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上野先生、勝手に死なれちゃ困ります の商品レビュー

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87件のお客様レビュー

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2011/11/09

老後のこと、介護保険のこと、とりあえず知っておきたい、ああこれ対談だし読みやすそうだと手に取ったなら、、、確実にノックアウトされる一冊です。 「あなたこの本出したら家庭崩壊しない?」とのっけから上野先生に心配され、 「あったりまえでしょ、そんなことも知らなかったの!」と何度も面罵...

老後のこと、介護保険のこと、とりあえず知っておきたい、ああこれ対談だし読みやすそうだと手に取ったなら、、、確実にノックアウトされる一冊です。 「あなたこの本出したら家庭崩壊しない?」とのっけから上野先生に心配され、 「あったりまえでしょ、そんなことも知らなかったの!」と何度も面罵される古市くん。素朴すぎる彼世代の代表として投げかける不安と質問のいくつかは、実は読者のうちにも必ず潜んでいるはずのもの。。。ぐにぐにふやふやもあもあなそれらを、スパーン!カキーン!ズバッ!と切り開いてみせる上野長老の手腕が際立つのも、古市くんの体を張ったボケ(?)あればこそでしょうか。 まずは、ノックアウトされるべきでしょう。 どの世代も。 カイゴとロウゴのモラトリアム期はもう終わります。

Posted byブクログ

2011/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

≪内容≫ 社会学者、古市憲寿と上野千鶴子による介護問題についての対談。 ≪感想≫ 古市さんの力の抜け具合が面白く、若者っぽさを出すためにワザとやってるのかと疑いたくなるぐらいのゆるふわっぷり。しかし、社会に対するそういったユルさというかネガティブなスタンスには結構共感できたりして、自分もまた「子育てに失敗した」と嘆かれる若者なのだと自覚する。僕も古市さんと同世代で家庭環境が似通っているのもあり、結構ゾクゾクする内容だった。 まず、60代の上野千鶴子と20代の古市憲寿、なんとも組み合わせの妙を感じる。 そもそもこの対談のメインコンセプトとして「若者の女性化」というのがある。スイーツ男子とかそういう若者の内面の話ではなく、社会の中核から排除された二流市民、という意味で社会的な立ち位置が近代史上女性が置かれてきたそれに似ているという。だとすれば、我々若者が女性運動の草分け的上野千鶴子に学ぶところは大きいのではないか、と。 そういう問題意識からの対談は、介護問題を中心に話は進みながらも、若者論になったり、政治運動の話になったりと、とても興味深いテーマが詰まっている。シングルインカムソースに依存しない生活などの提言はなるほど、と思う。古市・上野対談らしい面白い視点だな、と感じた。 古市さんの介護に対する漠然とした不安を、上野千鶴子が分節して考察していく。そこからは貧困や年金などの国策に対して当事者性を感じない若者という図式が見えてくる。上野から「若いうちはいいが、50、60になって当事者性を認識したときにはもう遅い」というもっともな指摘がなされる。論点が見えてくれば、何をすればいいかもわかってくる。心構えを変えるきっかけにもなるし、重い腰をあげるきっかけになるかもしれない。 とてもシンプルな話の流れではあるが、つまりそんな基本的なところから話をはじめなければならないという我々若者の幼さもまた浮き彫りになっている。老後への不安についての対談から、それ以上に若者への不安が見えてくる。 楽観的に考えると、親が介護を必要とするまでにはもうしばらく時間的猶予があるだろう。それまでに社会の選択者として甘えを払拭することができるのか。(彼女は一人で死ぬと言ってはいるのだが)上野千鶴子を安心して看取ることができるような社会をつくることができるのか。我々はまずはその議論のスタートに立たなければならない。 山積みの問題に、まず目を向ける必要性を強く感じた。

Posted byブクログ

2011/11/07

上野千鶴子さんと古市憲寿さんの対談集。刺激的かつ実践的な内容で大満足。上野氏の「おひとりさまの老後」へのアンサーとしての対談という体だが、内容は介護、親との関係性の見直し、社会変革、ライフスタイと幅広い。 白眉は2つ。4章で語られる「百姓(ひゃくせい)ライフ」。「1年間の気候と...

