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上野先生、勝手に死なれちゃ困ります の商品レビュー

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87件のお客様レビュー

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2013/08/23

古市さんのよくも悪くも正直すぎる文章に惹かれ、彼の著書をすべて読破しようとして購入した本だったが、まさに自分も親の老いを感じ始め直面している問題で、一気に読んでしまった。介護不安に関してのみならず、現代社会が抱える問題について、まったく異なる世代の社会学者二人が対談しており、世代...

古市さんのよくも悪くも正直すぎる文章に惹かれ、彼の著書をすべて読破しようとして購入した本だったが、まさに自分も親の老いを感じ始め直面している問題で、一気に読んでしまった。介護不安に関してのみならず、現代社会が抱える問題について、まったく異なる世代の社会学者二人が対談しており、世代によってここまで考え方が違うかと面白かった。はからずも、最後の上野先生から古市さんへの手紙は、愛が感じられ、涙がでそうに。ためになる本だった。

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2013/08/12

上野千鶴子と古市憲寿の対談集。 基本的には「介護」がテーマなのだが、お互いの専門であるジェンダーや若者論だけでなく、経済、歴史と幅広く議論している。 大学院に入ることを本学のごく一部の先生は「入院」という。この言葉結構広まっているみたい。本書では次のように説明されている。(p....

上野千鶴子と古市憲寿の対談集。 基本的には「介護」がテーマなのだが、お互いの専門であるジェンダーや若者論だけでなく、経済、歴史と幅広く議論している。 大学院に入ることを本学のごく一部の先生は「入院」という。この言葉結構広まっているみたい。本書では次のように説明されている。(p.29) 入院……大学院に進学すること。特に文系大学院に進学すると、将来が非常に限定されてしまうため、「入院した」と皮肉られる。一般の病院とは違い、入院したからといって「病気」が治るとは限らず、むしろより病状が悪化する可能性が高い。 団塊世代は親からの援助が得られない人がほとんど。何が何でも歯を食いしばって就職せねばならんという覚悟はあった。スキルがなくても魚をゲットできた時代かもしれないけど、(団塊世代は)親は釣った魚を与えてくれないという予期はあったはず。(p.33) 親が突然死ぬのは珍しい。病気になってジワジワ弱っていく。それに気づかずに(心の準備ができずに)突然親が弱ると驚く。介護するのも大変。その準備のためにも、親と関係を気づくことが大切。「あそこが痛い」と話を聞いているうちに親の介護(どのように死にたいか、老後はどうしたいか、お金はどれくらいあるか)について話をしておくことが大事だと上野はいう。(pp.62-63) 家での食事で各人が違うものを食べたり、一人だけコンビニ弁当を食べたりといった「食卓の崩壊」をセンセーショナルにレポートした岩村暢子『変わる家族 変わる食卓』(勁草書房)が気になる。 最後に考えたいこと。(pp.241-242) 古市:ブラック企業に勤めている人や、非正規雇用ですごい低賃金で働かされている人がいたとします。客観的には不幸なんだけど、本人はその状況に不満を感じていない。その時に「本当はあなたはこんなに不幸なんです」っていうべきなのかどうか。それとも主観的に幸せなら、何の問題もないと放っておけばいいのか。 上野:(略)その余計なおせっかいをフェミニズムはしてきたわね。「あなたは幸せそうな顔をしてるけど、ほんとは不幸だ」っていうことを、たくさんんお女に言ってきたから。そう、やってきましたね。 古市:(略)上野さんの本を読んで不幸になった人も多いと思うんです。たとえば専業主婦とかの人が読んで「こんなことだったの!?」と気づいてしまって、平穏な日常が崩れる、なんてことがあったかもしれない。それはすべきなんですか、しないべきなんですか。 上野:たとえばどんなにつらい現実であっても、まず事実を知ることが必要。それに対処する選択肢が生まれるから。選択肢を示すってことは大事だと思う。(略)選択というのは、知っていて選ぶのと、知らずにそれだけしかなくて選ぶのでは、大きな違いがある。たとえ結果が同じになってもね。 (まっちー)

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2013/06/16

世代によって考え方の違いが良く分かる本でした。 印象的だったのは、上野さんが古市さんに「親より先に死にたいと思ってない?」という話をしていたところでしょうか。 あと、自分たち団塊の世代は子育てを間違えたというような事を話していたことも印象的でした。

