夢違 の商品レビュー
設定は予知能力・タイムトラベルもの、ともろに好み。 謎が深まり、ぐいぐい読める。 か、最後かちょっと物足りないかな。
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2014.01.27 今回は久々にホラー要素を楽しめるかと思いましたが、やはり期待ハズレ。 最初のつかみは面白いのに、ダラダラと長くとりとめのない話が続き、ああ、またか…と。 今までと似たような世界観、似たような登場人物(必ず端正な美青年と美少女が出てくるw)。広げっぱなしの風...
2014.01.27 今回は久々にホラー要素を楽しめるかと思いましたが、やはり期待ハズレ。 最初のつかみは面白いのに、ダラダラと長くとりとめのない話が続き、ああ、またか…と。 今までと似たような世界観、似たような登場人物(必ず端正な美青年と美少女が出てくるw)。広げっぱなしの風呂敷みたいな結末(結末を煙に巻くのが大得意の恩田さんにしてはまだうまくまとめたほうだとは思いましたが)。奥さんは?カラスは?早夜香ちゃんは?夢の日付は?…最後は繋げられるところだけムリヤリ繋げたという感じで消化不良。相変わらず読後には何も残りません。 そそるキーワードを散りばめるのはうまいのに、それをストーリーにはできない残念な作家さんという印象。 未読のチョコレートコスモスを最後に、恩田さんからは卒業します。
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夢を記録して映像で見ることができたらいいのに・・・。あまりに鮮やかな夢を見たあとなど、誰もが一度は考えたことのある夢想ではないだろうか。この小説は、その夢が実現している世界が舞台だ。そして、ものすごく怖い。 データとして記録され映像処理された「夢札」の分析を職業とする浩章のもとに...
夢を記録して映像で見ることができたらいいのに・・・。あまりに鮮やかな夢を見たあとなど、誰もが一度は考えたことのある夢想ではないだろうか。この小説は、その夢が実現している世界が舞台だ。そして、ものすごく怖い。 データとして記録され映像処理された「夢札」の分析を職業とする浩章のもとに、原因不明のパニックに陥った子どもたちの夢札が届く。そこに映っていたのは、信じがたい光景だった。しかも子どもたちの夢は、浩章自身の夢や幻影とシンクロし・・・ 「ホラー」というより、時折ざわっと背中を這いあがるような怖さ。それは、夢の視覚化という技術が実現してしまったとき、無意識は意識化され、相互に影響をあたえあって現実を浸食するようになるという未来図に、具体的なリアリティがあるせいだろう。高度な技術の発達によって、それまで見えなかったものが見えるようになるのは、突飛な空想ではなく、実際に重ねられてきた歴史だ。だがそのことが自分たちに何をもたらすことになるのか、人間にはまるでわかっていないのだ。 コンピューターを一般の人が日常的に使い始めてまだ20年そこそこなのに、それは私たちの現実と意識を恐るべきスピードで変容させている。あるいは原発という技術がもたらしたものを考えてみればいい。白い霧の中を手さぐりで突き進み、幽霊に遭遇してしまうのは、ありえないことではない。技術と人間の意識・無意識の変容をめぐるSFとして、とても興味深く読んだ。
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再読。 夢を可視化することの出来る近未来。 夢判断、夢札、集団白昼夢、、、と設定がまず素晴らしい。 キーワードの散りばめ方が非常に巧く、ぞわりと舐めつけられるかのような恐怖感や不安を煽り、曖昧模糊とした世界へ自分も誘われるようです。 回収されずに取り残された伏線のバランスも絶妙で、どこか夢うつつのような余韻へと導いてくれます。 個人的にはドビュッシーの使われ方が凄く好き。 装丁も含めてとても好きな作品です。 やっぱり恩田さんの作品は良いなぁ。 でも万が一自分が生きているうちに夢が可視化されても、私は夢札を引くのは嫌だな。
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予知夢を見てしまう女性と、彼女のゆを分析する青年。 実際予知夢なんて見たくはないかなぁ。楽しい明るい未来だけならよいけど。 たんたんと語られているので怖い。ラストいろいろ解決するのかと思っていたのに…あれ?え?てな感じ⤵ ミステリというよりファンタジー?
