夢違 の商品レビュー
他人の夢を見られるようになっている。 「夢判断」という職業まであるんだもん。 夢をカウンセリングのように使っているようだ。 小学校で1クラスの子供たちが異常な行動をとる。何かに追われているように校庭に逃げ出してきたのだ。が、防犯カメラに何も映っておらず、誰も目撃されていない。 兄...
他人の夢を見られるようになっている。 「夢判断」という職業まであるんだもん。 夢をカウンセリングのように使っているようだ。 小学校で1クラスの子供たちが異常な行動をとる。何かに追われているように校庭に逃げ出してきたのだ。が、防犯カメラに何も映っておらず、誰も目撃されていない。 兄の婚約者で事故で亡くなったとされる結衣子が関係しているのか? こっちまで他人の夢を見て酔ってしまったような不思議な気分になる物語だった。
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図書館にて。 久しぶりの恩田陸の本で、やはり恩田ワールド全開。 現実の中に少し現実にはない世界を織り交ぜるという小説は多々あるけれど、この人の作品はどれも独特で他の人にはまねのできない説得力があると思う。 この小説を持って、奈良を歩いてみたいと思った。
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「夢だった」「宇宙人だった」「狂っていた」はオチの3大禁じ手と言われる。 その1つ、「夢」に、オチとしてではなく、真っ向からがっぷり取り組む。 予知夢というテーマは「マイノリティ・リポート」のようでもあり、姿が見えそうで見えない女、その女を追跡する男、警察の男、という関係性は「...
「夢だった」「宇宙人だった」「狂っていた」はオチの3大禁じ手と言われる。 その1つ、「夢」に、オチとしてではなく、真っ向からがっぷり取り組む。 予知夢というテーマは「マイノリティ・リポート」のようでもあり、姿が見えそうで見えない女、その女を追跡する男、警察の男、という関係性は「ブレードランナー」のようでもある。(とすると、和水仙は折り鶴?) 最後まで読んでも、あまりスッキリとはしない。 途中に出てくる霧のように、そして吉兆なのか凶兆なのか定かでない夢のように。
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疑問に思ったのは、古藤は最後現実へ戻ってきて浩章に会いに来たのか、夢の世界の住人となってガラス越しに会いに来たのか、浩章がいよいよ現実と夢の違いがわからなくなって古藤の「幽霊」と会ったのかということ。 髪が元に戻っていて、かつ浩章の腕に触れ、彼女の息を感じているというのは矛盾している気がする。髪の色は失われれば染めない限り元に戻らない。だとすると夢の世界の住人になったと考えられるが、現実に触れられているので、衰弱状態から覚醒してリハビリを経て浩章に会いに来たとも考えられる。判断がつかない。 それとも、完全な夢の世界の住人となったことによって、岩清水が懸念していたように、自由に現実に干渉できる存在になったということだろうか。 物語の最後の「余韻」を残すというのは作家の常套手段だから、考えてもしょうがないのかもしれない。 レビューでは後半が失速していると書かれている書き込みが多かったが、むしろ前半のほうが私は入りきれなかった。 「夢札」「獏」「夢判断」などの造語がこの物語のファンタジー要素として表されているが、この設定についていくのに苦労した。慣れるまでの辛抱だったが、「夢」が視ることができるようになった世界での時事問題に関する登場人物の議論では、ファンタジーにおける世界設定作りの材料にしていることは理解できるのだが、どうしてもフィクションであることを強調されてしまって若干冷めてしまった。 恩田さんのファンタジー作品はあまり自分の好みに合わないのかもしれない。 あと、これもほかの書き込みに散見されたことだが、私も言わずにはいれない。 奥さん、どうした(笑)
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「そう。彼女のために夢札が開発されたのかもしれない。彼女ただ一人をこの世に送り出すためだけに」 ラスト50ページの盛り上がり方が異常!後半はぐいぐいのめり込まされた。 ファンタジーの奇才・恩田陸の最新作。 でも、舞台は日本だし時代はほぼ現代だしと、期待と違う設定。 なんというか...
