1,800円以上の注文で送料無料

上野先生、勝手に死なれちゃ困ります の商品レビュー

4

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/11/21

古市氏、同い年です。 色々考えさせられる本でした。 いま現在、進学して上京して一人暮らししてるけど、一人っ子だから親が要介護になったらきっと地元に戻らなければ・・・なんて考えたり、そのとき結婚して子供がいたりしたらどうなるんだろう、とか考えてみたり・・・ 考えたところで答な...

古市氏、同い年です。 色々考えさせられる本でした。 いま現在、進学して上京して一人暮らししてるけど、一人っ子だから親が要介護になったらきっと地元に戻らなければ・・・なんて考えたり、そのとき結婚して子供がいたりしたらどうなるんだろう、とか考えてみたり・・・ 考えたところで答なんて出ないんですが。 にしても古市氏の遺産や介護に関する考え方は、読みはじめは なんて自己中なー とか思ってたんですが、読み進めながら自分のことも考えていると、自分も、無意識のうちに同じこと考えてるな、と。 でも、それを臆することなくさらっと言えるのって逆に潔いというか、すごいなーと。 学歴はもちろん同い年にしては留学やら起業やら、社会経験も収入も豊かで自立してるからこそ自己中な、正直な考えを公にするのに臆することがないのかな、と卑屈な見方もできちゃうわけですが。 いえいえ、知識や考え方、物の見方などなど、同い年とは思えない。すごいと思います。尊敬します。 とにもかくにも、この自己中な考えが、同世代のリアルなんだろうな。 ちょっと安心しつつ、ちゃんと先のこと考えなければ、と自省しつつ。

Posted byブクログ

2012/11/18

年齢差30歳余りある二人の対談集。上野さんは言うまでもない名の知れた社会学者ですが、昨年既に大学院教授の仕事をリタイアしています。社会の第1戦からは退いた形で、団塊の世代の旗手である自分の老後はすでに研究者生活でレールを敷いたようなもの。一方対談のお相手の古内君は弱冠26歳、大学...

年齢差30歳余りある二人の対談集。上野さんは言うまでもない名の知れた社会学者ですが、昨年既に大学院教授の仕事をリタイアしています。社会の第1戦からは退いた形で、団塊の世代の旗手である自分の老後はすでに研究者生活でレールを敷いたようなもの。一方対談のお相手の古内君は弱冠26歳、大学院に籍を置いている一応社会学者(この表現は彼自身の表現です)という立場の団塊の世代ジュニアの年若い方に位置するまさに見た目も今どきの若者。彼は著書もあるしメディアの露出度も高いのでよくお見かけします。故に、この二人がこのテーマでする話ですから、興味が湧かないわけはなく、会話文で読みやすかったのでするすると読めました。上野さんはおひとりさまの老後でも持論を展開するのに分かりやすい砕けた表現を使うので、シビアな内容でも笑えるのですが、この本でもそんな表現が満載、聞き手の古内君に講釈する様子はとても面白いものでした。古内君は「絶望の国の幸福な若者たち」で主張したように今の時代に生まれたことに不満はない、しかし将来の不安がある、そんな彼の不安は何なのかということを上野さんは順を追って聞き出して、将来の処方箋を考える手助けをします。この対談で古内君が親が死ぬのが怖い・・・いかに自分が大人になりたくないかわかったといっていますが、私たちの年代の若い時もモラトリアム人間なんて言う言葉が流行ったなあと思い出しながら、今は家族ぐるみで一体化してモラトリアムを生んでいるのだと感じました。つまり上野さんがいうように「大人になりたくない子どもと、大人にしたくない親との利害が一致。親の方も一人前になりきれなかったので、子どもを一人前にしないでお互いにしがみついている。」・・・果たして、問題を先送りしても何も解決しませんね。

Posted byブクログ

2012/10/14

そろそろ親の介護のことちょっと考えとかなきゃいけないけど、介護保険って何?という人や、なんとなく今の若年層って割食ってるよね?って思ってる人などにお勧め。これだけ世代の離れた対話だがお互いの差を認めて理解したうえで真摯に対話し、最後には親友になっています。

Posted byブクログ

2012/10/14

同い年の古市さんだからか、親への視点や感じる不安感が驚くほどに似ていて、上野先生にぶったぎられて討ち死にするというマゾヒスティックな快感を共有しながら読み進めた。親の介護という直視しがたき現実をざくっとなめてコメントしてくれている。

Posted byブクログ

2012/10/07

世の中なんでこんななのか、こんなふうにすっきり読み解いてもらえると嬉しい。自力でこういう思考ができるようになりたいものです。

Posted byブクログ

2015/05/11

自分が社会的弱者だと認めるのは、決して弱さではない 「それどころか、自分に助けを求める権利があるという強さなのよ。その強さが、男にはない」と上野千鶴子先生は言います。本書では20代の社会学者、古市憲寿が両親に死なれるのが怖いと身も蓋もなく吐露していますが、実際、団塊ジュニアは女性...