上野千鶴子さんと古市憲寿さんの対談集。刺激的かつ実践的な内容で大満足。上野氏の「おひとりさまの老後」へのアンサーとしての対談という体だが、内容は介護、親との関係性の見直し、社会変革、ライフスタイと幅広い。 白眉は2つ。4章で語られる「百姓(ひゃくせい)ライフ」。「1年間の気候とか時期に合わせて、ありとあらゆる現物と現金の収入機会をを組み合わせて、自分の仕事をコントールする個人事業主」とのことだが、非常に納得。ノマドワーキングというと突飛なイメージが拭いきれないが、自分のライフスタイルに合わせて収集源と働き方をコントールするという思想。保険や年金が崩壊していく中でこの働き方をイメージしておくことは非常に重要。 2つめの白眉は「シングルマザーに関する男の役割」。養育費の取立てを非婚・離別問わずやる、というのは非常に有効かつ妥当な政策に成りうるのでは?少子化対策のためには、この方法しか無いと思わせる説得力がある。 軽く読み流せる内容かと思いきや、人生を考えさせられる一冊になった。非常にお勧めです!!

Posted byブクログ

2011/11/06

キング・オブ日本の論点である団塊と団塊ジュニアの介護問題について掘り下げるトークバトル。世代間格差について団塊ポジショントークがでてきてゲンナリしそうになるも、介護保険の効用については認めざるを得ないかなと。

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2011/11/03

全く期待せずに購入。20代にとっては「介護」なんて興味関心から外れているんだよね、だからこそ上野さんとの対談相手である古市さんの「無知」っぷりが光っている。あくまで読者側。研究者としてはどうかと思うけど、そこでもって、この本の内実が「伝わりやすい」仕組みが作れている。介護保険に関...

全く期待せずに購入。20代にとっては「介護」なんて興味関心から外れているんだよね、だからこそ上野さんとの対談相手である古市さんの「無知」っぷりが光っている。あくまで読者側。研究者としてはどうかと思うけど、そこでもって、この本の内実が「伝わりやすい」仕組みが作れている。介護保険に関心を持てるように作られている。企画意図、座談内容含めて、実に面白い。親の介護/若者の不安、世代論に陥りがちなテーマだけど、ちゃんと日常に根付いている。5年後には価値がなくなっている本の類いかもしれないが、新書に相応しい。そして、やっぱり上野さんは偉大だ。 学生たちに威圧的に、家父長的に振る舞う理由。「明日からあなたは要らない」と言われるために存在するのだ、と。言い切ってしまう上野千鶴子。わたしは、あなたの教え子であったことが誇らしい。

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2011/11/02

対談形式の本、初めて読みました。わたし、こういうのすきかもしれないです。 上野先生と古市サンの時には真剣に、でもじゃれあいながらお話をしてる様子がほんとうに微笑ましかったです。 内容に関しては、考えさせられること山積み。 「当事者意識」というものをいかに持てるか、等々、古市サンも...

対談形式の本、初めて読みました。わたし、こういうのすきかもしれないです。 上野先生と古市サンの時には真剣に、でもじゃれあいながらお話をしてる様子がほんとうに微笑ましかったです。 内容に関しては、考えさせられること山積み。 「当事者意識」というものをいかに持てるか、等々、古市サンも上野先生も対談の中でどんどん相互理解、そして成長?というか学んでらっしゃるのがわかりました。 頭のいい人たちの会話って素敵です。 わたしもこんな親友がほしいなあ、って思いました。

Posted byブクログ

2011/10/21

対談形式ながら、今の社会の大問題について改めて考えさせられた一冊。若者は年寄りに比べて割を食っている、だけど立ち上がろうとはしない。それは今の若者が未来を「不安」に思っているけれど、今特に「不満」を感じていないから。「不安」が「不満」に変わった時に何が起きるか…

Posted byブクログ