夢違 の商品レビュー
なんだろう。今回はうまく世界に入り込めなかった。 オチが散漫なのはいつもの≪恩田クォリティ≫なので今更どうとも思わないが、 ≪夢札≫という仕掛けと、キーパーソンとなる古藤結以子という女性が、思ったより機能していない。
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恩田陸、最近ちょっとペースダウンした気がするが、むしろこれまでのペースが異常だったのかもしれない。とにかく書き続けてもらえればうれしい。 今作のテイストはユージニアに近い感じで、それに超常現象がちょっと加わる。夢って、小説的なテーマになりそうなんだけど、それ自体にとりとめがなく論...
恩田陸、最近ちょっとペースダウンした気がするが、むしろこれまでのペースが異常だったのかもしれない。とにかく書き続けてもらえればうれしい。 今作のテイストはユージニアに近い感じで、それに超常現象がちょっと加わる。夢って、小説的なテーマになりそうなんだけど、それ自体にとりとめがなく論理性がないから、文章で描写するのって難しそうなんだけれど、それっぽく描写しつつ、かつ退屈させない程度に刈り込む技術はさすがだなぁと感じた。作家としての想像力の原点を自省するという意味では、メタフィクション的な雰囲気が強いのだけれど、自分自身のイマジネーションに素直に従い広げられるところまで作品を広げきっているところも読みごたえがあった。しかし最後まであと30頁もないというところまで、ほとんど謎の解説がはじまらず、大丈夫なのと思っていたが、エンディングでがっかりさせるかつての恩田陸ではなかった。多くの謎についてはそれぞれ各自で考えてくれというスタンスではあるのだが、チェーホフの短編のように、それなりに小気味の良い幕切れとなっていた。
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ユージニアに雰囲気が似てる。謎がはっきりと解明されたわけではないけど余韻に浸れる。怖かったなー 夜に読まなければよかった!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
起承転結の結だけ抜けている感が否めず、せっかく本当に面白い題材に素敵な文章表現で惹き込まれ、途中までは楽しく読んでいたので、勿体ないという言葉が合っているような気がします。 謎が謎を呼ぶようで、どの謎も答えが皆目検討もつかず、どんな答えが用意されているのだろうとわくわくしていただけに、答えがなかったことが残念でなりません。 ですが、夢の持論をたくさん聞けただけでも読み応え抜群で後悔はまったくしていないです。夢や可視できることについて深く考えることができました。 終わり方も素敵でした。 個人的にすきなものが詰まっていたことも魅力的でした。 夢、烏、吉野、お寺、神隠し、など他多数。 勉強になったので読んでよかったです。 でも浩章に妻は居ないほうがよかったなぁ。 作中に洋画「MIST」とおもわれる映画のはなしを主人公たちがしていて、知っていたほうが楽しめるとおもったので観ておくのをおすすめします。 けっこう深く語っていたので。 わたしも、あれほど鬱な終わり方をした映画もなかなかないので個人的にすきだったうえに、作中霧が濃くなったときにわたし自身がなんとなくMISTを思い出していたら案の定話題に出てきたのに意表をつかれたのでなおさら面白みがありました。 こういうこともあるのですね。
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夢を可視化できるようになった、ちと未来の話。 長い。。。 途中いろんな伏線がはられて期待したが、結局謎が放置されたままで中途半端な感じ。
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長い小説だけれど、謎が小出しにされていて答えは提供されない。だから、どんどん進む。最後の数十ページは、本当にすべて種明かしされるのだろうか、と思ってしまった。ちょっとパンチが弱いけれど、良くまとめてあります。
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珍しく恩田さんの本に手を伸ばしました。 好みの問題だと思うけど、最後までモヤモヤするから 読後もすっきりしない。 ホラー?テイストな本は個人的に苦手だからか ぐいぐい読めなかったです。残念。
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夢の映像保存が可能となり、フロイトのいう夢判断が医療の現場で活躍するようになった近未来の話。「なんとなく○○だと思った」とかあいまいな表現が作中に若干多かったのが気になるものの、全体的は面白かったし、物語にぐいぐい引き込まれた。 夢が可視化できるようになって、それまで見えなかっ...
夢の映像保存が可能となり、フロイトのいう夢判断が医療の現場で活躍するようになった近未来の話。「なんとなく○○だと思った」とかあいまいな表現が作中に若干多かったのが気になるものの、全体的は面白かったし、物語にぐいぐい引き込まれた。 夢が可視化できるようになって、それまで見えなかったものがはっきりと見えるようになるという考え方は面白いなと思った。
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夢が映像化され、それを商売にしてみたり、夢診断を行ってみたり。 そんな時代で、今はいないはずの女性の影をあちらこちらで見かけ始める。 そして子供達の見る、奇妙な夢の中に登場してくる人もまた…。 どうなるのか、どうするのか。 むしろ、この風呂敷はどうやって結んで終わるつもりなのか...
夢が映像化され、それを商売にしてみたり、夢診断を行ってみたり。 そんな時代で、今はいないはずの女性の影をあちらこちらで見かけ始める。 そして子供達の見る、奇妙な夢の中に登場してくる人もまた…。 どうなるのか、どうするのか。 むしろ、この風呂敷はどうやって結んで終わるつもりなのか。 最後まで…というよりも、本当にラストになるまで広げっぱなし。 面白い、というよりも、謎が謎で、最後になるまで 繋がらない、というよりは、繋げられそうだけれど 確信を下さい、という感じでした。 結局、彼女は飛ぶのでしょうか? そして、春にやってきたのでしょうか? そうして、また帰ったのでしょうか? それとも、やはりこれはすべて彼女がにじみ出た結果なのでしょうか? 基本的な質問としては、お兄さんの所には? という感じですが。
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夢が可視化されている未来の話。感情・風景描写が細かくて、作者の世界に綺麗に引き込まれました。想像でしかあり得ない世界を突き詰めたやけに現実的な部分でも、幻想的な雰囲気をまとっているので全体としてのまとまりが気持ちいいです。最後は様々な伏線が回収されないまま終わるのでそこは好みが分...
夢が可視化されている未来の話。感情・風景描写が細かくて、作者の世界に綺麗に引き込まれました。想像でしかあり得ない世界を突き詰めたやけに現実的な部分でも、幻想的な雰囲気をまとっているので全体としてのまとまりが気持ちいいです。最後は様々な伏線が回収されないまま終わるのでそこは好みが分かれるかな、と。私は少し残念に思いました。けれど全体としては面白かったです。
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