

限界集落を農業で復興させようというお話。フィクションだけど、元ネタは実在するお話のよう。これからの成長にはアイディアが必要。そう実感させるお話です。

2012/06/18

【12/06/18読了】
漫画『銀の匙』にもハマっていて私の中で農業系の物語がブームになっております。

話の成り行きはうまく行き過ぎてはいるが、農業や日本の現状が上手に反映されていてとても面白く、あっという間に読み終わってしまいました。

2012/06/18

テンポ良く読み進められました。
「限界集落」に視点を当てた社会派の小説というわけではなく、ある程度現実に即した「限界集落」を舞台したお話。

現実に即しているとはいえ、読み進める中で都合の良すぎる展開が出てきて、現実では簡単には行かないと思います。しかし、現実でも出来るのではないか、と希望を持てる流れです。

最後の方は詰め込むためか駆け足になったのが少々残念。

個人的には各人物のその後が気になってしまいます。

2012/06/13

限界集落を活性化して新しい雇用の場を作るという発想が前向きでいい。実際にはここまでうまくいかないかもしれない。また登場人物のような経営感覚を身につけた人はそういないかもしれない。でも故郷がなくなるのは寂しい。個人的には私はコンパクトシティという考え方を支持するが、可能であれば本書のような解決策が理想だと思う。日本の農業も本書のように新しい道を切り開いて欲しい。

2012/06/13

フィクションだけど夢物語じゃない。

日本のそこかしこで、こんなふうにがんばっている「ふつうの人たち」がたくさんいるに違いない、と思わせてくれる小説。
そう言えば、旅先の鞆の浦でお世話になったボランティアガイドの女性（推定60代）からは、街に対する愛情が快く伝わってきていたっけ。
生まれた場所を愛することができれば、人はがんばれるよね。強制なんかされなくても。

2012/06/11

マクドもない、スタバもない・・・・この言葉にうふふふ♪で購入
都会で最先端の仕事に疲れ、祖父の居た田舎に戻る
農業なんてしたことも考えた事もない都会っ子が、過疎の山村を復興させたいと・・・そんなに上手くはいかないよ～って思いつつも
面白く読みました。

2012/05/27

何年も前、商品にならない野菜とか魚とかをネット通販できれば、生産者も消費者も幸せになる面白いビジネスになりそうだからやってみたいな～と思ってました。この本の中でリアルにやってのけてくれて、気持ち良かったです。人間模様も温かい気持ちになれました。出会えて良かった本です。

2012/05/27

ずいぶん前に読んだけれども、読み返したので感想をば。

他の方も書かれているが、とても「ご都合主義」な内容で、いまいち面白みに欠ける気がする。某英国魔法使いファンタジーと同じ・・・げふん。
「限界集落」という題材が斬新だったからこそ、もっと取材をがっつり行った上で書いて欲しかった。農政やJAのことなどもきっとあまり詳しくないんだろうな…
地元が農村、実家は代々農家、農協ともかかわり深いものとしては「いーっ」となる。でも「ないない」とツッコミながら読むのは楽しい。そんな内容。

2012/05/27

過疎の村が１人の男の出現で変わっていく様子もおもしろかったけど、全く考えや生き方の違う優と美穂がしだいに歩み寄って行く様がとても無理なく描かれていて、良かった。