傍聞き の商品レビュー
「かたえぎき」と読むそうです。 4本の短編ミステリーとなっていて、それぞれの主人公がまたちょっと特殊です。 救急隊員が主人公の「迷走」 女性刑事が主人公の「傍聞き」 消防士が主人公の「899」 更生保護施設の中年女性が主人公の「迷い箱」 それぞれの現場で登場人物がとる不可...
「かたえぎき」と読むそうです。 4本の短編ミステリーとなっていて、それぞれの主人公がまたちょっと特殊です。 救急隊員が主人公の「迷走」 女性刑事が主人公の「傍聞き」 消防士が主人公の「899」 更生保護施設の中年女性が主人公の「迷い箱」 それぞれの現場で登場人物がとる不可解な行動の謎解きをベースに、その登場人物と主人公のヒューマンドラマにもなっています。 「迷走」では、救急車が受け入れ先の病院に向かわず、その病院近辺でぐるぐる迷走します。なぜ、救急隊員は迷走させるのか? 「傍聞き」では、泥棒の容疑者が女性刑事に面会を求める不可解な行動。なぜ、面会を求めるのか?以前、その容疑者を逮捕していることから、逆恨みされているのでは?と恐れてている女性刑事。そして、その女性刑事の娘。伏線がいっぱいある中で、傍聞きをテーマに真相がスパッと明らかになるところがすごいです。 「899」では火災現場で要救助者の赤ん坊をようやく発見し、事なきを得ておきながらも、退職を求める消防士。いったい、その現場で何が起きたのか? 「迷い箱」では、自殺傾向がある元受刑者が就職先から逃亡。その元受刑者は何をしたかったのか? 謎解き+ヒューマンドラマということで好きな構成です。 とりわけ、表題にもなっている「傍聞き」についてはミスリードを誘う展開で、さらに女性刑事と娘の微妙な関係が最後にほんわかと終わるところがとてもよいです。 さすが受賞している作品です。 ただ、ほかの作品では、設定とそのストーリ展開にはちょっと無理があるのも事実。その不可解な行動が本当に必要かぁ?って思うところもあります(笑) とはいえ、とても楽しめた作品でした。 文庫本で薄いのであっという間に読みきっちゃいます。 通勤のお供に最適
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お初の作家さんの短編集。とても読み易かったです。文章の雰囲気が何処と無く浅田次郎に似てる気がする。各短編の主人公が救急救命士や消防士等あまり身近にない職業だったのが新鮮でした。
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かたえぎき、と読むのですね。 赤い刻印を先に読んでしまったのですが、遡ってこちらも。 4編入っていましたが、どれも読後感が良く面白かったです。
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消防官、刑事、保護司を主人公とした4つの短編。 人のために尽くす職業に就いた者の、「矜持」にかかわる話といえる。 4編どれもが、登場人物の不可解な行動がミステリーの核となっている。その不可解な行動の奥にある心理。それを知った後には、小さな感動がある。 特に、表題作。「傍聞き」とは傍らにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと。そうやって漏れ聞いた言葉は、相手から直接伝えられた言葉より信用されやすいという「漏れ聞き効果」をうまく使った結果に思わずぞくっとした。 短編であり、読みやすいのだけれど、一つ一つの完成度が高い。どれもが続編を長篇で読んでみたくなった。
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ミステリ系の話が4つ入ってる短編集。話の先が読めてしまう感じらあったけど、まぁ話の内容が面白かったから許す。暇つぶしにオススメ
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娘の不可解な行動に悩む女性刑事が我が子の意図に心動かされる「傍聞き」。 元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。 女性の自宅を鎮火中に消防士のとった行為が意想外な「899」。 患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。 巧妙な伏線と人間ドラマを見事に融合させた4編。
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短編4つ。長岡弘樹さんの本は以前「教場」を読んだくらいだが、かなり良かった。(4つのうち2つは泣いた) 推理作家協会賞を取った本らしいが。あれ?推理小説だったっけ?物凄いヒューマンドラマって感じがしたが。 特に最後の「迷い箱」は展開がバレバレだったのにもかかわらず、ぐっときたなあ...
短編4つ。長岡弘樹さんの本は以前「教場」を読んだくらいだが、かなり良かった。(4つのうち2つは泣いた) 推理作家協会賞を取った本らしいが。あれ?推理小説だったっけ?物凄いヒューマンドラマって感じがしたが。 特に最後の「迷い箱」は展開がバレバレだったのにもかかわらず、ぐっときたなあ。うん、この作家さん、お気に入りにいれておこう!
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20160717 初めて読んでみた。どの短編もきっちりまとまっている。少し重いテーマなのが読んでいて解放感に繋がらないところがある。すべてキチンと解決して売るのだが何かスッキリしない気がしてしまう。
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短編4編。「赤い刻印」の主人公が初登場した表題作は日本推理作家協会賞短編部門を受賞したと言うことなので期待して読んだのですが、ちょっと肩すかしを喰らいました。「まず仕掛けありき」的な不自然さに違和感たっぷり。他の作品も特に語るべきものなし
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さくっと読めるのに各編の構成がしっかりしていて結末はどれも大満足。え?そういうこと?と毎回驚かされた。結末に向けての強引さが全く感じられないところも魅力的。普段短編はあまり読まないのだけれど、これを機に手に取ろうかなと思い始めた。
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