計画と無計画のあいだ の商品レビュー
タイトルでは、いい加減なイメージだけど、ちゃんと真っ直ぐ進んでいる小さな出版社の話。 安定した大手企業務めに疑問や不安を抱いている時期に、この本と出会えたのが、なによりの収穫でした。
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メインは出版のことだけど、各所の記述にはっとさせられる。 「初めて」を楽しむことが出来ていたのに、経験を積んで行くうちに、実の自分は弱くなってきている。知らず知らずのうちに「経験」でカバーする癖がつき、知らず知らずのうちに未経験の挑戦に対し臆病になる。 そうだなぁ、と思わず納得。...
メインは出版のことだけど、各所の記述にはっとさせられる。 「初めて」を楽しむことが出来ていたのに、経験を積んで行くうちに、実の自分は弱くなってきている。知らず知らずのうちに「経験」でカバーする癖がつき、知らず知らずのうちに未経験の挑戦に対し臆病になる。 そうだなぁ、と思わず納得。 偶然書店で手に取った本に何かを感じて「あ、この本私のためにある」という奇跡は毎日どこかで起きている、何故ならこのミシマ社が存続しているから、には書店の力を感じることが出来て本好きとしては、とても嬉しい。 アマゾンでは味わえない感動、書店への大きな応援歌だと思う。 タイトルの意味の部分、計画線が無い状態は危険だから計画線を立てる、そこと無計画の間を揺れ動いているときに、人は自由を感じる。この感覚が広がれば自由度は高くなる、の意味。ほんとうにその通り。 この意味には学生時代に気付いておくべきだったなと非常に後悔。ですので、大学生の人たちに読んでほしいと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1冊入魂、原点回帰の出版社として熱い注目を集めるミシマ社。 ここには、起業から創業5年目までの物語が綴られている。 著者は、『街場の教育論』、『謎の会社、世界を変える。』 などのベストセラーを連発する、ミシマ社の社長、三島邦弘氏。 2社の出版社を経験して、起業に踏み切るが、その想いのもととなっていたのは、 「いい本をつくり、しっかりと読者に届けたい」 「ひとつひとつの活動が、未来の出版を築く一歩でありたい」 というものであった。 そして、この想いだけで突っ走ってしまい、経営のことは二の次になってしまい、てんやわんやしている様は読んでいてこちらがはらはらしてしまう展開だ。 キャッシュが足りなくても、自社営業にこだわり、採用を図ったのもそれをやらないとミシマ社ではないと感じたからであろう。 出版業界の流通の話は以前から知っていたが、なぜ誰もがそのほうがいいということ(たとえば、取次を介さず書店に直接販売、手書きの読者ハガキなど)を出来ないのか、その疑問に1石を投じ、原点回帰を図ってきた行動力はすさまじいものがある。 まだまだ発展途上の会社なので、今後の展開にも注目である。 ■印象に残った言葉■ ・もともと人生なんて初めての連続ではないのか ・目の前の非効率を避けていては、永久に「未来」は拓かれない ・「料理は温かいうちにお客さんに届けるもの」。小学生の頃のぼくが聞いても、 「当たり前やん」と答えるに決まっている。だけど絶対にそうしたほうがいいに決まっていることが、実行されない ・強さは幻想でしかなく、弱さだけが本物だ ・「みんな、三島君は言わへんけど、たぶん、いまめっちゃお金ないと思うねん。会社つくったとこで、絶対厳しいはずやねん。それでも、ワタナベ君を連れて、高い交通費出して大阪まで来てくれはったんや。わかるか、この意味。みんな、絶対売らなあかんで。『街場の中国論』、絶対売ろな」
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作中に出てくる「作り手の熱意が滲み出ている」のを感じ、直感的に手に取った本。その判断に間違いはなかった。 無計画ながらも、とにかく本への熱意と野性的な感覚を頼りに突き進む、ミシマ社代表のエッセイ。とても真似できた生き方ではないが、そのパッションには非常に元気づけられる。彼の自由...
作中に出てくる「作り手の熱意が滲み出ている」のを感じ、直感的に手に取った本。その判断に間違いはなかった。 無計画ながらも、とにかく本への熱意と野性的な感覚を頼りに突き進む、ミシマ社代表のエッセイ。とても真似できた生き方ではないが、そのパッションには非常に元気づけられる。彼の自由で逞しい生き方は現代的な生き方の象徴に思えて、それを実践できる著者に少しばかりの嫉妬を覚えながら読み進めた。 経済は低迷し、国政は乱れ、先頃の震災も相まってまさに混沌を極める現代の日本。それだけに、著者の以下の言葉が強く響く。 「いま、この瞬間、どうしても動かなければいけない。そういうときが人生のうちに必ずある。その瞬間、理屈や理性、計画的判断といったものを超えて動くことができるかどうか」 著者はそのときを捉え、行動し、そして夢を形にした(まだ道半ばかもしれないが)。その夢をさらに豊かなものにできるよう、これからも応援していきたい。
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読書が好きな人達にオススメの一冊。こんな小さな出版社でも、三島さんの志に共鳴する多くの皆さんの支えで、きらりと光る存在になるということに感動した。 この本は、感動、成長、専業、幸福を理念に据えた「シマリス絵本館」の店主、Tさんに贈りたいと思った。開店して、わずか二年弱の絵本館だ...