「そう。彼女のために夢札が開発されたのかもしれない。彼女ただ一人をこの世に送り出すためだけに」 ラスト50ページの盛り上がり方が異常!後半はぐいぐいのめり込まされた。 ファンタジーの奇才・恩田陸の最新作。 でも、舞台は日本だし時代はほぼ現代だしと、期待と違う設定。 なんというか、僕の思う恩田さんの良作には、 資本主義的な要素がないものが多いのでそう感じたわけです。 ビルとか企業とか似合わないようなイメージ。どちらかといえば、 現在文明から乖離した世界で独自のルールに縛られるのが素敵だと。 妄想力大爆発な、作家の作家たる所以を見せ付けられるのが好き。 なんだけど、なんだけどこれは凄い。 古藤結衣子というひとりの女性に纏わる人たちの真相が 徐々に暴かれ始め、真相を知った瞬間に加速する。よく構成練ったよなあ。 主人公含め、キャラに特徴があまりないのも古藤結衣子の存在感を増している気がする。 ああ、良作でした。 ちなみに、村上春樹の代名詞が「やれやれ」なら、恩田陸は「まさか。まさか。」だと思う。笑 夢を可視化し、心理状態を分析、診断する「夢札」の技術。 夢診断士である浩章は、ある時から予知夢を見る女、古藤結衣子の亡霊を見るようになった。ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」が鳴り響く。 時を同じくして、特定のクラスで発生する集団白昼夢と神隠し。 夢札を通じて原因を調査する浩章は、山科早夜香の夢札に古藤結衣子を見つける。 蔵王堂。木蓮寺。警視庁の岩清水とともに、古藤結衣子の縁の地を訪ねる浩章は 予知夢を見ながらにして事故死した真相と、夢診断士の「病気」を知る。 夢を人類が共有できる世界で起きる、夢のようなストーリー。 「夢は外からやってくる」 「眠り姫の目を覚まさせるのは王子に決まっている」
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予知夢を見る能力とかオカルトっぽい要素と 無意識下の夢を可視化する研究と脳科学みたいな アカデミックな要素とが混在している不思議な世界観。 設定の面白さにひきこまれちゃった。 でも、あくまでもその中心にいるのは生身の人間で・・・みたいな。 結末は、あ、やっぱりそうなるんだなぁって...
予知夢を見る能力とかオカルトっぽい要素と 無意識下の夢を可視化する研究と脳科学みたいな アカデミックな要素とが混在している不思議な世界観。 設定の面白さにひきこまれちゃった。 でも、あくまでもその中心にいるのは生身の人間で・・・みたいな。 結末は、あ、やっぱりそうなるんだなぁって 自然に受け入れられました。 むしろ自然すぎて、中盤のわくわくからフェードアウトしちゃったかも。
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ぐいぐいと引き寄せられる恩田さんらしい展開に あっという間に読み終えた。 今回は恩田さんにしては分かりやすいオチかな。 でも、そんなことが気にならないくらい引力がすごい。
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大好きな恩田さんだけれど、思いの外読むのに時間がかかりました。 夢を映像化して記録する事ができる「夢札」。 アイデアはとても面白いのだけれど、なかなかイメージが湧かなくて苦労しました。 でも、これぞ恩田さんだよねと嬉しくなってしまうような要素が沢山あったなぁ。 死んだはずの人...
大好きな恩田さんだけれど、思いの外読むのに時間がかかりました。 夢を映像化して記録する事ができる「夢札」。 アイデアはとても面白いのだけれど、なかなかイメージが湧かなくて苦労しました。 でも、これぞ恩田さんだよねと嬉しくなってしまうような要素が沢山あったなぁ。 死んだはずの人間がカメラに映っていたりだとか、神隠しに遭った子供達だとか。 そのへんのホラー作品より怖かったりするんですよね。 夢の内容も、何だかティム・バートン監督の世界みたいです! うん、何だかんだで気に入っちゃいました。
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前半は薄気味の悪さを感じつつ先を急ぎ、中盤以降からちょっと・・・・? 最終的にはようやく終わらせられたかと言う感じでした。 テーマ自体が夢なのでまるで夢をみさせられて「うぉっ!」と起きた時のような読後感です。
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面白かった、けども、終わり方が・・・ 発想や設定はとても素敵。 でも湧き上がりすぎるイマジネーションに翻弄されて収束し切れなかったみたいな、かなり恩田陸っぽい作品。 吉野の桜を見に行きたくなった。 夢、夢札、夢札を引く、古藤結衣子、予知、神隠し、春の吉野
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