自分が社会的弱者だと認めるのは、決して弱さではない 「それどころか、自分に助けを求める権利があるという強さなのよ。その強さが、男にはない」と上野千鶴子先生は言います。本書では20代の社会学者、古市憲寿が両親に死なれるのが怖いと身も蓋もなく吐露していますが、実際、団塊ジュニアは女性化、あるいは老人化している?しかし親を介護する自分を想像できない、さらに当事者意識はゼロ、ゆえに孤立を恐れて群れはするが、連帯するというところまでいかない。上野先生の世代には運動癖があって、やたらとつるみ団結し政治的な声を上げていた。男女雇用機会均等法、介護保険の成立、被災者生活再建支援法等々、エゴイズムやルサンチマンがきっかけかもしれないが、それだけでは運動は成就しないし、昨今のネットを介した島宇宙の散在は、運動以前の承認の共同体として自己目的化し、その根をとだえさせている。多くの若者がまったりとあきらめつつ、いやしを求めて社会から遊離しがちとなり、「じゃあ、50代や60代になって、高齢の親に死なれてから、愕然とハードランディングをして当事者になるわけね。そう、大人になるのが50代なのか」と上野先生が言うような事態を招来しかねないのだ。 少子化と超高齢化社会における気分は皆若者現象の蔓延。ゆっくりと衰退していく日本。これをある種の成熟社会の姿と見てもいいのか。それは既得権益にどっぷりつかっている人たちと、それには縁のない人たちとに分かれる階層社会なんだろうけど、後者の下流、あるいは周辺の人たちが緩やかに社会関係資本を形成していければ、別段経済大国でなくとも幸福な日本になるのでは。そのためにはもちろん、古市クンの言うようにウザいとかキモいとかムカつくっていう気持ちから始めて、当事者性を見失わずにその輪を広げていくことが大事。結局、「幸せっていうのは、自分一人では成立しえなくて、少なくとも自分の周りにいる人間が幸せであることが、自分の幸せに関わってくる」のだから。

Posted byブクログ

2012/08/25

古市さんの知識の殺し方に好感を持ちました。 ちゃんとバカなふりをして聞けるのがインタビュアーの能力ですもんね。 ほんとうは頭いいのに。

Posted byブクログ

2012/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上野先生の痛快な物言いにすっきりする。それに比べて、古市氏の何でもネガティブに捉えたり、甘ったれた言葉にいらっとする。本気でそう思っているのか、それともわざと読者向けに? 残念ながら鼻持ちならない奴と思ってしまった。

Posted byブクログ

2012/07/26

ほんとうは☆5をつける内容じゃないとは思うのだけど、本全体にあるエネルギーにおされた。あとがきの手紙でなぜか泣いてしまったくらい。新書で泣かされるとはびっくり。

Posted byブクログ

2012/07/25

本文は、1985年生まれの古市氏が、親の介護に対する漠然とした不安について、1948年生まれの上野氏に問いかけるという対談形式になっているので、読みやすいです。「はじめに」の代わりに、対談の端緒となった古市氏から上野氏への手紙、「あとがき」の代わりに、対談を終えた上野氏から古市氏...

本文は、1985年生まれの古市氏が、親の介護に対する漠然とした不安について、1948年生まれの上野氏に問いかけるという対談形式になっているので、読みやすいです。「はじめに」の代わりに、対談の端緒となった古市氏から上野氏への手紙、「あとがき」の代わりに、対談を終えた上野氏から古市氏への返信を載せています。  対談は、親子関係が変わっていくことへの不安から始まり、介護だけにとどまらず、若者問題にまで及びます。上野氏と、古市氏の価値観の相違も見事です。  介護保険制度とその利用方法について理解していない古市氏のために、制度利用についてもわかりやすく説明していますので、親の介護についてどう考えたらいいのかわからないでいる子ども世代だけでなく、漠然とした老後の不安を抱えている中高年にも読んでいただきたい良書です。

Posted byブクログ