読書が好きな人達にオススメの一冊。こんな小さな出版社でも、三島さんの志に共鳴する多くの皆さんの支えで、きらりと光る存在になるということに感動した。 この本は、感動、成長、専業、幸福を理念に据えた「シマリス絵本館」の店主、Tさんに贈りたいと思った。開店して、わずか二年弱の絵本館だが、三島邦弘さんの言葉はTさんにとっての力強い応援メッセージになると思った。
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手売り販売などユニークな出版社「ミシマ社」の話。 たぶん、自分に正直になるということなのだろう。自分に嘘をつかい生き方をすることが大事なんなだと。「そんなのおかしい」「もっといいやり方があるのに」なんて、思いながら会社の会議室で鬱々と時を過ごしている人たちへの啓発の書だと受け...
手売り販売などユニークな出版社「ミシマ社」の話。 たぶん、自分に正直になるということなのだろう。自分に嘘をつかい生き方をすることが大事なんなだと。「そんなのおかしい」「もっといいやり方があるのに」なんて、思いながら会社の会議室で鬱々と時を過ごしている人たちへの啓発の書だと受け止めた。自分を含めて。 ライフワークを考え始めたこの時期、考えさせられる本である。 「原点回帰」「『売る』ことが目的化してしまってはものづくりの原点から離れてしまう。ものづくりの原点はあくまでも、『喜び』を交換することにあるはずだ」 全面的に賛同。なんのために仕事をするのか。会社を守るためじゃない。社会的存在として役割を果たすためなんじゃないのか。少なくとも社会にではころはそう考えていたんじゃなかったか。 ライフワーク。自問させられた。
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自由が丘に本社をもつ出版社であるミシマ社の起業時から現在までに至るエッセイ。社長の三島邦弘さんの書き下ろし。思わずミシマ社の本を読んでみたくなるほど、本への熱い想いが至るところから感じられる。これだけの気持ちを込めて、本が作られていることをぜひ知ってほしい。自分の仕事に対する想い...
自由が丘に本社をもつ出版社であるミシマ社の起業時から現在までに至るエッセイ。社長の三島邦弘さんの書き下ろし。思わずミシマ社の本を読んでみたくなるほど、本への熱い想いが至るところから感じられる。これだけの気持ちを込めて、本が作られていることをぜひ知ってほしい。自分の仕事に対する想いを新たに見つめ直す機会をくれる素晴らしい一冊。
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自分のなかの野生ななにかが反応して、嬉しくなって寄り道してしまうのに、すらすらといつのまにか読み終わってしまう本でした。 ミシマ社のものごとの進め方や自分自身のあり方を「計画と無計画のあいだ」という視点から考察するという試み。とてもおもしろかったです。 すこし番外編的な、そっ...
自分のなかの野生ななにかが反応して、嬉しくなって寄り道してしまうのに、すらすらといつのまにか読み終わってしまう本でした。 ミシマ社のものごとの進め方や自分自身のあり方を「計画と無計画のあいだ」という視点から考察するという試み。とてもおもしろかったです。 すこし番外編的な、そっち側の「自由が丘」という話も興味深く、三島さんの感覚に親近感がわきました。(実際に何度も歩いている場所だったので、あ、そうそう、そうなんですよね、という感じ) 自分のもっている感覚とはだいぶかけ離れたOSで動いている人というイメージをもっていました。でも三島さんが大事にされているものは、じつは自分のなかにもある、それをもっと大事にしていきたいなとおもいました。 またすこし時間をおいて読み返したいです。
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出版社を立ち上げたベンチャー社長の自伝。 ミシマ社は、ヒットも結構出していて、現在注目の出版社だ。 大手出版社以外が、書店に置いてもらい、なおかつ平積みまでしてもらう ことは並大抵ではない。 本づくりについてはもちろんだが、 どのような手法で書店に本を置き販促をしているのか、 そ...
出版社を立ち上げたベンチャー社長の自伝。 ミシマ社は、ヒットも結構出していて、現在注目の出版社だ。 大手出版社以外が、書店に置いてもらい、なおかつ平積みまでしてもらう ことは並大抵ではない。 本づくりについてはもちろんだが、 どのような手法で書店に本を置き販促をしているのか、 そして年間数冊の刊行点数でどうやって回しているのかなど、 以前から興味を持っていたため、本自体は一気に読み終えた。 文章もうまくて読みやすい。 ただ、結論としては若干消化不良という印象を受けた。 著者も語っているように、この本は仕事論ではなく、どちらかと言うと 体験談の側面が強い。 読んで元気をもらえる、という意味では意味があったが、 「手書きの案内」や「読者カード」の話は、本を見ればわかることだ。 一軒家のオフィスを借りたとか、 オフィスにネズミが出たとかのエピソードも、わりとどうでもいい。 本当に知りたかった、「どうやって書店に切り込み、話題を作ったか」、 はあまり書かれていない。 著者としては、まだ発展途上のため、当然手法を明かしたくは ないのかもしれないが……、すこし残念。 ちなみに本書を読むと、残響レコード社長による 『音楽ビジネス革命』を思い起こさせられる。 どちらも、「熱とこだわりをもってやり続ける」ということでは同じことを 言っている。 ただ、『音楽ビジネス革命』のほうが、斜陽業界における ベンチャービジネスのヒントとしては、数段内容がつまっている気がする。
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口だけではなく実際に行動している人の言葉は素敵。「こうした方が絶対いいって分かってるのに誰も行動しない」と指摘されて恥ずかしい。 まさに今の流行を捉えた本だと思う。現代の働き手はこれを読んで奮い立つのが良いと、依然として他人事のように感じている私。
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