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機械で人のみている夢を可視化できて、 それを精神医療に活用しているといるという時代設定のお話。 こういう設定は、さすが恩田さん・・・と唸ってしまうばかりで 得体の知れない薄気味悪さがずーっとついてまわる。 今はいろんなものが見える時代で 人のみている夢さえも実際に見ることができ...
機械で人のみている夢を可視化できて、 それを精神医療に活用しているといるという時代設定のお話。 こういう設定は、さすが恩田さん・・・と唸ってしまうばかりで 得体の知れない薄気味悪さがずーっとついてまわる。 今はいろんなものが見える時代で 人のみている夢さえも実際に見ることができたら一体どうなるんだろう、 と確かに考えずにはいられない。 個人的には、『真昼の月を追いかけて』に似ているなーっていう印象。 舞台が奈良ということもあるし 人を探すっていう設定も似ているし 終わったあとの余韻も似ていた。 怒涛の勢いで読んだので またしばらくしたら読み返してみたいな。 ちなみに少し前にやっていた『悪夢ちゃん』というドラマの原案になっていたそう。 あのドラマは全然観ていないけど、粗筋を読む限りは大幅に手が加えられていて 確かに原作そのままをドラマにすることはできないだろうなあと思った (笑)
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グイグイ引き込まれる面白さはあったけど、ラストはスッキリせず 飛ばして読んだからかもだけど 夢を可視化できるという設定が好き。 ドラマと全く違って面白かった
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夢の中での出来事が、いずれ、現実世界にも影響を及ぼす。 夢と現実の境界があいまいになっていく。 『パプリカ』を連想した人がどれくらいいるのだろうか。 私がよく読み込んでいなかったせいかもしれないが、「ここのシーンは、結局どの場面に繋がっていたの?」と思える場所が多々あった。
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夢が可視化できるようになった世界。 夢判断士の野田は、ある小学校で起きた集団パニックの原因を探るため 児童の夢札を分析していた。 そこにたびたび登場する、古藤結衣子。 時を同じくして、小学校で神隠しが発生し、古藤結衣子の目撃情報が入る。 彼女は死んだのではなかったのか。 彼女が児童の夢に登場するその意味は。 なぜ不可解な事件が連続して起こるのか。 不可解な事件と彼女の関係は。 細かく設定が練られている部分もあれば詳細説明がない部分も多く、 もっと知りたいと思うからページが進みました。 この感じ久しぶりだ。 以下ネタバレですが。 最後、彼女は目覚めたのでしょうか。 目覚めたと思いたいけど 筋力が衰えているのに2日後に軽い足取りで歩けるのかな。 でも、目覚めなかったら、夢違観音に行く意味はないよね。 相変わらず消化不良感はあるけど 恩田作品の中では美しくまとめたりドルストーリーだと思います。 集団パニック、若干のオカルト、 恩田さんのマスコットキャラ:八咫烏。 まさか。まさか。満開の桜を嫌うキャラクター。 多作品と素材が似通ってきちゃうのが残念。 でも存分に楽しみました。恩田さん大好き。
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恩田陸さんの小説は、読者の想像に委ねるというパターンが多いと思いますが、 この作品は特にその傾向が強いように思いました。 個人的に、そういうすっきりしない結末を迎える作品は嫌いでないので、 きっちり解決しないところに不満はありませんが、 なんだかモヤモヤと引っかかる部分が多いこと...
恩田陸さんの小説は、読者の想像に委ねるというパターンが多いと思いますが、 この作品は特にその傾向が強いように思いました。 個人的に、そういうすっきりしない結末を迎える作品は嫌いでないので、 きっちり解決しないところに不満はありませんが、 なんだかモヤモヤと引っかかる部分が多いことは否めません。 ラストの展開も、読み手によって解釈が変わってくると思います。 個人的に好きな所は、残り100ページをきっても、 まだ中盤に差し掛かったような感覚で読めるので、 500ページ近くをダレることなく、すいすいと読めることです。 読後感は色んな意味でモヤっとしますけど。 ひとつ気になったのは、何故、主人公の野田を独身設定にしなかったのか、という所です。 私はこれで、ラストシーンが余計に引っかかりました。
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