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2013/03/28

正社員が期待できないこれからの社会、これからはいろいろ複数のことで細々と稼ぎ、小金をかき集めて生きること、という上野千鶴子のコメントがいいなと思う。

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2013/03/12

上野千鶴子の独壇場。痛快。 介護保険の基本的な内容を知る。ケアマネの存在は安心。 親世代はなんとか乗り切れるとして、自分たちの世代は?備えの必要性感じる。 子供世代には、魚を釣る方法を教える必要性あり。 社会は変えられるという意見が印象的。

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2013/02/06

百姓(ひゃくせい)ライフ。裏も表も全部知った上での選択。同居=24時間介護。老後にソフトランディング。

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2013/01/18

介護に関して上野さんと古市さんの2世代による対談本。親の介護そして自分が介護される側になった時の社会はどうなっていくのか、自分はどうしていくべきなのかを考えるきっかけとなる本。それぞれの分野である若者論や女性学からの視点が色濃く出ている。"外部に対しては手を差し伸べよっ...

介護に関して上野さんと古市さんの2世代による対談本。親の介護そして自分が介護される側になった時の社会はどうなっていくのか、自分はどうしていくべきなのかを考えるきっかけとなる本。それぞれの分野である若者論や女性学からの視点が色濃く出ている。"外部に対しては手を差し伸べよっていう動きになるけど、肝心の自分たちの集団にはむかない"になっている私はやっぱり"不安はあるが不満はない若者"の1人なんだろうなぁと思った。

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2013/01/10

団塊世代と若者世代が抱える不安が対談形式で書かれ、介護に関する話題を中心にこれからどうやってこれらの世代が生きていくかの示唆を与えてくれる。

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2013/01/06

親世代と子世代のギャップがはっきり。ただ個人的にはソフトランディングする必要性をあまり感じなかった。

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2013/01/02

20年前から僕がずっと私淑している上野千鶴子先生。昔はフェミニズムや近代社会での共同体をテーマとした社会学者として名を馳せていたけど、今は高齢化社会や介護問題の第一人者。「おひとりさまの老後」がベストセラーになったことは記憶に新しい。 その上野先生が若い学生と対談した本を出したと...

20年前から僕がずっと私淑している上野千鶴子先生。昔はフェミニズムや近代社会での共同体をテーマとした社会学者として名を馳せていたけど、今は高齢化社会や介護問題の第一人者。「おひとりさまの老後」がベストセラーになったことは記憶に新しい。 その上野先生が若い学生と対談した本を出したと聞いて調べてみると、相手はなんと今をときめく若手社会学者の古市憲寿君だった。これは面白いに決まってると即入手。(と言ってもこの本の存在を知ったのは発売して1年も後ですが・・・。) 本書は、タイトル通り介護問題について現在の状況と今後の展望について対談形式で語ったもの。対談形式と言っても古市君はほぼ聞き手で、上野先生に直球の質問を投げる役。この役、簡単そうに見えてかなり難しい。ある程度の社会学のバックグラウンドが無ければ的を射た質問はできないし、逆に読者を置いてけぼりにして「なるほど、分かりました」と納得されても困る。そのポジション取りが絶妙で、話の流れの中で読者が訊きたいと思ってることをしっかり訊いてくれる。前書きの通り、社会学者として、そして現代の情けない(?)若者代表として、両方の立場で介護という大きな問題に挑んでいる。素晴らしい人選だった。 上野先生は相変わらずの上野節で、かつて女性がフェミニズム運動で自らの地位を自らで勝ち取ったという自負を持っているだけに、今の若者がじれったくて仕方ないのがとても伝わってきた。その上で若者にエールを送る。未来はそんなに暗くない。君らも頑張んなさいよ、と。 そして内容は、まさに目から鱗、知らないことだらけで驚いた。僕もいいかげん介護問題が他人事でなくなる年代なのだが、あまりの無知さを恥じるとともに、この本に出会えて本当に良かったと思った。とくに介護保険についてと、介護の現状。上野先生らしく極めて冷静に、介護にまつわる数多くの実例とデータを紹介しながら世間の誤解や偏見を解きほぐしていく。古市君は古市君で、「2人に1人」という負担を背負う宿命にある彼らの世代の代表として、将来に向けてどのように戦略を立てて遂行すべきか上野先生に教えを請いつつ、自分の社会学者としての役割を考える上で一つのヒントを見つけていたようだった。彼の今後の活躍に期待したい。 ということで、とにかく介護問題について知りたければまずこの本を絶対に読むべし。そして親子兄弟に読ませるべし。 発売は2011年だが、僕が読んだのは2012年初頭。そして2012年度断トツのマイベスト。

Posted byブクログ